音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

ハイコンテクストでローブレインなひとぴと -The Stalinに寄せて

 

f:id:back_to_motif:20210729000815j:plain

私は日本という国自体は好きだし、日本人で良かったなと思うことの方が割と多かった。

 

それってなんでかな?と考えたときに、そんなに勉強熱心なわけでもないし海外のこともそんなによくわからないけど、少なくとも美味しいものを食べて、面白いものを見聞きして、それなりに楽しく生きてきたからだろう。

 

それに武士道精神とかそういうのも好きだ。

 

ちゃんと理解してないけど。

 

でも、私は日本人という集団が好きかと言われればそんなこともないかもな、と最近思うことが多い。

 

むしろ、なんだかうんざりするなと感じることが多いんだけど、それってなんでだろうという話である。

 

 

震災だったり洪水だったり疫病だったり、色々とどうしようもない、いわゆる天災というものが起きるたびに、日本は特に海外では好意的に報じられることが多かった。

 

緊急事態でも盗みが起きない、犯罪に走らない人が多い、とかいって。

 

その点については、暮らしている本人からすれば助かることではある。

 

そしてそうした海外ニュースが出るたびに、今度は日本国内で、ニッポンハスバラシイデスネ、と各局テレビでも報道されていたり、ネットの掲示板などでも〇〇国アリガトウ、とかいって謎の感謝祭が始まる。

 

政府は政府で、ガンバロウニッポン、キズナダイジ、とかいうキャンペーンを打っては一緒にあたふたしている。

 

もちろん全く仕事してねぇじゃん、なんてことまでいうつもりはないし、それで本当にしんどい人が励まされる場面もあるなら完全否定はしない。

 

でも、なんか気持ち悪さを感じるのですよ。

 

 

その気持ち悪さって何かなというと、やはり平時の時の世の中のあり方と急に態度がコロコロ変わるからだろう。

 

しかも一人だけじゃなくて、さも世論がそうであるかのようにも感じられる。

 

最近でもテレビもラジオもネットもそういう風潮に一気に染まっていって、時たま「いやもうちょっと冷静になろうよ」的なことをいう人があっても、「そんな場合じゃもうないんだよ!」みたいな感じで怒り狂っている。

 

どうしたんだろうか、この人は。

 

まさか個人的な話でここまで多くの被害者がいるわけでもあるまいに。

 

当事者かと思うくらいに燃え盛っているのだけど、ただコメントなり主張なりをよくみると大したことは言ってないのだ。

 

なんなら誰でも言える正論だけを得意げにのたまっているだけなのだけど、それが一人じゃなくて結構な数が語尾だけ変える、ちょっと方言混じってるくらいの差分でもりもり出てくる。

 

なんだこれは?

 

それだけ国民全体が怒ってるんだ!日本の恥だ!これがわからない奴は日本から出て行け!!とか言い始めるのだから、訳がわからない。

 

よくないことなのはわかるけど、そこで感情的に怒り狂って何か解決するの?て思っているだけなんだけど、彼らの論理ではどうやら私は非国民であるらしい。

 

なんでだ?

 

もっとも、ここでいう彼らも誰のことのなのかは、正直私もよくわからない。

 

この人たちは誰なんだろうって。

 

 

こんなモヤモヤをずっと抱えていたんだけど、この間何かのポッドキャストだと思うけど、そこで出ていた話が非常に私は腹落ちしたものであった。

 

日本人と中国人、実は中国人の方がルールを守る、みたいな話を半ば冗談みたいな感じで喋っていたんだけど、そういう背景として日本はハイコンテクスト社会という概念について話していた。

 

私は恥ずかしながら知らない言葉だったので調べたんだけど、ざっくり言えばいわゆる日本的なコミュニケーションと呼ばれるものが成り立つ社会だ。

 

要はニュアンスとか雰囲気、空気って奴だね。

 

忖度という言葉はまさにそれを表している表現なんだけど、この言葉が問題になること自体が、日本の価値観自体が変わってきているという大きな証左なのかなと思ったのだ。

 

コンテクスト=文脈だけど、言葉の意味そのものよりも空気やその場の流れ、文字通り文脈を重視しているという話。

 

なので対概念はローコンテクストになるわけで、こちらはいわゆるアメリカ的なコミュニケーションという感じ。

 

で、さっきの話に戻ると、日本人はルールだから守るんじゃなくて、みんなが守っているから守るというのが根本の行動原理になっている。

 

言葉の上で正論が滑って見えるのは、結局根本の行動原理と言っていることが一致しないと感じるからだろう。

 

実際コロナの自粛問題でも、「みんな我慢しているから」ということが仕切りに叫ばれているのは、まさにそのことを暗に表しているだろうし。

 

日本人が優しいんじゃなくて、その人が優しいだけ。

 

もちろん全国民が須くというわけではない、というのは一応書いておかないと、またすぐ烈火の如くに正論棒を持って殴り込んでくる人がいるから。

 

なんでそういう人が正論を持ってくるかというと、正論って正論だから否定しづらいんだよね。

 

その言葉自体は別に間違っていないから正論なわけで、でもあくまでそれは論。

 

面白いのは、正論なのはわかるけど世の中はそんなに単純じゃない、という正論でもってそれを打ち返す様もあって、その時々によってどちらが趨勢か、ある種の正しさを判断しているのはそこだけではないだろうか。

 

正論しか言えないのは別に信念があるわけじゃないからだろう。

 

世の中的にそういう感じだから乗っかっておこう、よっしゃ、俺正義、イエイ、みたいな。

 

 

でも、ほとんどの場合主語は巧みに隠されていて、みんなも言ってるけど、やっぱりこうだよね、みたいな言い方のイメージ。

 

だから、赤信号みんなで渡れば怖くない、なんていう標語も出てくるわけで、これってまさにそういう状況を揶揄しているんだと思うが、どうだろうか。

 

一人で部屋の中で騒いで踊って屁をこいている分には誰も迷惑しないからいいんだけど、ネットというものが特にそれを大声で世の中に喧伝するし、得てして頭の悪い人は声がでかいのは不思議とネットでも同じで、文字なのにやたらあちこち出てくる。

 

日本人の民度も相当低いからね、残念ながら。

 

正確には、見えにくいだけで収入だけじゃなくてそうしたところにも大きな溝がある、という話だと思うが。

 

 

だからローコンテクストがいいとかそういう単純な話ではなくて、ハイコンテクストな方がいいと思える側面もあるだろう。

 

文化の話でもあるから一概にいい悪いの話ではなくて、重要なことは少なくともそうであるということを理解していることは重要だなと思うわけだ。

 

私はこの概念を知ってモヤモヤしたものが妙にすっきりしたんだけど、引き続きハイコンテクストなコミュニケーションもとるだろうし、でも必要に応じてローコンテクストなコミュニケーションも理解して活用しないといけないだろう。

 

こういう使い方の言葉じゃないかもしれないけど、言わんとしていることがせめて伝われば幸いだ。

 

ハイコンテクスト。

 

 

それにしても、最近不意にスターリンの曲が流れ出すことが多くて、数いつ前に書いた記事でもスターリンの画像と音源を使ってしまった。

 

彼の書く歌詞が最近の状況私の中でやけに刺さりまくっているのである。

 

ところで、画像は拾ってきたものなので、そのうち見つかったら怒られてしまうかもしれないな。

 

でも、みんなやってることだから、俺だけ言われるなんてことはないか。

 

そんなの不公平だもんな、別にお金をこれで稼いでいるわけでもないんだし。

 

そもそも俺が拾ってきた先の写真だって、本当はどっかから勝手に借りてきたものかもしれないわけだし。

 

それに、さも自分が撮影しました!みたいな顔で使ってる奴もいるだから、そんんな奴から怒られるべきだ。

 

 

なんてね。


www.youtube.com

吐き気がする

f:id:back_to_motif:20210722114824j:image

個人的には毎回オリンピックには興味がなくて、その時期になるとテレビがそれ一色になるので昔はそれが煩わしかった。

 

最近はラジオを聴いているのだけど、ここ半年はずっとオリンピックもコロナのニュース、ホットトピックだからといえばそうかもしれないが、それで何かが変わるわけでもないなら程々でいいだろう。

 

それにしても今回は話題に事欠かない。

 

日本のお笑いでいうところのてんどんというやつか。

 

色々と個人の過去の発言だったり作品だったりが槍玉に挙げられているけど、今回の件で浮き彫りになったのは日本のおめでたさではないだろうか。

 

絆とかワンチームとかなんとか、色々なスローガンが楽しそうに叫ばれていたけど、そこでみんな思考停止して問題の本質はよくわからないと目を瞑って。

 

世の中が急速に変わっていく中で放っておいたそれらが急に顕在化してしまっただけに過ぎない気がする。

 

私は高尚な嗜好も思想もないので、小山田にしろ急に出てきた小林さんにしろ、貰い事故みたいなものだと思っている。

 

必ずしもその事象自体を肯定するつもりはないけど、小林さんについてはデリケートな問題とは言え、別にホロコーストそのものを笑っているわけではないし、ここまでの言われ方をするものだろうかというのが実際だろう。

 

まぁ、そもそもこんな場所に引っ張り出されなければ、二人ともこんなに批判の対象になることなんてなかっただろう。

 

平和とか融和とか、そんなお題目を使って金を稼ぎたいだけのイベントに巻き込まれて、いい迷惑だろう。

 

 

一応言っておくが、選手に対しては全く批判的な目は持ってないし、開催されるならそこに出たいと思う気持ちは当然だと思う。

 

だって、1番になりたくてやってるんだから、それを狙えるならやりたいでしょ。

 

その気持ちも利用している感じがあって、でも他の商業イベントと違ってそれをなんなら否定して隠そうとしているようなのが、なんだか気持ち悪い。

 

 

ともあれ、コロナの件でもニホンジンハスバラシイとニュースでも臆面もなく話している様が笑えてくる。

 

これは正義案件だと思ったら、どっかから借りてきた正論でぶん殴りにいく。

 

ヤーヤーヤー、てか。

 

ちなみに、個人的には世の中の多くが当たり前に使っている殺すだ死ねだと言ってケラケラ笑っているのも同列だと思うんだがどうなんだろうか。

 

これって存在そのものを否定している言葉だから、人権云々の話と同列だと思うんだが、みんな言ってる、本気で言ってない、ただの冗談とみんなわかってる、と言うんだろうね。

 

でも、それと彼らが数十年越しに否定されている事象との違いって何があるの?

 

社会的な問題になってないから?でも当時は同じくなってなかったじゃん。

 

公の場ではないから?テレビタレントも芸人もバンバン公共の電波で言ってるぞ。

 

全く面白い言葉とも思わないし、他の言葉で置き換えても意味も文脈も変わらないし、むしろその方が素直ら笑えると思うが、みんなは死ねって言ってる方が面白いと思ってるのかな。

 

私は日常生活でも言わない。

 

言ったことがないとは言わないけど、高校生くらいからは意識して言わなくなった。

 

その前はあんまり考えてないアホな子だったからね。

 

でも、いい言葉じゃないからと思ってね。

 

 

特定の誰かを徹底的にぶっ叩くのって、自分は違うんだと表明したいだけなのかなと思うこともたたある。

 

こうやって書いている自分もそうなんだろうなと思うけど、ただ個人を攻撃するだけのあり方はしたくないなと思うよね。

 

 

ともあれ、私は正義という概念が嫌いだし、それを振りかざす奴はもっと嫌いだ。

 

気持ち悪い。

 


www.youtube.com

 

今日も生きたし、明日以降も生きる -The Novembers

f:id:back_to_motif:20210717172313j:image
今日は久しぶりのThe Novembers のライブ。

 

新木場に行くのもかなり久しぶり、というか2年ぶりとかかな。

 

昨年できなかった『At The Beginning』のリリースツアーという位置付けである。

 

この間に映像作品としてリリースされており、こちらは既に視聴済み、インダストリアル色の強い作品なので、重低音も響かせてかなり重厚な音楽になっていた訳であるが、ここへきてようやくライブも実現できることに。

 

キャパを抑えての開催なので、身入り的には厳しい部分もあるだろうから、ありがたい限りだ。

 

先日も小林君とBoom Boom Sattelitesの中野さんのバンド、The Spellboundのライブが無料配信されていて、それもめちゃ良かったし、ミュージシャンとして1番脂も乗っているタイミングだろうから、楽しみだよね。

 

この前の『Hallelujah 』の時もツアー最終日が単独初参加だったんだけど、その時からバンドのモードもぐっと変わってきているだろうから、どんな感じかなと。

 

ケンゴさんのキコギコも見られるのかしら。

 

梅雨も明けて今日はいい天気だ。

 

 

ライブは"Rainbow"でスタート、今回はアルバムのテイストもあり打ち込みとの同期もかなり駆使していた。

 

これまで使ったことなかったバンドだと思うが、音も何も見事に調和が取れており、爆音で最高だ。

 

全体的にダンスミュージックみたいなアレンジも諸所に見られて、新作を踏まえて明らかに新しい姿を示している。

 

このコロナ禍でブランクがあるにも関わらず、パワーアップしている。

 

また普段はギターボーカルな小林君だが、ハンドマイクで朗々と歌い、なんなら踊ってさえいるではないか。

 

ここ最近は非常にオープンになってきているけど、ライブパフォーマンスでも大分大きな変化だ。

 

メロディパートからスクリームにハイトーンにと序盤から全開で、こっちが心配になるくらいだが余計なお世話だったらしい。

 

ちょっと走りすぎなところもないではなかったが、ともあれ気持ちの入ったパフォーマンスだ。

 

『Angels』以降の曲ではほぼそんな感じで、かつてない彼が見られた思いだ。

 

またギター曲ではこれまたノイジーで、"美しい火"などシューゲイザーばりの轟音だ。

 

"Xono"なんかはイントロの爆発がすごかったな。

 

他方でメロディアスな曲はとことん優しく歌われる。

 

もちろん他のメンバーもすごくて、ケンゴさんのギコギコは無事披露されて、彼はメンバーの中でもマイペースに自分のやりたいことを曲げずにやる印象があるのだけど、割と暴れる小林ギターに対してメロディアスな部分とかキラキラしたフレーズとか、多彩に放って曲を彩っている。

 

高松さんのベースもかなりアグレッシブで私は好きなんだけど、"Dead Heaven"では5連譜で繰り返される引いていると難しそうなフレーズをしっかり弾きながらコーラスもバッチリだ。

 

ちなみにバンドのリーダーは彼で、ラルク大好きでおなじみである。

 

ドラムの吉木さんもデジタルパッドも駆使して、グランジ的なダイナミックなフレーズからインダストリアル・ダンス的なフレーズも力強く叩いている。

 

 

アンコールのラストは”今日も生きたね”というシングルでリリースされた曲だけど、この曲の歌詞も改めて見ると味わい深いものがある。

 

生きていれば遭遇する全ての事象をある意味ニュートラルに捉えながら、それだけのことなんだといい放つ。

 

でも最後には、なんて美しい日だろう、なんて美しい世界だろうとしめくくられる。

 

こういう書き方するとある種ニヒリズムみたいに見えるところもあるかもだが、そういうわけじゃない。

 

 

新作の曲が中心ではあったけど、過去の曲についても歌詞の世界観含めて彼らなりのメッセージ性を持たせたライブだったのかなと感じている。

 

爆音は徹底的に気持ちよく、ノイジーさも出しながらメロディは優しく歌い上げる。

 

The Novembersがこんな大きな感じになるとは昔は思わなかったな。

 

昔、確かLillies and RemainsのKENTだったと思うけど、何かのインタビューで小林くんについて「積極的に交わろうとしているのはすごい」と彼のコミュニケーションスタンスを表する言葉があったのだけど、最近の活躍だったり今日のパフォーマンスを見ても、改めてその言葉の意味を思うよね。

 

多分元々社交的な人ではないんだろうなというのは初期の曲を聴けば誰しも思うだろう。

 

なんなら共にイベントもやっているリリーズやプラズーと共振しているところからも、基本的には内向的な人だと思うし。

 

それにも関わらずそうしていこうというところがすごい、というのが評価なわけだけど、実際先のSpellboundも含めて活動の幅を広げている。

 

他のメンバーも同様だ。

 

今が一番楽しいとコメントをしていたけど、実際そうなんだろうな。

 

 

彼らはまだまだ世間的にはインディーだろうし、よくわからないという人も多いだろう。

 

だけど、ノイジーで混沌した中にしっかりと世界に対する優しさみたいなものや、ポジティブさを感じる音楽をやっているので、最近はそうしたフィーリングがとても魅力的だと感じる。

 

11月には、あるアルバムの記念ライブも行うことが発表されたけど、こうして着実に活動を続けて欲しいよね。

 

ライブラストはメンバーみんなで前に出て、肩を組んで一礼していった。

 

今時?なんて思ってしまうけど、こういうところがいいんですよ。

 

スカしていないからね、彼らは。

 

 

ともあれ、今日はいいライブを見せてもらいました。

 

音も気持ちいいし、曲もいいし、私はすっかり彼らのファンである。

 

無理にポジティブな言葉を言ってもそれは白々しいだけだし、かと言って呪詛の言葉は何も生まない。

 

本当に何かを求めるなら、芯からの言葉であったり、言葉ではない何かであったりでしか伝わらないのかもしれないから難しいよね。

 

社会不安が増すと誰かを敵にしたくもなるけど、そんなことしても何も変わらない。

 

それよりも、どうやってこの状況打開する?て考えていく方がいいじゃん。

 

それぞれの持ち場でそうやってやってれば、少しくらいはよくなるだろ。

 

なんて、おめでたい私は思っているところがあるけど、そう信じていないと人生はつまらなすぎて生きていられないからな。

 


www.youtube.com

正義の人

正義感て怖いよね。

 

正論を盾に正義で人をぶん殴る。

 

何十年前の罪だろうとささやかな言動だろうとちょっとした悪ふざけだろうと、「こいつは悪だ!」と決めつけると正義感に駆られた善良な一般ピープルがこぞって拳を振り上げる。

 

「謝れ!」「反省しろ!」「会見しろ!」「償え!」だって。

 

そりゃやったことは褒められた話ではないし、仮に刑事罰に処されていないとて胸糞の悪いものは腐るほどある。

 

それ自体が正当化されることはもちろんないわけだけど、それをよくわからない奴に好き勝手言われて、いざ謝罪をしても「反省しているように見えない」「それで許されることじゃない」「問題の本質はそこじゃない」と、どっちにしても正義感を発揮して得意技を披露して見せる。

 

怖いな、正義感をもった人は。

 

 

Corneliusこと小山田圭吾がオリンピックのテーマ曲を担当することになったらしいが、その件で94年だったかに出された雑誌のインタビューでのいじめの件でまた叩かれている。

 

音楽をある程度聞く人であれば多分ほとんどの人が知っているであろう有名な話だ。

 

海外でもしっかり評価されており、国内でもNHK攻殻機動隊など有名作品にも楽曲提供しており、完全にメジャーの人だしね。

 

何かにつけ話題になることで、まあそのインタビューを読めば流石にこいつヤベェなとは思う。

 

同時に、よくこんなインタビューを雑誌に掲載したなと思うし、それが刊行されている段階で出版社の倫理感みたいなものは問われないのだろうか。

 

ある雑誌では、ずばり「いじめ紀行」という連載ものだったみたいだから、そもそもそんな企画をよくやろうと思ったよな。

 

時代的にはいじめがようやく問題になり始めた頃かな、また障害者に対する目も今ほどちゃんとしていない時代だから、社会的に面白がっていた事象だった側面もあるんじゃないかと。

 

LGBTでも、少し前は男性の同性愛者をホモといって笑い者にしていた時代があったわけだから。

 

 

で、小山田は早々に謝罪文を発表、しかし上記のように「反省してない」とか「謝って済む問題じゃない」とか、じゃあどうしろっていうのか。

 

死ねってことですかね?

 

いじめた当人と和解しろとかちゃんと向き合えとか、どこのカウンセラーだろうか。

 

虐められていた本人の気持ちは知るべくもないが、ひょっとしたらもう触れられたくないと思っているかもしれないじゃないか。

 

仮に今彼が本人ですと言われたとて、彼の名誉にも関わる話だから、気安く安易な正義感をかざすなという話である。

 

誰が見ても嫌悪感を示す事象に対して正義感を発揮するのは結構だけど、その向こう側の人にもちゃんと目を向ける配慮があれば、無闇に言わないだろ。

 

レイプでもそうじゃない。

 

警察沙汰になりにくい一番の理由は、被害者本人が公になることを怖がるからでしょ。

 

刑事事件にちゃんとできても、「勇気のある女性だ!エラい!」なんていつまでもネット上で話題にされたらどう思うよ?

 

そういうのも2次被害ってやつじゃないのかと。

 

 

だから正義感みたいな人ってやばいし、怖いし、マジで黙れとしか思えない。

 

あなたの形だけの正義感は誰も救わないし、ただたんに自分の正当性が評価されたように感じるだけのオナニーだよ、そんなの。

 

もちろん第3者の告発によって救われるケースもあるわけだけど、それは事象によるでしょ。

 

それを判断できるだけの頭がない奴は、黙っているのが世のためである。

 

 

一昔前に感動ポルノという言葉がスラング的に流行ったが、基本的にそのメンタリティを維持し続けている人は一定いる気がする。

 

ただの事象を勝手に美談に仕立てて、勝手に感動して、勝手に拡散して、感動した!泣けた!と喚き散らす。

 

他方で人の見られたくない部分を、しかも別に見なくてもいい部分をわざわざ見にいって嫌な顔をするのもこの手のやつだ。

 

ほんと嫌い。

 

 

一応再度書いておくが、彼の過去やっていたことやそれをベラベラと人前で喋る感性はどうかと思う。

 

でも今どう思っているかはわからないし、彼を嫌悪するのは個人の自由だが、だからといってそれは叩いていい理由にはならない。

 

結局やっている行為自体は同じだよ。

 

立場として弱くなったものをボコボコにしているわけでしょ?

 

身から出たサビだ、自業自得だというのはその人の理論で、一見正論だけどそれはあなたがそれをやっていい理由なんですかね?

 

他の人もやっているから、なんていうのは言い訳にもならない。

 

実際件のインタビューでも彼が単独ではなく関わった人間もたくさんいたじゃないか。

 

他の人もやってるよ?

 

嫌いだと表明することは結構だが、攻撃に転嫁していい理由にはならない。

 

いじめってそういう精神理論で起こるらしいから、そういう行動をとるあなたのような人がいる限り、永遠になくならない事象なんだと思うけどね。

 

その気色悪さをもう少し自覚した方がいいと思うが、どうだろうね。

新しい誕生日に -The Spellbound

f:id:back_to_motif:20210712225025j:image
いわゆるスーパーバンドというやつはどうしてもテンションが上がってしまう。

 

特に好きなバンドメンバーが組んでいるとなればやっぱり聴きたくなってしまうしね。

 

ここ最近で一部で大変話題だったのはThe Spellboundというユニットだろう。

 

いまや日本きってのオルタナティブロックを体現する存在になったThe Novembersのg/Voの小林君と、Boom Boom Satellitesの中野さんのユニットである。

 

あまり知らない人のために補足すると、ブンサテはこの中野さんと川島さんという人の二人組で、90年代から活動しており日本よりもイギリスなどの海外で先に人気に火がついたバンドで、ダンスミュージックとロックを合わせた音楽は当時の最先端と言われたものだ。

 

テレビCMや映画でも曲が使われているし、バラエティでもよく使われていたので実はどこかで聴いたことがあるはずだ。

 

かっこよかったのよ、このバンド。

 

川島さんは女優の須藤りささんの旦那さんでもある。

 

ところが、彼は脳腫瘍を抱えており、幾たびの手術にもかかわらずついに亡き人となってしまった。

 

ギリギリまでライブも音楽活動もしていたのだけど、亡くなって間もなくの頃の中野さんのインタビューは、虚無感とどこかやり切った感もある不思議な、しかしとても印象的なものだった。

 

 

 

それからしばらく音楽活動は休んでいたが、徐々に裏方的に再開し始めて、その中でSNSでパートナーを募集、本格的に活動を再開すると言ってとても期待値が上がったわけだが、そこに応募したのが小林君である。

 

音楽的には大分違うタイプの2組なので、どんなだ?と楽しみだったよね。

 

今年に入ってシングルを立て続けにリリースして、今回初ライブが7月の頭に行われた。

 

平日にも関わらずチケットは即完、私は仕事の都合でどうしても行けなかったが、嬉しいことにその週末にYouTubeで無料配信。

 

太っ腹すぎるやろ。

 

そんなわけで、自宅で気持ちよく酒を飲みながら拝見したのでした。

 

 

このユニット名義での曲は5曲配信されており、PVも撮影されている。

 

企画色の強いものではあるが、音楽は流石のクオリティ。

 

曲的にはブンサテぽさが強い印象はあるが、歌メロは小林くんらしさも感じるものだ。

 

彼もかなりハイトーンもシャウトも行けるので、ハイファイなアレンジにもハマっており、思った以上に相性がいいという感じだった。

 

曲はどれもとてもポジティブなフィーリングがあって、どの曲も聴いていて本当に気持ちいい。

 

ただ、強いて言えばもう少し二人の感性が溶け込んだらもっと面白くなりそうだという印象。

 

 

そんな彼らのライブだが、先にも書いたように元々中野さんのバックグラウンドにはダンスミュージックがあるので、曲をアレンジしまくりでダンスな仕上がりになっていた。

 

小林くんもいろいろなところでギターを引いており、シューゲイザーも影響元にあるので、その展開でも違和感なく楽器を鳴らしている。

 

さらにドラムにはブンサテでも叩いていた福田洋子さんを据えつつ、もう一人いてダブルドラム編成だ。

 

これは会場で聞いてこそ響くところもあっただろうから、やっぱり生でみたかったなと思うが、ともあれできるだけスピーカーのボリュームもあげて楽しんだ。

 

 

ライブも終盤に差し掛かった頃に、まずはノベンバの”Tokyo”という曲がカバーされた。

 

割とギターが印象的なオーソドックスな編成のバンドの曲にあってインダストリアル的な曲で、AKIRAのようなサイバーパンク感もあるかっこいい曲なんだけど、このユニットでやっても見事にハマっていたね。

 

ノベンバの曲をこういう別のバンドでカバーという形で聞くことはほとんどないので新鮮だったね。

 

で、こっちの曲をやったんだからそりゃやるだろうとなるわけだが、焦点はどの曲かだ。

 

演奏されたのは"Back On My Feet"で、ハイトーンで歌う分どうしても川島さんと比較してしまうところはあるけど、何の違和感もないし、しゃくり上げるようなところなどは川島さんのそれをトレースしており、リスペクトもしっかり感じらて非常にかっこいい仕上がりになっていた。

 

やっぱりちょっとこう、グッとくるよね。

 

川島さんのことは本当に残念だったけど、一方で中野さんも引退するにはまだ早いし、その才能はもっと音楽を作って欲しいと思うよね。

 

でも、このライブで以てようやく本当の意味で前に進めたのかな、などと勝手に思えてしまって、感動的だったな。

 

そしてその後に演奏されたのが"Flower"という曲だったんだけど、このセットリストの並びも素晴らしすぎる。

 

ライブは正味1時間くらいで終わったのだけど、いやね、本当に良かったよ。

 

ちなみにトップ画は公式のアー写だが、この写真のイメージよりも実際の小林くんはめちゃ好青年だ。

 

 

ともあれ、また12月にもライブを行うらしいので、これは行きたいよね。

 

チケット抽選申し込んでおいたぜ。

 

 

私はブンサテもノベンバもどっちも好きなので、このユニットや今回のライブの選曲はとても好意的に映ったし、素直によかったなと感動した。

 

多分双方のファンの属性は違うだろうから、それぞれにどう映ったかはまた興味深いところだけど、いずれにせよ次回のライブに向けてさらなる曲や、アルバムとしてのリリースも期待してしまうよね。

 

次回のライブでカバー曲なしで全曲オリジナルだったら、なんだか個人的にはまた嬉しいね。

 

まあ、カバーでも嬉しいんだけどね。

 

 

ノスタルジーというかセンチメンタルというか、そうした感情がどうしても出てしまうけど、純粋に曲としてもかっこいいし、ブンサテとは違う、もちろんノベンバでもない、新しい今の音を鳴らしている感じが頼もしい限りだ。

 

中野さんがメインのユニットになるため、今後の継続でどんな形になるのかはわからないけど、よりバンド感も強めつつ、かっこいい曲をバンバン世に放っていって欲しいね。

 


www.youtube.com

ちなみに、このPVのダンサーは菅原小春さんである。

 

歌詞も味わい深いので、是非曲と合わせて読んでみて欲しいですね。

役に立たないものが存在できない世界は恐ろしい

f:id:back_to_motif:20210708141253j:plain

ここ数日のホットな音楽ニュースといえば、Rock In Japan Fesの開催中止の件だろうか。

 

昨年は開催中止だったが、今年は開催予定としてアーティストの発表もほぼ終わり、開催1ヶ月前というこのタイミングでのアナウンスは非常事態感が強いよね。

 

何より、主催者の長文での中止判断に至る経緯についてはあちこちで紹介されており、私も中身を読んでみた。

 

そこでは地元の医師会からの要望書のやり取りがあり、文章の端々から批判的なニュアンスも嗅ぎ取れる書き方をしているが、いずれにせよこの判断をもとに様々な意見が飛び交っている。

 

個人的にこの文章の中での一番のポイントは、圧力をかけてきた云々は主観の問題もあるので彼なりに隠しながらニュアンスで書きつつ、一番は「基準が曖昧」というところかなという印象だった。

 

色々できうる限り、考えうる限りの対策は講じてきたが、それでもなお求められる万全の基準は何なのか、ということだ。

 

その基準を作っている政府は曖昧なまま自分たちの主催イベントは強行しようとしてなお国民の安全を謳って見せるが、私企業としては中止してますけど!というメッセージもあるように感じる。

 

もちろん完璧なものができるとは思っていないし、そんなものは却って危ういから本当にそういうものを求めているわけではないが、せめてお前らももう少し覚悟見せろよ、というのは私は個人的に思うところだ。

 

 

飲食店でも同様だし、小さいライブハウスでも同様だろうけど、それぞれに対策をしながらリスクを下げられるようにやっている。

 

それでも絶対なんてありえないし、リスクはゼロにはならない。

 

まして開催地の人にとってはさらに不安がという話もあるのも、その点も気持ちはよくわかるよね。

 

だから中止は妥当だ、というのがいわゆる良識派と呼ばれるような意見だろう。

 

 

一方で、ライブ、イベント業を生業としている人たちからすれば、なんとかしないと自分たちの生活が成り立たない。

 

その中で、ではどうしたら開催できるかと考えることは至極当たり前のことだし、ゼロかイチじゃなくて、どうにかその間を探っていくのは仕事では当たり前だし、企業努力ってそういうところだと思っている。

 

もちろん人が集まることのリスクは伝えられているわけだし、まだ特効薬もない中なので不安はよくわかるけど、なる時はなるんだからという考え方もあるし、収束したらなんていう先の見えないマラソンをいつまでも走っていられないというのが実際ではないだろうか。

 

ワクチンで重症化のリスクは下げられたとしても、罹患しないわけじゃないし、本人が発症しないだけでキャリアとしては機能し続けるだろうから、本質的ではない。

 

まあ、特効薬ができても死ぬ時は死ぬんだから、それはどんな病気とも同じである。

 

 

今回の場合、他方にはオリンピックがあるから余計にそことの対比が語られるが、半ば以上は感情論になっているだろう。

 

流石に政治判断のあまりに一貫性がないのでそりゃそう思うのは私も賛成だ。

 

だけど、この間スーパーコンピューターでスタジアムに人を入れた際の感染リスクが試算されたわけだが、結果は「リスクなし」だったそうだ。

 

もちろん一定条件を揃えればという前提ではあるが、こうして科学的な検証が行われたとて果たしてみんな賛成するかといえば、多分そうはならないだろう。

 

会場へ行くまでのリスクが、どうせ守らない人が、とか、できない理由がたくさん出てくる。

 

これが日本人的なのかわからないけど、心配ならその日は一日中外に出なければいいではないか。

 

予め分かっているんだし、私ならそうするし、家族にもそう伝える。

 

別にそこでクラスターが起こったからと言って呪いみたいにかかり続けるわけでもあるまいに。

 

 

ロキノンについては、私はどちらにせよ行かないし、興味のないイベントだけど、ライブだったりこうしたイベントごとは好きなので方々に出かけている。

 

規模の大小によらず、ライブにも行くし、イベントも行く。

 

マスクして、一言も喋らず、静かに楽しんでいるよ。

 

そんな人ばかりじゃないから!という理屈はわかるけど、それは中止してもしなくても同じだろう。

 

そんな奴は退場処分にします、という風にして終えばいいのだし。

 

 

ところで、オリンピックの開催についても首相は「国民が安心できないのなら開催はしない」みたいなことは言っていたはずだが、安心は主観的な価値観である。

 

彼の目には日本国民は安心しているように映っていたらしいね。

 

税収も好調だから、まあいいかと思っているんだろうな、イベント・エンタメ業界については。

 

坂本慎太郎タワレコのキャンペーンでポスター出演した時の言葉っていうのは、やっぱり味わい深かったよね。

f:id:back_to_motif:20210708152006j:plain

でびう

f:id:back_to_motif:20210704181017j:plain

社会人になってもう10年以上が経過して、新卒の子たちとも関わる中でつくづく歳を取ったと感じるわけであるが、もし今新卒に戻れるなら、もう少しちゃんと就活やっただろうなと本当に思う。

 

今も別に年収は低いわけではないけど、多分もっと余裕で上を目指せたと本気で思っている。

 

ベースが低すぎてずいぶん苦労したし、なんならあんまり頓着せずに社会を信じていたけど、やっぱり底辺のやつはいつまでも底辺なのが社会だ。

 

若者のみんな、ちゃんと勉強して、就活も1回はちゃんとした会社に入っておいた方が、起業したいような野心のあるやつ以外は絶対にその方がいいぜ。

 

 

さて、本来であればデビューというのは野心に溢れているもので、音楽においてもそれは顕著だ。

 

中にはデビュー当時は全然パッとしなかったのに大化けするものもあれば、着実に進化しているもの、中には残念な結末になるものと色々だけど、だからこそデビュー盤というのは味わい深いものだ。

 

そんなわけで、今も絶賛大活躍のバンドたちのデビューアルバムをいくつか振り返ってみよう。

 

まずはこちら。

f:id:back_to_motif:20210704181720j:plain

今や日本のオルタナティブ代表、作品ごとにどんどんスケールを増しているThe Novembersである。

 

私はデビュー当時から聞いていたわけではなく、ちゃんと聞くようになったのは本当に最近のことである。

 

系譜としてはArt School、Syrop 16gなどに連なる轟音美メロ鬱バンドという感じだった。

 

ファンの子たちも微動だにしないライブの風景はある種異様な世界だ。

 

そうしたバイアスで聴くと暗い音楽にも聞こえるが、実はラルクにもめちゃ影響をされているので、メロディやヴォーカルにも影響が出てしまっている。

 

実際彼らのルーツは別に暗鬱とした音楽ばかりではなくて、基本的にはポップな曲が多い。

 

今となってはメンバーの出立や音楽業界での立ち位置も含めて、すっかり突き抜けたバンドだ。

 

現在絶賛ツアー中、といっても3公演だけだけど、ともあれライブが見られるのは嬉しいね。

 

これからさらにどうなっていくのかが楽しみだし、音楽性だけでなくファン層も大きく変わっている。

 

RIDEなどの海外アクトの前座や、The Horrors、Pale Wavesなど同時代バンドとのコラボ、またマイブラ特集では必ずといっていいほどインタビュー受けたり、元Boom Boom Satelitesの中野さんともバンドやったり、非常に活動も活発だ。

 

ますますの活動に期待値絶大なバンドである。


www.youtube.com

 

 

続いてはイギリス・マンチェスターのバンド。

f:id:back_to_motif:20210704182507j:plain

遅れてきたグランジ、アルバムはそこそこ出しているが音楽的には一気通貫ただいい曲をロックにやっているNine Black Alpsである。

 

Nirvana的な空気を感じるバンドながら、英国らしく全体にウェット、フィードバックギターのノイジーさはあるもののメロディはポップでとにかく曲がいい。

 

彼らのデビュー当時は80年代的な音楽のリバイバルブームで、Franz Ferdinandなどのバンドが隆盛を極めていた頃だ。

 

それらに淘汰されたと言える音楽をバリバリに鳴らしていたわけだけど、そんなことは問題じゃない。

 

私はそうしたギターをダイナミックにんかき鳴らすような音楽って大好きなだけど、彼らの音楽はまさにドンピシャにはまった。

 

弾丸のようだと例えられたこともあるこの1stアルバム『Everything Is …』は、曲も何も全て最高で、いまだにしょっちゅう聞いている。

 

世間的に売れたとはいえないし、残念ながら大きく売れることはなかったが、多分今でもバンドは続いているはずである。

 

衝動をそのまま閉じ込めたみたいな勢いは、聞いていて本当に気持ちいい。

 

暑くなりはじめのこの季節にはききたくなる素晴らしい音楽だ。

 

マジでおすすめ。


www.youtube.com

 

 

グランジつながりではこのバンドも好きだ。

f:id:back_to_motif:20210704183252j:plain

インディーズの活動もあるのでこれが1stのなのか怪しいが、ともあれ彼らが世に知られることになったのはこちら『Thank You, Beatles』である。

 

バンド名は髭だ。

 

今やダンディな髭がすっかり有名になったおかげで、彼らが検索面で出てくる割合がずいぶん減ってしまったのがファンとして残念だが、音楽性はNirvanaサイケデリックという感じ。

 

全編に不機嫌さが漂った不穏さを持った空気が非常に魅力的なデビュー版である。

 

言葉もトゲトゲしいし、当時のアー写もヴォーカル須藤さんは睨みつけるようなものが多い。

 

それが近年では実にマイルドというか、優しい曲をたくさん書いていて、何かつきものが落ちたような感じだ。

 

でも、この時のこの音楽が、大学生で世の中の大半を呪っていた当時の私には妙に響いてね。

 

カッコよかったのよ。

 

今ではこの手の音楽は少なくなってしまったのかもしれないけど、ただ激しいばかりが攻撃的なわけではない、というのは彼らを聴くとよくわかるところである。


www.youtube.com

 

 

続いてはこちら。

f:id:back_to_motif:20210704183955j:plain

まるでヒッピーみたいな見た目の細身な4人組、Bo Ningenである。

 

イギリスに留学していた日本人により結成されたバンドだが、ノイジーで狂ったような音楽は唯一無二で、世界のフェスでもお呼ばれしているひそかな世界の日本人である。

 

まあ音楽的にはめちゃくそアングラなので、どう考えてもこの日本で売れることはないだろう。

 

様々なアーティストともコラボしており、BorisMerzbowとかDownyといった日本のオルタナシーンとも繋がっており、また彼らが注目されるきっかけになったのはThe Horrorsのメンバーによるつぶやきによるところでもあった。

 

かなり曲満載なので聴く人を選ぶと思うけど、体全体で奏でるような彼らのライブはマジで必見である。

 

今年この1stをセルフカバーしているのだけど、この間の成長というか、表現自体がどうなっているかをみるのも面白いところだろう。


www.youtube.com

 

 

最後はこちら。

f:id:back_to_motif:20210704184950j:plain

解像度が死ぬほど荒い画像だが、Ogre You Assholeの1stである。

最近になって再発されたこともあり、割とイージーに聴くことができるようになったが、少し前まで中古市場で確か5,000円くらいになっていたこともあった気がする。

 

今やゆらゆら帝国と比較されるくらいの存在になっており、日本国内だけでなく世界的に見ても稀有な音楽をやっているのだけど、デビュー当時はだいぶ具合が違い、元々00年代初頭くらいのUSインディーロックやポストパンクの影響をかなり受けていたようで、そもそも彼らのバンド名もModest Mouseのメンバーに落書きされた言葉だったとか。

 

音楽的にも今でもギターなんかはわかりやすく影響受けているよね。

 

このデビュー版を聞いていて改めて思ったところと、曲によってはめちゃGang Of Fourじゃんみたいな曲もあり、この1stからは今の姿は本当に想像できない。

 

彼らに何があったのか・・・

 

ともあれ、先日のライブではこのデビュー版に収録された曲が大きくアレンジして演奏されているように、改めて今のモードで演奏する面白さもあるのかもしれない。

 

すっかり大化けしたバンドの一つである。


www.youtube.com

 

 

エンタメ業界は流行りすたりの世界である。

 

人気がいつまでも続くわけではないし、当事者の彼らからしたらやりたいことと生活するための間に立たされる辛い場面も多いだろうが、その中で自らの表現を貫きながらこうして素晴らしい音楽を展開してくれているのは嬉しい限りだ。

 

ともあれ、こうして歴史を遡る面白さはやっぱり楽しみ方の一つである。

 

割と偏ったセレクションだけど、今聞いているバンドも昔はどんな曲をやっていたのか、なんて見てみるのはおすすめだ。


www.youtube.com