音楽放談 pt.2

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ポップ職人の職人技 ―Skylarking

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最近またXTCにハマっている。

ようやく「GO2」も買ったしね(中古でも新品でも近くの店屋にはなかったのですがね)。

このバンドの音楽はポップで、辛辣で、捻くれていて、大好きである。

特に「Black Sea」あたりまでの挑発的な感じがすごく好きだね。

極初期のイカれたようなキーボードも大好きだ。

こういう音楽が本当に自分は好きなんだろうと思う。

自分の中にも明るさがあるのだな、なんて思う今日このごろ。


このバンドは英国の第2のビートルズ、なんて呼ばれるほど、音楽生の高さと大衆性を併せ持ち、実験精神も持ちつつ良質なアルバムを作り続けている。

と、言っても私はまだ数枚しか聴いたことないので偉そうには言えないんだけど、レビューなどを見る限り好みの差はあれどそれぞれに評価がされている。

初期のアヴァンギャルドで破天荒なのを好む人もあれば、中期のバランス感覚抜群の時期を最高と言う人もあるし、あるいは後期のポップ職人と呼ばれる超良質な楽曲を作りまくっていた時期を好む人もある。

一般的には、後期の楽曲が一番受け入れやすいんだろうとは思う。

ぶっちゃけ私はコードが珍妙だ、といったことは思わず、少し変わった曲だな、くらいにしか思わないのであんまり気にならないけど、デビュー当初は本当に変態的だと思われていたらしいね。


それはともかく、今回は後期の音楽性を決定づけたと言われるアルバム「Skylarking」である。

アメリカデビューを目して、アメリカ人プロデューサー、トッド・ラングレンを招いて作られたこのアルバム。

招いた、といっても、これは当人たちが望んだものではなかったらしく、当時は衝突が絶えなかったとか。

実際冒険的な要素はなりを潜め、代わりに牧歌的とすら言える緩やかで心地よいメロディが耳を引く作品となった。

散々不満を言っていたらしいが、後年「彼は一番才能のあるプロデューサーだった」と言ったとか。

もともと曲自体も良いバンドであったため、そこを何より際立たせる結果となったこのアルバムは、ある意味自分でショック受けたのかも知れないね。


このアルバムは、小鳥のさえずりから始まる。

サーーーッと草原が広がるようなさわやかさがあり、初めて聴いたときはやっぱり面食らった。

これがXTC?みたいな。

その頃聴いていたのが「Black Sea」で、そこからこいつに言ったときは、仕方あるまい。

なので、正直最初は物足りなさを感じてしまったので、すぐ聴かなくなってしまった。

ところが、改めて聴いてみると、ものすごく良いのである。

穏やかで、緩やかで、優しくて、ポップで。

早い曲は皆無なんだけど、このミドル~スローのテンポで一切飽きない、だれない、隙がない。

すばらしいじゃないか!!と、今一度ショックを受けたのでした。

歌詞に目を向けても、捻くれてはいるけど攻撃的な側面はなく、詩的な詞なのである。

全部丹念に読んだ訳じゃないけど、トッド・ラングレンは初期の段階で政治的な歌詞の曲はすべて外し、ポップになることに徹したそうだ。

それが結果的に功を奏したアルバムとなった訳である。


最近また新譜もたくさん出るし、旧譜でも季節の変わり目に聴きたいアルバムは変わるので、i-Podの入れ替わりはかなり目まぐるしいのであるが、彼らのアルバムはここ半年以上何かが必ず入っている。

彼らの詞は挑発的なものもかなり多いけど、表現は上品というか、インテリジェンスを感じさせるものなので、そういう部分でも好きなんだよね。

私自身結構人間性が捻くれているので(自身捻くれ者と自覚する友人に捻くれ過ぎだと指摘されたことがある)、そういうフィーリングがすごくハマるのかも知れない。

多分、アンディ・パートリッジは根っこはすごくいい人だと思うよ。

06年のシャーロットのアルバムにも参加したりしてるしね。


彼らは過去たった1度だけ来日したことがあり、その後まもなくくらいには「ライヴやんない」といってすっかりスタジオワーカーになってしまったらしい。

そうした背景もあり、多分私と同世代くらいだと彼らの存在を知らない奴も多分多いんだろう。

Polysicsなんかは彼らの大ファンで、曲名にそのままバンド名を冠しているくらいであるの、ひょっとしたら熱心なファンは手を出しているものもあるかも知れんが、まあファン層を見る限りそういう奴は極稀であろう。

しかし、Pippetsの歌詞にも出てくるくらいなので、本国イギリスでは今も衰えぬ存在感を持っているのだろう。

最近の若手バンドでも彼らの影響の垣間みられるものも少なくないし。

そういえば、Maximo Parkなんかが大好きなのも、実は似た精神を感じるからかも知れない。


ともあれ、パンク期に出てきたとあって、非常にアグレッシヴな側面を持ちつつ、他のバンドにはないソングライティングのセンスとインテリジェンスを持った彼らは、やっぱり独自の存在である。

今後もチマチマアルバムを買ってゆくさ。

今はとりあえず、「GO2」ですね。

余談だけど、このアルバムのジャケットはヒプノシスなんですね。

このアートはLed Zeppelinなどの他のバンドにも提示したそうだが、採用したのがXTCだった、という事らしい。

かなり活かしたジャケで、一昨年に出たHard-Fiの2ndにも精神性やデザイン性の類似点を見つけることができるように思う。

もっとも、ヒプノシスのほうが遊んでいるとは思うけど。

こちらについてもそのうちまた書きますので、乞うご期待。

...へたくそでごめんね。