私は洋楽を主に聴いている。
世の中には洋楽は駄目、という人もいる。
そう言う人のほとんどは英語がわからないから、という。
一方洋楽ばかり聴いていて、日本のバンドを聴かない人は、かっこよくないから、という。
日本の、いわゆるメインストリームには、なじめない。
いわゆるJ-POPという奴にはどうにもなじめないの。
昔は聞いてたんだけどね。
何も考えてなかったから。
でも、今は下手するとバカバカしくて駄目。
別に自分を高尚だ、とは言わないし、洋楽が一番なんてことも言わない。
ただ、少なくともラジオをひねって聴こえてくる類の音楽には何のシンパも感じないし、かっこいいとも思わない。
そんなわけで、ある時期から洋楽ばかり聴くようになったんだけど、最近また日本人のバンドも聞くようになっている。
なぜかったら、かっこいいからである。
なんだ、かっこいい奴もいっぱいいるじゃん、と気づいたのである。
もっとも、J-POPの中にはいないけどね。
で、最近であってすっかりはまって、ライヴで踊ってまたはまったバンドがBDBことBack Drop Bombである。
ミクスチャーなんて呼ばれることが多いが、そんな言葉はもはや10年以上前に廃れている。
意味のないカテゴライズである。
ただ、そうかといって他にこのバンドの音楽を形容しうるうまい言葉はないように思う。
メタル的であり、ヒップホップ的であり、インダストリアル的でもありダンス的でもあり云々。
とにかく色んな要素が感じられる音楽で、その音はもはやオリジナルでしかない。
画像で載せたのは、彼らの2ndにあたるアルバムである。
一番ミクスチャーという言葉のイメージに近い音かもしれないが、すでに出来上がっている。
まずはクラブでも流れそうな"Intro"が流れ出す(ちなみに彼らのアルバムはすべてIntroにはじまりOutroに終わる)。
のっけからハイテンションで疾走するギターがかっこいい"Flip Out"、かなりゴツイ感じの"MastadaBesta"と続く。
その後も一本調子でない幅の広い楽曲が続くが、中でも際立つのが"Never Shined"、地から沸き立ち転移上るような曲展開はすごいぞ。
そして、アルバム中でも私の一番好きなのが"Remind Me"。
静かでシンプルなギターリフのあと、いきなりドラムの乱打と骨太なラップ的ヴォーカル。
そして縦揺れなギター、そしてサビ前のタメがきて、メロディアスでキャッチーなサビである(合唱必至)。
この曲の展開ははっきり言ってキャリア中でも1,2を争う出来だと個人的には思っている。
ツインヴォーカルの特性を生かした掛け合いも絶妙で、まあかっこいい。
その後もちょっと茶目っ気を感じる曲もあったり、かなりボトムの低い曲も混ぜながら、ラスト"Perspective"へと続いてゆき、ハイ帰りなさい、とでも言うように"Outro"が流れ、余韻を残しつつ、でも満足させてアルバムは終わってゆく。
はっきり言って捨て曲なんてないし、1曲の中でも多様に展開しつつ、アルバム通しても非常にバラエティがあって、まあ言ってしまえば、最高である。
全編英詩で、発音が日本人的な英語なのはやや気になるものの、そんなこと気にならないくらいかっこいい。
別に英語だから聴くんじゃないし、日本人だからって聴かないわけじゃない。
要は自分がかっこいいと思うかどうかである。
このバンドは、かっこいい。
そう思える日本人バンドがいるのは、やっぱりうれしいことですよ。