音楽放談 pt.2

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世界観たるや -These New Puritans

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先日久しぶりとなるThese New Puritansの単独ライブであった。

 

今年新譜をリリースしていたので、夏フェスあたりでの来日を密かに期待していたがやはり叶わず、ホステスのイベントもなくなってしまったし、彼らの音楽自体が日本では話題にならなくなって久しい昨今なので難しいかと思っていたがちゃんときてくれた。

 

嬉しい限りだ。

 

気がつけばメンバーも兄弟2人になってしまっているが、前作『Field Of Reeds』がどこか遠くへ行ってしまったような印象のアルバムだったが個人的には好きだし、その後にオーケストラと共演したライブはライブ盤としてリリースもされており、私は2回も記事にしていた。

 

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よかったらバンド名で検索してもらえれば、他にもいくつかの記事を書いているが、2008年には個人的ベストアルバムの一つに彼らの1st『Beat Pylamid』を選んでもいるし、2010年の2nd『Hidden』もそう。

 

当初はポストパンク、特にゴス寄りの音楽性が強かったため、ある層にはめちゃくちゃ評価されていた。

 

ただ、一味違ったのは彼らの音楽に対するスタンスと、ライブでのパフォーマンスだろう。

 

私が初めて観たライブは2ndの頃であったが、その時もいいライブだった。

 

そしてホステス、サマソニ深夜枠など来日があれば結構ちゃんと観ているのである。 

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サマソニでのライブはマジでよかったよ。

 

とはいえ、毎回集客がそれほどいいとは言えないものの、それでもこうして来日してくれるのはファンとして嬉しい限りだ。

 

今回は8年ぶりくらいになるのかな、アルバム自体も6年ぶりだったということで、その件はすでに別に書いているのでよかったら覗いてみてほしい。

 

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最新アルバムは再びポストパンク的な色を感じるものになりつつも、前作のようなアルバム全体としての統一感を強く出したようなアルバムであった。

 

当然1stの頃とは曲のテンションがだいぶ違うので、セットリストは近作を中心に据えたものになるだろうと思っていたわけだが、やっぱりそうでしたね。

 

 

バンドメンバーとしては兄弟のみなので、サポートを入れてのライブになるが、以前は生楽器隊を入れていたところをさすがに打ち込みも使ったものになっているのだけど、自然に同期させていたので特に不自然さはないし、彼らの音楽で印象的な鉄琴は生演奏なのでそこはさすがによかったね。

 

彼らの音楽は楽器の使い方も面白く、以前は多様な打楽器を持ち込んでいたし、ギター、ベースもポイントポイントで鳴らすような使い方をしている。

 

ただ、その中でも圧倒的に存在感があるのはドラムである。

 

彼らは双子の兄弟で、兄はヴォーカル/ギター/ベースなど含めその他いっぱい、弟がドラムを叩いているのだけど、このドラムがトライバルな感じで、彼らの音楽らしさをしっかりと支えている。

 

新作のムードはばっちり再現されていて、とにかく世界観という言葉がこんなにしっくりくるライブは久しぶりにみた思いであった。

 

曲単位で見ればキャッチーさはほとんどないし、ゆっくりな曲も多い上にヴォーカルがあってもそんなに歌なわけでもない。

 

見た目がDepech Modeやこの間書いたSpandou Balletのヴォーカルみたいだな、なんて思いながら、いずれにせよ今時の音楽の聴き方には合わないスタイルなわけだが、凄みが伝わるいいライブでしたね。

 

2ndの曲がハイライトで演奏されて、そこでしっかりとポップさも見せて上げていく展開もすごくよかったね。

 

1時間ちょっとだったと思うけど、体感としては本当にあっという間であった。

 

 

そしてアンコールもしっかりやってくれたのだけど、ここでは1stの曲を演奏。

 

2曲やったんだけど、ラストはなんと"Elvis"。

 

MCで「○年ぶりくらいにやるよ、日本のみんなへのギフトさ」みたいなことを言っていたが、それくらいしばらくやっていなかったらしい。

 

良くも悪くもこの曲の印象が強烈で、彼らの中でも圧倒的にポップでキャッチーだし、静かな曲の多いアルバムが続いているので余計に鮮明に響くのである。

 

音的には打ち込みをかなり多用している分、ヴォーカルはステージ前方に出てきたり、あちこち動き回ったりととてもアクティブなステージングであった。

 

まあ、文句なくかっこよかった。

 

本編でも十分今の彼らを示していていいライブだったけど、最後にガッと盛り上がる曲をやったことでその満足度はさらに高まっただろう。

 

集客面についても正直心配していたが、満杯ではないにしろ8割以上は入っている印象だったのでよかったよ。

 

もっと大きな会場で、それこそいろんな楽器隊を呼んでがっつり生演奏しても映える音楽性だと思うし、クラシックな響きもあるのでその方が絶対にいいライブになるだろうから、その点がちょっともったいないなと思ってしまったが、ともあれ今後もまだまだ追いかけていくだろう。

 

またきてほしいな。

 

前作アルバム時のオーケストラを迎えたやつで、ちょっと長いけど素敵な映像を貼っておこう。

 

この規模で見られたら最高なのにな。

 


These New Puritans - 'EXPANDED (Live at the Barbican)'