音楽放談 pt.2

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苦労との折り合いのつけかた -8otto

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  生きていくためには働かなければいけない、というのは社会人として自分を奮い立たせるための最低限の焦燥感の正体だ。

 

もっとも、おかげさまの今の会社に入ったことで「そうでもないな」ということには気がついた。

 

正しくは、生きていくためにはある程度以上働かないといけない、というところだろう。

 

どうしても一定以上のお金は必要だ。

 

これは間違いない。

 

しかし、その使い方をうまいことやればどこかでそんなに必死に働かなくても大丈夫なようになる。

 

もっと早くにそれを知るべきだったと私は痛く後悔した。

 

元々あんまりお金に興味がある方ではないが、それにしてもこれまでルーズに生きてきてしまった。

 

前職からグッと給料は上がって、この市況なので割と余剰資金ができたことで、ここ数ヶ月で奨学金をようやく全額返済した。

 

ちょっと我慢したりしていればとっくに返済できていたが、この半年で50万円分くらいか。

 

それでも幾ばくかの貯金が残る程度にはなっている。

 

言ってもそれまでほぼゼロだったので、ここにきてようやく節制している。

 

ちょっとだけ投資にも手を出したり、金融に関して幾ばくかでも知識はついたし、何よりそれを勉強すればある程度理解できるところに来れたのが一番の収穫か。

 

 

しかし、如何せん業務量が多いのと、会社の価値観がどうしても肌に合わなくて最近ストレスである。

 

私は営業なのでクライアントからお金を預かってくるのが生業なのだけど、私なりの矜持というか仕事をする上でのプライドというのが、絶対にお客さんに損をさせないということだ。

 

もちろん結果としてうまくいかないこともあるんだけど、ささやかな自慢としてはどんなに結果が悪くても、クライアントからは「まあ、またいい提案あったら持ってきてよ」と言ってもらえる別れ方をしていることだ。

 

何せ結構一生懸命やるからね。

 

結果を返せれば正に盤石、それが私がこれまで仕事をしてきた中で持ってきた数少ないこだわりみたいなものだ。

 

しかし、今の会社はそうではない。

 

とった後のことなんてあんまり重要視されない。

 

実際、よくわからない営業会議はたくさんあるが、運用会議は全くない。

 

そっちの方がクリティカルなのに。

 

正直入社した当時から、社員の態度や価値観、会話のベクトルを聴いて感じていたけど、入社して半年経った今それがより強く感じられる。

 

それはそれでそういう会社なので別にいいんだけど、そこで働いていて面白いかどうかである。

 

残っているクライアントは、どこかそれと割り切って、一定メリットがあるから使っているだけに過ぎず、いわば道具としての使い方だけである。

 

一部結果的にそうではない評価をしてくれるところもないではないけど、ほとんどの場合そうなっている。

 

やってられんのよ、こんなの。

 

つまらないから。

 

 

で、そんな私が最近聴きながらつい空を見上げてしまうのが、8ottoという日本のバンドの"Rolling"という曲。

 

目下最新アルバムに入っている曲なんだけど、冒頭が「働いて、ぐらついて、逃げたいって、星を見る」と始まる。

 

今正にそんな気分なのだ。

 

理由は先の通りだ。

 

ベンチャーなので、ある程度以上の業務量は覚悟してきたし、なんなら入社して1週間で営業は実質ほぼ1人、訳のわからん業界相手に訳のわからない商品をなんとか売ってやってきたけど、最近はもう体も頭もついてこなくて。

 

過剰に管理されることも嫌いだから、そういうのもあるんだけどね。

 

別に嫌な側面ばかりではなくて、しょうもないことで詰めてこないのは珍しいくらい潔くはっきりしているので、そこはすごく健全だと思う。

 

だけど、それにあまりある勢いで気持ちがついてこない。

 

流石にこのペースが続くのはきついぞと。

 

最近はあえてもう何もしない日を作っているけど、仕事が追いつかない。

 

今はダメなタイミングなのは自分のバイオリズム的にもわかっているので、ちょっと怒られてでも巻き戻そうとしているが、どうにもいけない。

 

 

ともあれ、明日は一度業務のまき直しを行って、見直して、遅れている分を取り戻す計画を立てないとな。

 

他方でもう少し腰を据えて働ける環境も探していきたい。

 

正直何をやるかはこだわりがなくて、目の前に課題があればそれをどう解決していくかというのが楽しいのだ。

 

今の会社もそれはあるけど、会社として動く気がなさそうなので、だとしたら私の役に立てることはない。

 

 

ちなみに8ottoについても少し紹介すると、彼らはデビュー当時はクールな佇まいとシンプルな曲、他方でライブでは圧倒的熱量があって、まさにロックンロールという感じのかっこいい音楽で一部音楽ファンから強く支持されていた。

 

私も雑誌で紹介されているのを見て聴いたのだけど、当時はStrokesも引き合いに出されるくらい通じるところはあったけど、何より熱さが彼らの魅力でもあった。

 

リアルタイムでアルバムも買っていたし、ライブもちょくちょく行っていたが、彼らは一時活動休止状態に入る

 

理由は簡単で、商業的にヒットせずに音楽活動だけをしていくことが困難になっていたし、メンバーそれぞれが仕事と家族を持ち、そちらの生活が主になっていたからだ。

 

その後バンド活動を本格的に再開させたのが2017年で、リリースされたのが『Dawn On』というアルバムだった。

 

このアルバムはアジカンのゴッチがプロデュースとしても関わっているんだけど、彼の支援がなくしてリリースはなかっただろう。

 

復帰作となるこのアルバムは、相変わらずかっこよかったし、一方でこの間の彼らの苦労も滲み出るような人間くさいアルバムになった。

 

当時様々なインタビューでも話をしていたが、彼らなりにどう音楽をやっていくかということを模索しながら、生活と音楽の両立を実現させようとしているとのことだ。

 

それ以降は足並みも軽快で、楽しそうに音楽活動もしている彼らを見ると、ファンとしては嬉しくなる。

 

世の中のインディバンドの大半は、音楽だけで飯を食えている人の方が少ないし、それが故にやめていくバンドも少なくない。

 

それは才能だけの世界ではないし、いい曲を書いているから成功するわけでもない。

 

そんな世知辛い現実もありつつ、一方で彼らの音楽は多くの人が「これはかっこいい音楽だ」と認める存在だったので、こうして戻ってきてくれたのはいろんな意味で幸福な出来事だったろう。

 

彼らもいろいろ考えたものが音楽にも滲み出ていて、私はやはり彼らが好きだね。

 

胸にグッとくるような熱い音楽が好きなら、是非彼らの音楽、特にライブ音源を聴いてみてほしいですね。

 

ちなみに、以下の動画はヴォーカルの人のソロパフォーマンスで、ギターはバンドメンバーではないのであしからず。


Rolling, 8otto