今週木曜は8ottoが、昨日はアナログフィッシュが配信ライブを行った。
どちらも趣向を凝らした映像作品としての配信であった。
まず8ottoだが、彼らのライブを見るのはこれまた随分久しぶりだ。
アルバムツアーの時は仕事の都合で行けなかったのでとても悔しい思いをしたわけだが、そうこうしているうちにこのコロナだ。
しかも彼らは関西に住んでいるので、関東ではみられる機会が限られてしまうという状態だ。
インディーズ界隈については、関西のバンドに好きなものが多いため、私にとっては残念なことだ。
そのうち関西に引っ越そうかしら。
それはともかく、配信とはいえこうして最新の彼らの演奏が聴けるのは嬉しい限りだ。
色々紆余曲折もあったバンドでもあるので、こうして楽しそうに音楽をやってくれている姿自体がファンとしても嬉しい。
大学生の頃に初めて彼らのライブに行って、ボーカルのマエソンが物販にいたので、日本で1番好きなバンドです、と伝えたら喜んでくれて、こちらとしてはそのまますっと帰ろうと階段を登ったら、そこまで覗きながら、ありがとうね!と声をかけてくれた姿は今でもよく覚えている。
かっこいい音楽をやっていても、気の良い兄ちゃんたち、という印象だったね。
で、そんな彼らのこの配信ライブは、Another Modeと銘打たれ、普段はドラムボーカルのマエソンがマイクのみを持って、ドラムレス、打ち込みを活用したライブを展開。
登場の際にDepech Modeの"I Feel You"が流れて意外に思ったが、ニューウェーブ的なコンセプトとModeをかけたのかもしれない。
それはともかく、セットリストはオールタイムベスト的なもので、普段のライブのアグレッシブさよりも音的にもややハイファイで、彼らのライブならではの熱量という意味ではやはり劣るものの、映像にも加工をかけるなどしていたことで配信ならではのコンテンツに仕上がっていたのがよかったね。
"1977""Riwo"などのデビューからの代表曲もありつつ、『Dawn On』の曲もいい感じでしたね。
特に"Rolling"は今の私には滲みるね。
MCでもコメントを見ながらやはりベースのToraが話すが、曰くステージがないと自尊心が落ちていく、
それを取り戻したい!といっているシーンがあって、やっぱりバンドマンの大半はモテないことがきっかけではないかと思ったり。
それは冗談だが、恐らく生ライブではなかなかやらない演出だと思うので、こういうのはならではであろう。
アンコールパートでは通常のバンドスタイルで数曲演奏されたので、いつもの彼らも堪能しつつ、やっぱりライブハウスで見たいなという思いが募るというものだ。
12月にはやるようなので、続報に期待だ。
続くアナログフィッシュは、毎年恒例10/10、トトの日のTownmeetingという企画ライブである。
これまで長らく恒例となっていたのは、指定席のホール会場でのアコースティックスタイルのライブだったが、休止以降は色々あったりで少し変わっている。
昨年は不覚にもチケットを取り損なってしまいいけなかったので、今年こそはと思っていたらこの顛末、どうなるかと思ったら彼らなりの企画として実施に。
今年は生ライブではなく、録画、編集した映像作品としての配信で、音もしっかりミックスしており、DVD作品としてリリースされることも発表されていた。
会場も江ノ島のオッパーラという、割と著名なクラブで、海に囲まれたロケーションが非常にいい感じのところである。
行ったことはないが。
彼らは既に何度か生配信ライブはやっているんだけど、今回は敢えて映像作品を作るということを目的にやったようだ。
ファンとしても彼らのライブ作品は久しく出ていないので嬉しい限りだ。
余談だが、彼らの初のライブ作品は斎藤さんが復帰した年の10/10のライブである。
それ以降恒例化したようだ。
今回はロケーションもあって全体に落ち着きがあって、会場ライブのようなアグレッシブさとは別な彼らの側面がバッチリ出ていた。
最近リアレンジされた、この企画のテーマソングと彼らも言っていた"City If Symphony"が収録されたのもとても嬉しい。
セットリストについては強い曲よりは穏やかな曲が多く選ばれており、この辺りの設計はやっぱり企画ライブならではである。
全体で90分弱くらいだったのであっという間であったが、酒を飲みながらゆるゆる観るのには素晴らしかったですね。
ちなみに、DVDにはプラス何曲か収録されているらしいので、それも楽しみだ。
早く届かないかしら。
Youtube普及以降は動画コンテンツ=無料のもの、という認識がすっかり定着している。
私も配信の動画コンテンツに金を払うということが個人的文化においてもないのが正直なところだ。
コロナ以降でも、1000円以上の場合、どうしても来場ライブと比較して得られる体験の濃度と比較してしまうわけだが、最近はそれはそれとして受け入れているし、なにより好きなアーティストが立ち行かなくなって音楽を続けられないことの方がファンとしても不幸である。
少し前にサカナクションも凄まじい配信ライブをやって話題になったが、大物もそうして配信コンテンツもお金を払うものとして認知活動もしてくれれば、環境はもっと変わっていくだろう。
なにをするにもお金はかかるわけで、そこに対する対価は支払われて然るべきなのは当たり前だ。
こうした配信系のコンテンツも当たり前に稼げるようになるといいね。
そうはいっても、やっぱりライブ現場の熱量とか全身に響く音の振動とか、それは替え難い経験ではあるので、早く生演奏を体感したいですね。