昨日は久しぶりのBack Drop Bombのライブへ。
実に8年ぶりとなるアルバムのリリース日のワンマンだ。
前作『Loftinaction』ではオリジナルドラマーの有松さんが復帰して、1stの再現ライブなど活動も活発だったのだけど、なんだかんだその後は散発的な感じだったね。
ライブは本当にごくたまにやっていたけど、もはや活動休止状態かと思ってしまうほどであった。
なのでライブ自体も本当に数年ぶりだ。
まさに前作のリリースライブ以来なのではないか。
会場は渋谷のWest、それほど大きくない会場だが、チケットはソールドアウトだったようだ。
彼らもエアジャム世代、根強いファンがいるバンドである。
先だってリリースされた新譜だが、こちらはまた別途書くとして、このライブでは新譜の曲もどれだけ盛り込まれるかしらと個人的には思っていたが、結論から言うと新譜からは2曲だけ、しかもアンコールでの演奏で、セットリストは最近の定番となっている最近の曲から入ってインディーズで締めると言う内容。
要するにベストセットだったので、まあ最高だよね。
私自身こういったアグレッシブなバンドのライブ自体も久しぶりだったので、モッシュ・ダイブも久しぶりに見た。
最近は割とそれぞれがそれぞれで楽しむような客層のライブばかりだったし、聴く音楽の方向性自体も全然違うのだけど、なんか楽しかったよね。
さすがにモッシュに入ることはないけど、なんか懐かしくて。
それはともかく、正直最近はあまりBDBは聴いていなかったけど、改めてキャリアを通じて曲を聴くと、彼らこそミクスチャーだよなと思う。
近作は割とロック色が強いが、私が最初に聴いたのは『Breakdawn』なんだが、彼らのキャリアにおいてはかなり異色だ。
そもそも英詞だった彼らが初めて日本語詞を取り入れた楽曲だったわけだが、それまでロックやレゲエの風味が強い中でダンス的な要素が強くなったアルバムだ。
このアルバムから”graySound”ではなく”Antypical”をやったんだけど、この曲もめちゃ久しぶりに聴いた。
ライブで聴いたのは2回目くらいだと思うけど、音の響き方が全然違うのが面白かったな。
塊がより大きい感じ。
ヴォーカルメロディの載せ方も違うから、他の楽曲を並べて聴くとなお面白い。
またアルバムとしては不人気だが、私が初めてライブに行ったのは『 Venometeoric』だが、このアルバムはメタル的な色が強いわけだが、とりわけIntroを除いた1曲目はSystem Of A Downも真っ青のうちまくりのバスドラがすごい。
とにかく早いしドラムも複雑だから乗りづらいったらありゃしない。
やはりと言うのもなんだかが、彼らのそもそものファンベースはメロコアとかそっちの属性も多いので、この時期の曲はリズムだったりノリが違うから、ちょっと戸惑っている感じが面白かったな。
一方で初期の曲は割とストレートに盛り上がりやすいし、その中で2ndはよりソリッドで、やっぱり”Remind Me”はかっこいい。
そして毎回思うけど、1stの曲も完成度が高すぎる。
レゲエ色の強い曲も多いせいか、ハードながらに音自体が穏やかさもある。
今の若い子が聴いてもかっこいいと思えるんじゃないだろうか。
ミクスチャーの先駆けの一つと言われるけど、彼らがそのなかでもバンドとしても金字塔だよなと思う。
1曲にいろんなものを詰め込みまくって展開するし、曲ごとの引き出しも凄まじい。
なのにちゃんと成立している。
本編は『Micromaximum』の”Never Seem To Last”だった、かな。
ともあれMC無しで間断なく演奏して、まさにベスト的な選曲でそりゃ満足ですよ。
本編は1時間ちょっとで一旦捌ける。
アンコールに入る時に新しいバンドロゴを入れた垂れ幕が入り、Introで開始だ。
新曲はシングルになっていた”Broke Out”"1994/1996"の2曲だけだったけど、こうやって聴くと音的には大分ソリッドになったなと感じる。
個人的には前半は新譜の曲をアルバム順にやってくれることを期待していたが、さすがにそれはなかったな。
まあ、単独自体が久しぶりだし、ファンサービスもあるだろうから次の楽しみにしておこう。
ラストはインディーズ時代からの定番、"Back Drop Bomb""Bad News Come"だ。
この2曲はヒップホップの影響か、マサとタカのマイクリレーがめちゃくちゃ心地いい。
こういう感じの曲って最近あんまりないのが勿体無いなと思ってしまった。
ともあれ、めちゃくちゃ楽しかったな。
ここ数年はあまり音沙汰もなかったし、活動休止、最悪自然消滅的に解散もあるのかなと思っていたが、そんなことは杞憂であったね。
流石のベテランバンドになっているわけだが、こうして新譜も出して、それがただの焼き直しじゃないし、過去曲も鉄壁の演奏。
曲によってベースが引っ張る曲もあればドラムが引っ張る曲もあるし、ギターはカッティングもあればニューウェイヴみたいな鋭角なリフもあればメタルみたいな展開もあって多彩。
ヴォーカルも、タカがロングトーンも含めたメロディーをいい声で歌って、マサが早口に捲し立てるようなところを担当して、それぞれの色が出ている。
声質も違うからそのアクセントもメリハリになっている。
それこそ去年暮れ頃にはAA=のライブも久しぶりに観たけど、この世代のバンドはみんなスタイルをしっかり持っているし、クオリティは高いし、相変わらずかっこいいよな。
ここからまたライブ活動も活性化して、あちこちでやってくれると嬉しいな。
めちゃ楽しかった。