
今日は久しぶりに映画を見に。
会社でバースデー休暇というものがあり、それを取得してである。
天気がよければ自転車で出かけたかったところだが、ともあれどうせ雨なら他のことだ。
美術館も良いかしらと思いながらこちらを選択。
Pink Floydの創立メンバーにして、長年彼らの精神的支柱と言われていたSyd Barrettの映画である。
私はそんなに熱心なフロイドファンではないが、彼らのアルバムで1番好きなのはシドがメインで制作された1stなのだ。
狂気的なまでの天才でありながら、LSDやらなんやらをやりすぎて若くして現から姿を消した伝説的な人である。
その割に結構長生きで、2006年に60才で亡くなったのだ。
当時の訃報を覚えており、そんなに調べてもいなかったから不謹慎ながら意外に思った記憶である。
最近のミュージシャン映画のブームにあやかってか上映されるということで、この機会に改めて知ろうというわけだ。
ただ、結論から言うと期待したような内容のものではなく、確かに私の知らない情報などもあったが、多分調べれば出てくるものが大半だろう。
フロイドのメンバーはじめかつての恋人や友人も広く登場しての証言はあるにせよ、シド本人のインタビューなり発言についてはほとんどなく、全てそれぞれの人が彼をどう思っていたか、という点しかほぼ語られていない。
シド自体がかなり寡黙だったそうなので、そのせいもあるだろうが、いうても一言も口を効かない訳でもなかったろうから、その辺りをもう少し引き出して欲しかった。
映画の構成はシドの生い立ちから写真などの素材と各年代での友人知人らの証言、インタビューを交互に見せており、時折イメージ映像が差し込まれるのだけど、このイメージ映像の意味がわからなかった。
あまりにシドの言葉が少なかったから、せめてその心象風景を描きたかったのかもしれないが、そもそも彼にまつわる情報が少ないので製作者のお気持ち程度にしか感じられなかったな。
率直に言えばいらなかったと思う。
全体として何かメッセージがあるわけでも、社会的に大きな影響を与えたわけでも、後世に至るまで莫大な影響を残したわけでもなく、言うなれば1人の天才がいて、それに関わった人たちには忘れらがたい人の1人だったというだけである。
たまたまフロイドが世界的なビッグバンドになったので、先にも買いたがその精神的支柱として、また本国では引退後の都合のいいゴシップネタとして話題があったに過ぎないというのが、この映画で伝わってくるSyd Barrettという人のイメージである。
見た目にも麗しくスタイルもいい。
音楽だけでなく絵画など芸術的な才能にも恵まれ、早々にテレビデビューも飾り、ビートルズのポールすら天才と認め、ジミヘンなんかともツアーするような成功を掴んでおきながら薬で破滅した悲しい男として描きたかったのだろう。
実際勿体無いというニュアンスで語る人の方が多いしね。
でも、必ずしもそうでもないよという彼のかつてのビジネスパートナーの言葉が印象的でしたね。
また、かつての恋人や婚約者、妹さんや学校の友人など女性も多く登場したが、彼女らの語り口がある意味こういう人へのリアルな反応という感じで、それがドライで良かった。
まぁ、いい思い出の一つよ、くらいの感じ。
詰まるところ、バンドメンバー意外にとってはチャンスや才能を薬で潰した残念な人以上ではないんだろうな。
なんだか否定的なことばかり書いてしまったが、人間的にすごく魅力的だったのは間違い無いと思う。
だけど、描き方がゴシップのそれと大して変わらないからそんな印象になっちゃうのよね。
ライブ映像などをいい音響で聴けるのはそれはそれで良かったけど、わざわざ映画館で見るほどでもないかな、というのが正直なところであった。