音楽放談 pt.2

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小休止223「2024年に買った新譜たちを振り返る」

今年も残すところあとわずか、時はまさに年末だ。

 

淀んだ街角で誰とも出会わず、キープユーバーニングだ。

 

それはともかく、私はちょうど1年前に転職をしたので、まさにちょうど1年が経過した訳だが、職場には随分慣れたし、仕事も覚えきている。

 

ただ、この間の動きについては後悔がなかったわけではないし、反省の方が多いのは実際だ。

 

それでもこの会社ではあまりいないタイプだと自分でも思うので、それなりに存在感を発揮できているとは思うが、ともあれまだまだである。

 

 

で、前職はフル出社だったが今の会社は原則フルリモート、ここ半年弱は出社もちょくちょくしているが、いずれにせよ在宅時間が長くなったのはコロナの頃にいた会社と近い状態だ。

 

日中の仕事の際はラジオを聴いていることが多いのだけど、夕方以降はあまり聴きたいチャンネルもないので音楽を聴く。

 

とはいえ、なんだかんだあまりじっくりは聴いていないかもなと年末頃になると思うのである。

 

特に新譜については、最近リアルタイムで買わないものもあって、Spotifyで聴いているものも多いので余計に散逸としてしまう。

 

なので、以前は毎年この時期に個人的ベストアルバムをせっせと考えるのが慣わしだったが、2、3年前から聴いたものを列挙するだけになっている。

 

歳をとってくると、だんだんランキングとかもなんだかしんどくなってくるんですよ。

 

コンテンツとしては好きなんですけどね。

 

 

そんなわけで、今年も残すところまだ1ヶ月あるが、今年買った今年リリースのアルバムをざっと振り返っておこう。

 

順番は特に意図はない無作為である。

 

 

Vampire Weekend  「Only God Was Above Us」

実はデビュー当時から聴いているバンド、Vampire Weekend、今ではすっかりアメリカを代表するバンドになったわけだが、初期のカラフルなポップさは徐々に鳴りをひそめて、静かな曲が多くなっていた。

 

個人的には肩の力の抜けた軽やかさが個人的には気に入っていたので、正直そこまではまれなかった。

 

ただ、今作は初期の雰囲気も戻ってきたなどとリリース当時から話題であったが、確かにそこかしこに感じられるところがあり、実際サンプリングとまでは言わないが、特徴的なギタフレーズなども散見された。

 

全体的にはいうても穏やかな感じだけど、空気が明るくて聴きやすく、久しぶりにちゃんと聴いたアルバムであった。

 

春先のリリースだったと思うけど、その空気とも非常にマッチする音楽で、これは長く聴けるアルバムだなと思って今でも聴いている。

 

ライブについては昨年のフジロックできているが、単独は久しくないので、最近の流行に乗ってまたきてほしいところだ。

 

LITE 「STRATA」

こちらは日本が誇るマスロックバンド、LITEのアルバムだが、このアルバムも今年だったのだな、と振り返っていて思った。

 

3rdフルアルバム以降はリリースツアーは全て足を運んでいるのだけど、今年はライブ自体はそれっきりだったな。

 

なかなかタイミングが合わなかったりと言うのもあったんですがね。

 

それはともかく、このアルバムは近作で徐々に増えてきている実験色をより強めて、バンドとしては創作意欲が充実しまくっているようなバラエティに富んでいた。

 

ヴォーカル曲は前作もあったけど、このアルバムではまさかのラップを披露。

 

どうなるんだと思ったが、これが不思議とちゃんとLITE流のラップ曲になっている。

 

ヒップホップ的な雰囲気もありつつ、アグレッシブな楽器部隊は健在、すごいことである。

 

ゲストの客演も当たり前になっていることもあってなお幅は広がるのだけど、他方でこれぞLITEという曲は切れ味抜群。

 

ライブでは当たり前に複雑なフレーズをぶちかましてくれるので、素人の私が見ても凄まじいと毎回思う。

 

ぼちぼちベテランの域に達してきているが、ますます充実しており今後も期待しかない。

 

 

toe 「Now I See The Light」

こちらも前作から6年ぶりのリリースとなったtoe、ライブ自体はコンスタントにやっていた印象だが、やはり音源となれば嬉しいよね。

 

事前のプロモーションなどもなくしれっとリリースされたのはびっくりしたが、彼ららしいとも思った。

 

で、内容としてはかつてなく内省的な印象で、彼らの湿っぽい部分全開といった感じだった。

 

もちろんそういった曲もいいのだけど、その合間にある軽快な曲もあることでメリハリも出るように思うが、そういった部分は全体に減退している感じで、正直そんなにハマらなかったんだよな。

 

私は柏倉さんのドラムのファンなのだけど、このアルバムでは彼の好きな感じのドラミングが随分少ないように感じて、それが上記のような感想になっているように思う。

 

まあ、またライブで見れば化けるかもしれないので、折を見てぜひまたライブ見たいよね。

 

 

The Spellbound 「Voyager」

Boom Boom Satellitesの中野さんとノベンバの小林くんの組むThe Spellboundも2ndをリリース。

 

アニメのタイアップやアイドルへの楽曲提供など対外的な活動も目立っていたが、バンド内部としてもライブツアーを継続的に行なっていた。

 

その中でBBSのど真ん中のカバーライブをやるなど、いい意味で開き直った活動を経てのアルバムだ。

 

前作は中野さん印のキラキラした眩さの塊みたいな音楽で、バンドとしての方向性を探っているような段階だったので、それで却って全体としての統一感を出したように思う。

 

対して今作は、まず全体にアグレッシブ。

 

タイアップ曲やアイドルへの提供曲のセルフカバーなど、そもそもシングル単位でリリースされた曲も含まれているのもあるかもしれないが、ともあれライブのエネルギーも手伝ってかアグレッシブ。

 

1stはサウンド的にはBSS感もまだ強い印象だったが、このアルバムはいよいとThe Spellboundといった感じで、本編突入といったところか。

 

ジャケットも非常に凝ったもので、ドキュメンタリー映像とのバンドル盤を買ったのだけど、この辺りのアートワークのセンス含めていいですよね。

 

ライブメンバーも固まってきており、ダブルドラムの2人もいい感じ。

 

今後も期待値が膨らむバンドである。

 

Ogre You Asshole 「自然とコンピューター」

Ogre You Assholeも、いつの間にか5年ぶりだ。

 

件の3部作以降もはや禅のようなアルバムをリリースしていたが、ライブでは彼らの試行錯誤が非常に感じられる期間であった。

 

セットリスト自体もあれこれ試してみたり、音響的なことに凝ってみたり、また演奏に電子楽器も使ってみたりと、それほど回数の多くないライブにおいても毎回趣向が違ったのよね。

 

その中で徐々に固まったのが電子楽器の活用だったんだけど、その辺りはしばしばインタビューでも触れていた。

 

途中4曲入りのEPをリリースしているが、その時点でだいぶ方向性は見えていた。

 

更に今年の夏頃の単独ではアルバムのリリースの発表されたわけだが、そのライブでの私の印象はまさにクラフトワークだった。

 

そしてアルバムタイトルを見た時に、彼らの中のある種のテーマが見えたものだ。

 

バンドとしてはあまり電子楽器的なものは遠いように感じていたが、ライブではみんな平気な顔して操っているので、このバンドってやっぱりみんなプレイアビリティ高いよな。

 

見た目的にはそこらにいる感じすぎるくらいそこらにいる感じなのだけど、楽器を持ったら本当に凄まじい音を出してきやがる。

 

で、毎年彼らは12月に単独をやっていて、基本的には私はいっていたのだけど、今年はうっかりチケットを取りそびれてしまった。

 

無念だ・・・。

 

 

mouse on the keys 「midnight」

こちらもアルバムとしては6年ぶりとなるmotk。

 

この間メンバーが1人脱退し、新メンバーが加わってから初のフルアルバムだ。

 

ただこちらも音楽活動はライブ含めてやっていたのだけど、その音楽はどんどん実験的になってきている。

 

20年にEPをリリースしており、こちらは初期の頃のアグレッシブな感じだったが、その後にリリースされたのは建築家の人と組んで作ったもので、もはや現代音楽的なものであった。

 

それを経ての今作だが、流石にそこまでとんがってはいないものの、言うても従来の彼ららしさとは随分と異なる作品であった。

 

それこそ前回のフルアルバムではブリストルサウンドというか、ポストパンク的な色が強くなっていたわけだが、その荒涼さをもっと突き詰めたような印象だ。

 

ちなみに久しぶりの単独ライブにも行ったのだけど、こちらもその世界観満載だった。

 

会場は六本木のExTheaterだったのだけど、普段の彼らは数百人規模のライブハウスだ。

 

見るとステージセットはバチバチに凝っているし、サポートもバンド本体より多い数参加。

 

更になぜか関係者枠であのマルシアが!

 

マルシアはともかく、ライティングの演出含めてかなりすごくて、音楽的にも彼らの代名詞的なハードコアなドラムとシックなピアノ・銀盤というイメージとは程遠く、まさに現代アートみたいな瞬間が満載だった。

 

観客の大半が呆気に取られていたように感じたが、しかし映像作品も出るようなのでそれはそれで見てみたいんだよな。

 

いずれにせよ、アーティストとして新しいものにチャレンジするのはファンとしては応援したい一方で、やはりらしい曲も聴きたい。

 

その辺、LITEってバランス感覚がすごいなと思うな。

 

 

Maximo Park 「Stream Of Life」

ここ最近、私が大学生の頃にデビューしたバンドたちの活動も活発になってきている。

 

それこそHard-Fiがライブ活動を再開、新曲も1曲だけだがリリースしている。

 

The Horrorsも年明けにフルアルバムのリリースが決まっている。

 

LCD Soundsystemもいよいよ新譜か?と言われていたり、TV On The Radioアメリカで1stアルバムの周年記念でライブをやったそうだ。

 

当時のバンドたちが元気なのは嬉しい限りだ。

 

その中でもずっと聴いているバンドの一つがMaximo Parkだ。

 

なんやかんやコンスタントに音源もリリースしており、ライブもずっとやっている。

 

残念ながら日本ではあまり話題にもならなくなってしまったが、とはいえ今回の新譜も日本向けの限定Vynalを出すなど、一定のファンベースがあることが伺える。

 

私も前作から海外の公式サイトで直接発注しており、ジャケットにはメンバーのサイン入りとなっている。

 

 

彼らのアルバムは、個人的には3rd以降は気にいるものが交互に来る感じがあって、4thは個人的にはイマイチ、でも5thは今でもめっちゃ好き、でも次の6thはちょっとイマイチで、しかし前作に当たる7thはまためっちゃ良かった。

 

曲自体は基本的にずっとポップでいい曲を書いているし、彼らの言葉のリズムも私は好きで、その個々の特徴は彼ららしさが十分にあると思うけど、アルバムとしてみた時にどうしても地味な印象になってしまうのよね。

 

そんな中での8thなので、流れでいえばちょっと微妙なタイミングか、という懸念を勝手に抱いているわけだが、結論から言うとまたちょっと違う印象になっている。

 

前作の方が全体的にパワフルで、ある種華やかだったり彼ららしい弾ける感じも満載なんだけど、他方で今作は曲自体が総じていい。

 

先行シングルの”Favorite Songs”とかもすごくいい。

 

歌詞もなんか好きな感じなんですよね。

 

終盤はややだれてしまう印象があるけど、思うに彼らはアルバムとしての曲順とか構成とかが絡むと、そこにばらつきがあるのかもしれないね。

 

 

それにしても、こうしてもう20年近く聴いているバンドだけど、なんでこのバンドこんなに好きなんだろうというのが、自分でもイマイチわかっていない。

 

音楽的には、デビュー当時はXTCが引き合いに出されていたが、そのポイントはひねくれポップというものだった。

 

当時はイマイチ意味がわからなかったし、今に至ってもわかるようなわからないようなところはあるが、少なくともシンガロングするタイプの曲ではないので、そういうところなのかもしれないとは思っている。

 

いずれにせよ、コロナの際もわざわざ日本向けにメッセージを添えた配信ライブをやってくれたけど、またの来日を期待したいところだ。

 

 

Kawashi Washington 「Fearless Movement」

私が数少ないながら聴いているJAZZ系アーティストの1人がKamashi Washingtonだ。

アグレッシブなトランペットソロは健在、私のような門外漢でも素直にかっこいいと思える。

 

いまだに多くを語る言語をまだ獲得できていないけど、1度だけ大雨の中で見たライブが最高だった記憶が明確なので、これを入り口に引き続き勉強させてもらいたいところだ。

 

顔は怖いが、最高にかっこいいぜ。

 

Hiatus Kaiyote 「Love Heart Cheat Code」

オーストラリアって不思議な国で、定期的にすごいアーティストが出てくる。

 

そして色んな要素をはらみながらもポップさがちゃんとある。

 

あれ、なんなんですかね。

 

それはともかく、フジロックのライブも好評を博したHiatus Kaiyote、豊洲Pitでのライブも実現したわけだが、音源で聴いていた印象を確かめさせるものであった。

 

このバンドってやっぱり変だよね。

 

ヴォーカルの人はかなり人生に苦労している方だと思うけど、とにかく華やかでパワフル。

 

それこそ個人的にはYeah Yeah YeahsKaren O以来のパワフル系フロントウーマンだ。

 

音楽的にはR&BとかSoulとか、そのあたりがベースなんだろうなとは思うが、なんか違うのよね。

 

そしてライブ、本当に楽しかったね。

 

とにかく花があるし、無闇に明るい。

 

メンバーみんなね。

 

そして奇妙な楽曲なのにちゃんとポップに響く。

 

改めて聞くと本当に変な曲ばっかりなのだけど、それでも会場は大盛り上がりする。

 

本当に不思議な人たちなんだよな。

 

アルバムは40分弱と短めで、それこそR&Bとかの観点で見れば余計に際立つと思うけど、要素が多すぎてその短さは感じさせない。

 

このアルバムは前作に比べても奇妙奇天烈、でも奇を衒ったというよりは、できたらこうなっていたという感じなのだよな。

 

なんでこんな変な音楽をやっているアーティストがこんなに人気なのか正直わからないが、ともあれライブも見れたので今年は楽しかったな。

 

Catpack 「Catpack」

私はMoonchildというバンドが大好きで、全アルバムが常にプレイリストに入っている状態だ。

 

ライブを生で見たいと思いつつ、なかなか果たされないのが非常に歯痒いわけだが、にも関わらずVoの女性が別バンドを結成。

 

背景については不仲も囁かれるがそれは私にはわからない。

 

ともあれ、ウィスパーVoも去ることながら、別メンバーで組まれたこのバンドも音楽的にはMoonchildに近い。

 

女性メンバーがそのあたりのイニシアチブを持っていたんだろうなと勝手に思うが、実際このアルバムも、Moonchildのスピンアウトと言われればそうだろうと思ってしまう。

 

所々に猫の鳴き声のようなエフェクトも入れつつ、でも全体はMoonchild的なまったりR&B、Soulな音楽だ。

 

こちらの方が肩の力はより抜けている印象だが、どっちにしろこの女性Vo、いい声しているよな。

 

このバンドでもいいからまた来日してほしいところだ。

 

Wook and The Pants 「Not Fun In The Summertime」

確かSpotifyでダラダラと流している時に聴いて、これはいいじゃないかと思ってすぐにCDを買ったのは、1stアルバムであった。

 

あれから4年ぶりとなる2ndだが、メンバーが1人になってしまったのだろうか。

 

それはともかく、引き続きスモーキーで景色が漠然とゆっくり前を通り過ぎていくような感じだ。

 

気怠い感じがなんとも心地いい。

 

それこそOgre You Assholeとか坂本慎太郎なんかも彷彿とさせるが、彼らがもっと堕落して現実主義になったみたいな印象を個人的には持っている。

 

前作は1曲目が爆裂にかっこよかったし、じゃがたらのカバーもあるが、全体的に静か〜な感じに終始していた。

 

それに比べて、今回の方がアルバムとしてはいい感じの印象。

 

反面一聴してインパクトのある曲が少なかったようにも思うが、ただアルバムとして聴くといいのよね。

 

そういう作品だと勝手に思っている。

 

 

ちなみに、明けて2月に単独があるということで早速チケットも取った。

 

どんなライブなのかしら、今から楽しみである。

 

RAY 「Keep Idol & Shoegaze」

最後はアイドルグループRAYのライブ盤、しかもバンドセットだ。

あまりアイドルについては詳しくはないのだけど、多分アイドルでライブ盤出しているグループってあまりいないのではないだろうか。

 

ましてオケでなくバンドセットだ。

 

以前このグループのプロデューサーは、ライブ盤は出さないというようなことを発言していたのだけど、こうしてリリースされたのはこのグループの活動上の表明みたいなものだったのではと思っている。

 

元々作曲陣はバンドの人が多く、また音楽的にもシューゲイザーが中心とあって、やはり轟音ギターが映えるのよね。

 

以前から年数回イベントでバンドセットでのライブはやっていたが、今年は特にロック系のイベントへの出演も多く、そこではバンドセットで臨むことが多かった。

 

まだまだイベント的に大きな規模というわけでもないが、それでもなかなかコアなメンツの揃うイベントへの出演も多くあった。

 

実際ライブを見た人たちのリアクションはよかったみたいだが、その文脈での更なるアピールとしてこのライブ盤を放ったのだろう。

 

セットリスト的にはライブ定番、その中でもCryff In The Bedroomのハタさんがギターを弾いているので、彼作の曲を中心に演奏される。

 

がっつりバンドサウンドなので、おそらくアイドルファンでなくても普通にバンド音楽として聴ける。

 

むしろ、仮に女性ヴォーカルが複数いるバンドと言って聴かせれば、それと思うだろう。

 

そういう意図を持ってリリースしただろうから、ぜひ届いてほしいなと思いますよね。

 

 

 

上記以外にも、St.VincentやToro Y moiなど、まだ買っていないアルバムもたくさんあって、これからおっつけ買っていくつもりだ。

 

そろそろ世の中的にも年間ベストが発表されているが、パラパラと見ていても正直聴いていないものばかりだった。

 

ここ数年そんな感じである。

 

別に音楽を聴いていなかったわけではなくて、昔のを聴いたりラジオ的に色々流し聞きしてたりしたのでね。

 

ここ最近は来日がバンバンあって、向こうしばらくはそれも続きそうなので、そういったものにも足を運びながら、来年も楽しく過ごしたいですね。