私が関東に暮らし始めて既に20年以上が経過した。
地元にいた頃はテレビの中の世界だったし、私にとってはおよそ現実的ではなく、人の暮らすイメージすらなかった。
そんなわけはないのはそりゃそうなんだが、たまに旅行で出かけた時に見たどこに行っても観光地みたいな人の数を見れば、田舎のクソガキには信じられない世界だったんですよね。
多分その感覚は、今時の若い子であっても田舎から出てきた子なら共有できるだろうと思う。
そんなことを考えていたのも今は昔、すっかりここでの暮らしも板についた今日この頃だ。
こうして関東で暮らしていることの一番の利点はなんと言っても娯楽の多さだ。
私は音楽を聴いたり、プロレスを見たり、最近は少し疎遠になっているが美術館に行ったりすることが好きだし、自転車で少し走れば割と自然豊かなエリアもすぐに現れる。
また様々なイベントも行われているため、昔から好きだったアーティストのインストアとかもすぐ近くであるわけだ。
初めてそんなことを思ったのは、元Moon Childのササキオサムさんのインストアの時だったな。
ソロで細々と活動していたのも追いかけていたので、近くでやる時は何度か足を運んでサインもらったり一緒に写真も撮ってもらった。
不思議な感覚だったよね。
インストアでは人間椅子とも撮ったな。
そして、実は私の人生の価値観にも大きく影響を与えたオーケンこと大槻ケンヂさんについては、狙えば機会はあったがなかなかタイミングが合わなかったり、あるいはあまりに暗黒時代の思い出と紐づいているのでなかなか掘り起こすのも億劫だったので、そんな機会をあることはなかった。
ちなみに影響については以前つらつらと書いたこともある。
筋少や特撮、またインストアで電車とか、ライブ自体は何度か足を運んでいるんだけど、直接会うことはなかったのよね。
ところが、この度新刊の発売に伴いサイン会があるとな。
いつも発売の際にはやっているのだけど、今回はその発表のタイミングでリリースも見たのでよっしゃと意気込んで予約、無事そのチャンスを得たのである。
今回は筋少の楽曲にちなんで様々な作家が小説にしたというオムニバス的なものなのだけど、普通に面白そうでもあるので此れ良きかなと。
そんなわけで夕方、雨もようよう止み出した頃に家を出たのであった。
サイン会場は一室を伽藍堂にして、簡単に整理される程度のロープがあり、真ん中にはオーケンの座る長机がポンとおいてある。
後ろにはデカデカとサイン会の横断幕があるが、こじんまりしたものである。
整理番号順に呼ばれるわけだが、私はかなり序盤だったので、最初のグループだ。
時間になるとオーケンが登場、ステージやテレビでは見たことあったが、ここまで近くで見るのは初めてだ。
いやまぁ、なんというか、ちょっと感動よね。
年相応に少し痩せているが、おずおずとした感じが紛うことなきオーケンだ。
早々に私の番が回ってきたわけだが、こういう時にはあまりうまく話せない人見知りである。
とは言え、サインを待ちつつキモいオタクのように自分が好きになったきっかけなどを話しつつ、King CrimsonのTシャツを着ていたのでそれも少しいじってもらいつつ、会話らしい会話はできなかったが、嬉しかったですね。
あっという間に終わったわけだが、私にとってスターとの距離はこれくらいがちょうどいい。
せっかく買った小説を読みつつ、またライブにも行こう。
こうして25年来のファンであるオーケンのサインも無事ゲットしたのであった。
やったぜ。
