音楽放談 pt.2

ただの音楽鑑賞日記です

アイドルとして魅せる音楽エンタメ ーRAY

今日は毎年恒例となっているRAYの秋のワンマンだ。

 

毎年5月の結成記念と、現メンバーのみこちとまおさんの入ったこの秋口にやっている。

 

この年2回のワンマンごとに会場の規模を上げてきているが、今年は恵比寿のLiquidroom、様々なバンドにとっても一つの節目的な会場である。

 

最大キャパは1000くらいだと思うけど、ソールドアウトにはならなかったようだが体感9割は埋まっていたのではないだろうか。

 

私が最初に観たのは2年前のこのワンマンで、当時はWWW、ちょうど前作『Camelia』のリリース直後くらいだったか。

 

今回もアルバム『White』のリリース直前、と言いつつ先行配信がされており既に全曲聴ける状態である。

 

毎度作曲陣で話題になるグループだが、今回はネームバリュー的には過去最大と言っていいだろう。

 

何せシューゲイザーの世界的な代表格であるRIDEのメインソングライターが提供しているのだ。

 

発表された当時もさまざまな方面でざわついていた。

 

何せ名前も聞いたことない日本のアイドルになぜ?というのが世間の見方だっただろう。

 

ファンとしては遂にここまできたか、という思いであったろう。

 

ただ、個人的にこのアルバムの作曲陣全体を見てある種このグループとしての野心というか、ある意味でシーンとかそういうものも含めた視野なんだろうなというのを感じて、そっちの方が興味度で言えば高かった。

 

ハタさん、菅さんといったいつもの布陣も去ることながら、彼らの曲はそれぞれ2曲ずつ。

 

他は既にライブでは披露されていたが、ベテラン勢としてはモーサムくらいで、あとはひとひらと雪国という同世代の若手バンド、加えて1番意外だったのはWozniak他様々なバンドで活動しているマスロックの雄、星さんの参加である。

 

昨年彼らの主催するマスフェスにRAYも出演していたのでそうした縁からだろうが、まさかここにまで来るとは。

 

更に今年のワンマンの目玉こそこの星さんを中心としたトリプルドラムを従えたパフォーマンスになること。

 

以前からバンド編成であったり、オケ+アンプ、オケ+サンプラー、パーカッションなど重低音を強めたらグルーヴにはこだわっているのが見てとれたが、今回はそれをグッと推し進めたような企画だ。

 

トリプルドラムなんてクリムゾン以来だ。

 

しかも全曲、うち星さん作の曲ではギターサポートも入れるとか。

 

曲そのものも良かったのでそれをライブでフルに観られることももちろんだが、この企画自体がとても興味深く、どんな感じだろうかと楽しみであった。

 

ちなみに、アルバムについてはまたどこかで別途書くと思うが、一先ず旧来のファンにとってはまた別な意味で味わい深いものになっている。

 

 

少し押して開始、まずは3人のドラマーが入ってきて着座。

 

星さんが事前にこのライブのために新曲を作ったと言っていたが、その意味が程なく理解できる。

 

ドラムと打ち込みでいつもと違う入りである。

 

こりゃなんど?と会場も一瞬探るような空気になるが、それよりも登場からびっくり。

 

いきなりの新衣装だ。

 

そういえば、毎年このワンマンで衣装が変わるのだった。

 

今の衣装になってもう一年たってたんですね。

 

で、新衣装がまたかなり雰囲気も変えつつ、メンバーごとにデザインも大きく変えている。

 

基本は少しロックチックなハードめなテイストはありつつ、少しゴスも入ったような感じだ。

 

また、これまでには珍しく内山さんとまおさんがお腹がセパレートになっておりヘソだしだ。

 

 

そんなささやかなサプライズもありつつ、1曲目から"秘密がいたいよ"、続いて"Upside Down""17"とアイドルサイドの曲を連投、普段から割と音デカめなグループだが、ドラムも従えていつもの何倍増しだ。

 

負けじとメンバーの歌声もいつになく出ているし、パフォーマンスもキレキレで漲っている。

 

そしてさすがのアイドルスマイル全開。

 

その後ろから凄まじい音の塊が飛んでくるような感じだ。

 

ちなみに、要所要所で星さんも歌詞を口ずさみながら叩いているのがよかったね。

 

そこから"Test"、"読書日記"、"Blue Monday"からの多分私はライブで聴くの初めましての"Light Wave"なども披露。

 

さすがトリプルドラムとあって音圧が凄まじいわけだが、特に"Blue Monday"はイントロのハンドコアな打ち込みドラムが印象的なわけだが、3人いればどうということはない。

 

なんならそもそものスキルが凄まじい人たちなので、人力であのイントロをかます


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まさに爆音。

 

そのあとは疾走感のあるパートになるとその対比でとてもドライブ感が気持ちいい。

 

さらには"読書日記"では冒頭アレンジを加えていたんだけど、ただでさえ複雑なリズムの曲を何してんのよ、と思いながら、かっこよかったね。

 

”逆光”は昨年の内山さん生誕以来定番曲になっているが、イントロが特徴的な分空気を変える効果も。

 

 

今回は曲間も全てSEだったりドラムロールだったりで絶え間なく繋げており、またオケとの調整もかなり緻密にやったんだろうなというのが聴いてとれた。

 

爆音を売りにしつつ、ただひたすら叩き散らすだけではなくて、ちゃんと緩急もあるし、引っ込むところは引っ込むからますます際立つのだ。

 

しかも、各曲にちゃんと合わせているから全体としての流れもスムーズ。

 

時に拍手の隙間すら与えないくらいだ。

 

バンドマスターと呼ばれていた理由がよくわかったよ。

 

 

この日は新曲は思ったほどやらなかったし、エレクトロ系の曲中心で、普段のバンドセットとも差別化したセトリが素晴らしかった。

 

恐らくそこも相当考えたんだろうね。

 

バンドでは再現しづらいものをどうもっと肉体的に仕上げるかとした時に、ドラムはパーカッション以上に腹にくるからね。

 

どちらともで演奏されたのは"秘密〜"、"This Is No A Love Song"と"バタフライエフェクト"あたりだろうか。

 

ちなみに"バタフライエフェクト"もライブラストの定番曲の一つだが、中盤すぎに早々に披露した。

 

そして案の定"フロンティア"はハマってたね。

 

あの時のコットさんの感じすっごい好きなのよね。

 

徐々に終盤に差し掛かる頃に"See Ya"も投下、みこち躍動、ドラマの3人も楽しそうだ。

 

更に年末のライブでのハイライトとなった"しずかの海"もそうだったので、やはりモードは変えてきたのかなと。

 

 

ところで今回すごく思ったのは、まおさんがえらく逞しい印象になったこと。

 

別にこれまでがダメだったとかいう話じゃないんだけど、他のメンバーと比べるとこれまでの経歴などもあってパフォーマンス面ではもう一つ、というのがあった。

 

でも、3人期間を経て明らかにパワーアップしたなと感じたのはこの子だったのよね。

 

歌も声が出ているし、パフォーマンスも表情豊かで、小さい体ながら躍動しまくり。

 

この子に限らずみんないつもより明らかに良かったのよ。

 

みこちはいつもにも増してダンスはキレているし、歌もバッチリ、終始あのニッコニコの笑顔だ。

 

コットさんも休み明けから3ヶ月くらいかと思うが、前にも増してとにかく表情豊か。

 

ダンスについてはステージを広く使うような振りの時はとにかく目を惹く。

 

そして内山さんはやっぱり歌が抜群ですね。

 

この子はもっと他のグループなりバンドなりでも、客演を期待したいところだね。

 

 

ほぼノンストップなライブは続き、いよいよ事前告知もあった"plasma"、ギター2人も入ってくる。

 

これは完全にハイライトだったね。

 

アルバムの中でもこれまでの曲の中でも一際ストイックなWozniak的ミニマルマスロックな曲だが、狂ったギターフレーズを涼しい顔して弾いている。

 

反復するリズムがトリプルドラムのパワーをこれでもかと見せつけてくる。

 

7分以上の長尺の曲の前半はずっとインストなので、メンバーはひたすらダンスな訳だが、またこれも複雑というかどうやって拍を取るんだろ、みたいな。

 

そして歌い出しも大変よね。

 

しかしさすがライブで鍛え上げているだけあってバチっと決めてくれる。

 

フレーズ的にはド派手に転調するわけでもなく、本当にじっくり練り上げていくような曲なのだけど、これはヤバいね。

 

ギター2人もどんどんなってくるのか時折顔を見合わせながらグングン上げていく。

 

ラストのカタルシスたるや!


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これがアイドルのライブなんだから意味わかんないよな。

 

そして、ラストを飾るのはアルバムでもラストの"天体"。

 

打って変わって静かな、本当に夜空みたいな曲だが、演劇的な振り付けも相まってそれまでの空気をしっかり変えて終幕となった。


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ラストの曲が終わった時、内山さんは感極まったように見えたね。

 

いつもはMCを1回2回は挟むのだけど、今回は途中で煽りとその流れで自己紹介したくらいで、ほぼノンストップライブだったので、メンバーにとってもタフだったろうな。

 

最後はみんなで横一列で手を繋いで、衣装にも言及せずに静かにはけていった。

 

 

改めて全体的な流れを見ると、序盤はアイドルらしさを押し出したような曲が続き、中盤はオルタナ系の曲で攻めて、RAY的アンセムな曲を経て世界へグッと連れ込むような展開だったように思う。

 

衣装や新作アルバムもそうだし、今日のセトリも含めてみても、その中であえてアイドル色を出していこうという感じかなと思ったな。

 

ここしばらくの活動を観ていると、ロックバンドとの絡みが多く、内山さんのイベント含めて距離が近くなっていると思うが、いやいや私らはアイドルなんよと、ある種そこに矜持を持ちたいような印象である。

 

活動のスタンスやアルバムの作曲陣をみても、ある程度界隈には名前はしれてきているだろう。

 

そこで改めて自分たちを定義していくような1年になるのかな。

 

ともあれ、今日のライブはすごかったですね。

 

PA席にいた大黒さんも観客の声援を受けて、満足そうに両手を突き上げていたね。

 

早速5月のワンマンの情報を出したが、なんとO-EAST

 

キャパ的には最大2000くらいなので、この規模でやるなら相当のレベルである。

 

ここから半年強の活動でどこまで広げていけるか、まさに勝負期だね。

 

しかし、年末のライブと合わせて円盤化してほしいね。

 

それに、オケセット、バンドセット、ドラムセット、アコースティックもあるか、VJ・DJスタイルもあるし、表現の幅が格段に広がりましたね。

 

単純に音楽ライブとしてかなり特異な体験だったので、またみてみたいですね。

 

いいライブでした。