音楽放談 pt.2

ただの音楽鑑賞日記です

小休止228「幻」

前職の友人がついにその会社を辞めた。

 

実に12年とか、もう少しかな、だいぶ長いこと勤めた会社だ。

 

私は一度やめて、訳あって出戻りしたけど結局やめて、という会社だったが、彼はその間もずっといて、人の出入りの激しい環境の中で、理不尽な目にも遭いながらもそこにいた。

 

理由は色々あるだろうけど、一番は変化に億劫だったことはあるだろう。

 

そこまで野心があるわけでもないので、なんだかんだだらだらそこにいたというところもある。

 

ただ私が辞めるタイミングで、明確に会社の未来はないと確信したので、彼に何度となく転職を勧めた。

 

でも、最後は本人の問題だから仮に辞めないという判断をしても、友達として付き合っていくだけではあるが、明らかに不幸せしか見えないところに身を置き続けることはやはりみていられなかった。

 

 

幸いというか、彼も直近の状況があまりにしんどくなり、転職活動をして、無事次が決まった。

 

内定が決まってすぐくらいのタイミングで彼と飲んだ。

 

どこに決まったかと聞くと、多分癖のある会社だとは思ったが、会社の規模は大きいし、少なくとも今の会社以下と言うことはないのは明白だった。

 

転職しない理由はないと彼には伝えたが、やはり年齢的にもそれなりだし、10年以上同じ環境に身を置き続けた彼にとっては、新しい環境への不安もあっただろう。

 

私は転職を結構しているので、そんな安っぽい経験で偉そうに彼の後押しをしたつもりだが、最後には彼の判断に委ねた。

 

どちらをえらんでも、友達でいようと思ったから。

 

結果彼は新しい道を選んだ。

 

私は心底安心した。

 

 

それから転職手続きを始めたわけだが、言うても10年以上世話になった会社なので、彼なりの誠意を尽くそうとしていた。

 

有給は1ヶ月以上残っていたが、全部消化することは考えていなかったし、迷惑がかからないよう引き継ぎも丁寧にやっていた。

 

そんな彼を落胆させたのは他ならない会社側だった。

 

10年以上、人が辞めても、ポジションを変えられても頑張ってきた彼を最後まで酷使しようとして、無駄な時間を使わせて、結局ほぼ有休消化もさせずに、最後は労いの一つもなくクソみたいなセリフを吐き捨てたらしい。

 

しかも社長がだ。

 

赤字なのに辞めていくなんて碌でもない、なんていったらしい。

 

彼はリーダー職にはあるが、部下なんて役員連中が辞めさせたから誰もいない。

 

この赤字を指咥えているだけならまだマシで、部下に責任を押し付けて、他責で何もしなかった役員連中と、そんな無能共をいつまでも抱え続けて裸の王様に成り下がった代表取締役様が一番無様なことにこいつらは気づかないのだろうか。

 

 

今日が最終日ということで、ねぎらいもかねて連絡したら、彼からの連絡は最後に投げられた言葉に対する悲痛さだった。

 

文面だから全てが書いているわけじゃないけど、いつもの彼とのやりとりとは文面が違うし、テンションも違う。

 

彼なりに気持ちを持って、最後まで理不尽だと思いながら頑張ったのに、それを人格否定のような言葉で送り出すなんて、流石にショックだったのは想像に硬くないし、彼は普段はそういうのとは距離を置いたようなことを言うのだけど、その行間から気持ちが伝わってきたような気がして、切なかったな。

 

俺が頑張ってきたこの10何年ってなんだったの?という気持ちにさせるには十分な非人間的なやりとりだ。

 

 

しばらくは気持ち的にも沈むだろう。

 

また年が明けて、新しい職場で少しだけ慣れてきた頃に飲みに行こうぜってね。

 

彼はナイスなやつだから、私は好きなのですよ。

 

彼も年齢は一つ上だが同じく独身だ。

 

幸せになって欲しいし、彼ならなれるはずだ。

 

せめて少しでもそんな後押しでもできれば幸いだ。

 

世の中には信じられないくらいくだらないやつが少なくない。

 

不幸だったのはそれが毎日通う職場にいたことだ。

 

私も半分はそうだし、血迷って出戻ったのは人生最大の後悔だった。

 

結果的に幸いだったのは、その時間があったから今の会社の縁があったことくらいだ。

 

 

彼のこれからの人生に、せめて幸せな瞬間が溢れればと願うばかりである。


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