音楽放談 pt.2

ただの音楽鑑賞日記です

個人的思い出のライブ体験

私の趣味の中にライブ鑑賞が入るようになって久しい。

 

中学生くらいの頃から音楽をちゃんと聴くようになったが、地元にいた時は近くにライブハウスなんてなかったし、住んでいる極近くのエリアしか行動範囲がなかったので、電車に乗っていく、という発想もなかった。

 

まあ、お金もなかったし部活をやっていたのでそういう遊び方の発想もなかったんだよな。

 

大学生になって、自由な時間もありバイトも始めたのでいよいよ趣味を深掘り始め、ついに人生初ライブへ。

 

それは2005年のサマーソニックで、その年はNine Inch Nalisが6年ぶりとなるアルバム『With Teeth』をリリースし、それに合わせてであった。

大学でできた友達と行ったのだけど、初めこそ一緒に少し回ったが、あとはずっとマリンにいたな。

 

高校生の頃から聴いていたThe Mad Capsule MarketsSlipknotDeep Purpleも出ている。

 

他にはThe Subwaysをちょっとだけ見たくらいだったが、Arcade FireにTV On The Radio、M.I.Aにエコバニも出ていたんだな。

 

また翌日にはOasisをヘッドライナーにBloc Party、Ramsteinも出てたんだな。

 

えらいこっちゃで・・・。

 

今に至ってはArcade Fire以外見られていないな。

 

フェス慣れもしていなかったので、肝心のNINの時に低血糖になって一時離脱、コカコーラを一気飲みして復帰した思い出だ。

 

 

そこからいろんなライブに行ったのだけど、その中でも今でも印象の残っている個人的ライブ体験ベスト5でも勝手に考えてみよう。

 

 

5位:Autechre @ Liquidroom 2018/6/13 

まずはAutechreの2018年の単独公演。

 

私は基本バンド音楽が好きなので、テクノ系についてはそこまで好きなわけではないが、Autechreについてはとにかく考え事するときにはバッチリなのだ。

 

もはや禅問答みたいな音楽だが。

 

で、そのライブが一部ですごく話題となっており、理由はその演出にある。

 

ライブ会場全体の照明を完全に落として、真っ暗闇の中で音だけが鳴っているのである。

 

そんなライブ聞いたことないので、どんなもんやとチケットを抑えたのだ。

 

実際に行ってみたら非常灯すら落とす徹底ぶり。

 

彼らはテクノというよりはエレクトロニカとして紹介されていることが多かったが、まさに音の粒子がずっと飛び交っているようなライブはかなり新鮮だった。

 

周りの客の顔も見えない中で、ただひたすら飛び交う音にだけ集中しているようなライブだったので、ライブも禅問答みたいだったな。

 

ちなみに、その後ソニマニでもう1度見る機会があったがその印象は変わらずだった。

 

ただ、どちらも当人たちの存在を一眼もみていないので、本当にAutechreのライブだったのか別の誰かがやっていたのかは今となっては知る術はない・・・。

 

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4位:Arcade Fire @ 新木場 Coast 2008/2/11

サマソニでは観なかったが、その後単独公演で観られる機会があった。

 

今はなき新木場Studio Coast、さらにその後爆発的にバンド自体が大きくなったので、日本でのライブハウスで観られた最後の機会だっただろう。

 

タイミング的には2nd『Neon Bible』に合わせてのツアーだった。

 

このライブが印象的な理由は、とにかく会場の一体感だ。

 

私はお決まりのマスゲームみたいなアクションはしないし、割と自分のペースで楽しみたい人なので、友達と行ってもライブ中はほとんど話すことはないくらい1人の世界に入りたいタイプだ。

 

しかし、それでもなおこの時のライブはなんかすごかった。

 

幸い最前列から2列目くらいのかなり前の方を陣取ることができたので、メンバーの顔もよく見えたからそれも思い出に拍車をかけている。

 

大所帯バンドで、圧倒的な演奏力というよりは巻き込み型のライブをやるバンドだとは思っていたけど、確か”Wake Up”だったと思うけど、イントロのところで凄まじい大合唱観たいになったのよ。

 

しかも自然発生的に。

 

私はストリングスの女性メンバーの目の前くらいにいたんだけど、その時にメンバー同士で目を見開きながら顔を見合わせる場面があり、そこから演奏にもさらに熱がこもっていったのがすごく印象的だった。

 

まさに会場全体が渾然一体となるような、バンドの演奏を軸に大きな渦を巻き起こすような感じは、このライブ以外あまり感じたことがない。

 

 

バンドの演奏だけでなくその時のフェーズや、楽曲のタイプ、観客の期待値など、いろいろな要素が混ざり合って実現した場面だと思うし、だからこそやろうと思ってもできないというのがまさにマジックなのである。

 

その後のバンドの成長も考えると、本当にいいタイミングで観られたなと思っている。

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3位:Tha Blue Herb @ 日比谷野外音楽堂 2017/10/29

続いてTha Blue Herbの最大級の箱でのライブ、伝説の野音だ。

 

なんといっても台風直撃、せっかくの周年ライブで開催自体も危ぶまれたがなんとか開催。

 

観客も演者もギリギリの判断を迫られただろうが、それだけに思い出深い。

 

 

当時のTBHのライブは、今よりもっととんがっていたし、緊張感がばちばちのライブだった。

 

コール&レスポンスなんてもってのほかみたいな感じだった。

 

そんな中でこのお祭りライブ、明らかに今に至る心境の変化がこの時にあったと思っている。

 

 

開始時点でもうすでに嵐で、観客みんな合羽着用、愚かにも傘を刺していた客は当然閉じろと指示刺されるのでびしょ濡れだ。

 

当然ステージ上のBossもDJ Dyeもびしょ濡れになりながらのパフォーマンスとなり、音響的にも強風に煽られて諸所に危ない状況。

 

それでもその日に久しぶりに演奏される曲も多数で、”スクリュードライマー””未来世世紀””路上”"Candle Chant"なども演奏され、そりゃ上がるよな。

 

盟友のBIG JOEやKOJIも登場し、例のニッカウイスキーの看板もバックに登場するなど、TBHの活動の根っこを観せるような演出もよかった。

 

そしてアンコールでは、結成してすぐに制作されたまだまだ粗さもある”この夜だけは”のオリジナルバージョンも披露、この音源にまつわる裏話も含めてまさにLife Storyなライブだった。

 

 

台風直撃という凄まじい逆風もあったものの、終演後にはすっかり通り過ぎていた。

 

そんな環境も含めて、Tha Blue Herbというグループの活動をまさに総括するようなライブは実に感動的だったし、自分で道を切り開いてきた彼らをそのまま表現したようなステージで感動したよね。

 

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2位:Nine Inch Nails @ Fujirock Festival 2013/7/26

続いては私のFavoriteバンドの一つ、Nine Inch Nailsの活動再開時のフジロックだ。

 

The Slip』を無料リリースして以降、機材をうっぱらって活動休止を宣言、もうNINとしては音楽を作らないとさえ言われていた2009年。

 

そこから4年後、ついに復活しアルバムリリースも発表、さらにツアーも発表されて、その初日がなんと日本のフジロックだった。

 

それは行かないわけには行かない、ということで、私にとっては人生初フジロックにもなった。

 

 

当日はご多分に漏れず大雨、NINのライブはサマソニでもロラパルーザでも大雨だ。

 

でもそんなことは問題じゃない。

 

前の前のアクトくらいから徐々に前方へにじり寄っていき、いよいよ登場。

 

その時の衝撃と感動と言ったら・・・。

 

 

毎度最新技術を使いがちな新しもの好きのトレントだが、この時はメンバー全員が横一列になってツマミをいじって演奏。

 

さらに背景には大きなスクリーンがあり、1曲目の”Copy Of A”のサビ部分でそこに大きなシルエットを映し出す演出。

 

今でも鮮明に覚えているが、思わず私は「かっこいい!」と叫んでしまった。

 

そこからはもうあっという間よ。

 

ラストの”Hurt”が終わって、トレントが「Thank You」とか言っていつの間にか終わっていた。

 

私は彼らの大ファンだし、初フジロックでそもそもすっごい楽しかったし、そこでこんなかっこいい演出と変わらず最高な曲を届けてくれたことでもうやばかったね。

 

衝撃度で言えば、冒頭に書いた初サマソニでの初NINで、トレントの坊主頭もなかなかだったけど、なんどか観た後のライブでもあのテンションの上がり方は、我ながらこの時くらいではないだろうか。

 

またきて欲しいな。

 

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1位:Analogfish @Bilboard Japan 2022/10/16

1位は日本のロックバンド、Anlogfoshの2022年、コロナ禍も落ち着き始めた頃のビルボードライブだ。

 

元々同年7月末に予定されていた恒例の夏の企画ライブだったんだけど、メンバーがコロナに罹ってしまったことで延期となっていたものが10月に開催となった。

 

10月は10月で、毎年企画ライブをやっているのでなんとこの年の10月は2週連続のライブとなった。

 

私も7月末、まさにこのライブのタイミングでコロナに罹ってしまったので、不謹慎ながらちょっと安心したのだけど、私は後遺症と当時の職場のストレスにより自律神経が著しく悪化、軽いうつ状態になっていた。

 

自覚できていた分対策をすることができたけど、何度かメンタルクリニックにも通って睡眠薬なんかも処方されていた。

 

やばいな・・・と思いながら運動を始めたり、気晴らしは無理矢理にでも行こうとしていたときだ。

 

とは言え仕事から帰って、深夜にチャリで走り回って、1時間くらい暗い公園でぼーっとしているくらいだったので、今にして思えばなかなかだったな。

 

 

そんな中、2週連続でのAnalogfishだ。

 

前週もすごくいいライブで、ちょっと救われた思いをしていたのだけど、このビルボードライブは私を健常なところまで引き戻してくれた、とても強烈に印象的なライブになった。

 

幸い何もできないほどではなかったので、自分にとって気晴らしになることは頑張ってやっていて、その中の一つに飲酒もあった。

 

酒を飲むとよく眠れたから。

 

で、酒を飲みながら雑多に動画を観ていたんだけど、その時の彼らのライブ映像などを観ていたが、曲によってはまじでボロボロ泣きながら見ていた。

 

それまでは元気づけてくれていた曲までも、聴いているともうどうしようもなくなってしまうのだ。

 

これもやばかったんだなと今では思うけど、どうしようもなかったのよね。

 

 

そんな状態だったから、ライブ中も曲を聴きながら自然と涙が出て仕方ないのだ。

 

彼らはお祭り的な感じでとてもリラックスしつつ楽しそうに演奏している。

 

そんな姿も救いのように映って、ずっとやばかった。

 

ところが、ライブが終わった頃にはそれまで頭の中にずっとあった靄みたいなものがスッと晴れたような感覚があって、軽度鬱状態寛解したのだ。

 

 

今でも自律神経は完治していないので、夕方近くになると頭が重くて眩暈がするし、寝不足が過度のストレス状態が続くと明らかに体調が悪くなるのはあるのだけど、少なくともうつ状態にはあまりならないし、そこからメンタル自体が安定したのは間違いない体感だった。

 

音楽に救われる、という表現はよくあるし、私もそれまでそういう感覚があったから音楽を好きでライブにも行っていた。

 

ただ、それはある種気持ち的な問題が大きかったんだけど、フィジカル的にも明らかに変わったことが私にとってはかなり衝撃的な体験だった。

 

文字通り救ってくれたのだから。

 

当然今でも彼らの曲もライブも大好きである。

 

今はライブ活動は休止しているので、そろそろまた見たいなという気持ちがもりもりに積もっているが、いずれにせよ音楽は本当に救いになる。

 

少なくとも私を救ってくれた。

 

それがなかったら、本当に今ここにいなくても不思議ではなかったかもしれない。

 

 

そんな経験もあったので、ライブ体験的にも1位になるわけである。

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エンタメを超えて

音楽ライブに限らず、結局のところエンタメってなんのためにあるのか、なんてことをたまに考えるけど、基本的には退屈な人生の暇つぶしである。

 

でも、少し見方を変えるとそれはある意味では逃げ道でもある。

 

生きていくための必須事項ばかりに絡め取られていると、いつも緊張感しかないので流石にしんどい。

 

特にメンタル的にヤバイ時にはそれは文字通り致命的になる。

 

そんな時に避難場所としてあることで、健全性を保てると思っている。

 

だから私はエンタメって大好きなんですね。

 

バカらしくていいじゃない、くだらなくていいじゃない、意味なんてなくていいじゃない。

 

楽しいと思えることは、難しいことを考えず、時には無理矢理にでもやっていきましょう。