
すっかり天気も回復した2日目、それでも気温は予報では30度ほどと優しい夏だ。
昨日の疲れをしっかり残しながらも元気に目を覚ました私は再び千葉を目指す。
今日のマリンはJ-Pop系で溢れており、メッセは比較的フェス慣れした人で固まりそうで安心だ。
それにしても、こういう屋内での大規模フェスって世界的には他にどんなのがあるのだろうか。
ふと思うことはあるが特に調べもしないが。
そんなことを考えながら電車に揺られていざ幕張。
すんなり会場に着いた。
少し何か食べてから行こうかと駅前を彷徨くも、どこも満杯だったので諦めて直行したのだが、正解だった。
初っ端はFather Of Peaceと言うバンド、ちょうど始まったところで到着だ。
どうやらイスラエルのバンドらしく、それだけでも珍しいが、スリーピースらしくベースがブンブン鳴っているし、ドラムもラウド、この感じの音は大好きだ。
ボーカル・ギターが兎に角陽気でショーマンシップ満載、一生懸命覚えてきた日本語を披露しながらみんな演奏がめちゃ上手い。
なんだこいつらは。
曲によってはWhite Stripesのようなものもあったが、メロディは独特な感じで、何か地元の感じとかあるのだろうか。
あの辺りの音楽は全くわからないが、ともあれなかなか独自だ。
そして驚いたのが、なぜかクリムゾンの"21st Century〜"を披露、なかなか見事なカバーであった。
なにより若者らしく元気いっぱいで良かったね。
お疲れ様!と言って去っていった。
そこからマウンテンへ向かいViagra Boysと言うバンドを見る。
名前も知らなかったが、O-Eastて単独もやっており、ソールドだったそうだ。
どんなもんかしらというわけだが、ボーカルはジョンライドンに声似ているな。
パンク、ハードコア的なものが軸なのだろうが、ボンゴいたりラッパいたりとなかなか大所帯だ。
とはいえ、あんまり好みではなかったので早々に後にしてReturn to Sonic。
次はPretty Bleakというオースオラリアの若手バンド、紹介文にはシューゲイザー、ニューウェーブが軸という。
私の好きな言葉たちだったので観ておきたいと。
ステージに登場したメンバーはお世辞にもオシャレでもなく、地元のツレで組みました、みたいな風情があってなんかいいね。
曲自体は、端的にいえばThe 1975だ。
特に1st辺りの。
調べてみてもあまり記事はなかったが、しかしそんなコメントも見られた。
ただ、彼らのフォロワーというよりは参照している音楽が同じようなところのようで、特にCureの名も上がっていたがなるほどなという感じだ。
シンセも爽やかでこの季節にはちょうどいい。
曲も悪くないけど、正直The 1975の後ではどうしても比較でみてしまう。
ともあれまだまだこれからのバンドだろう。
ボーカルは明らかに序盤は緊張が見えて、少し声も震えていたり、しきりに体を動かしてほぐそうとしている様も見えて微笑ましかったな。
まぁ、いきなりこんな言葉も通じないところに来て、それなりにでかいステージで人たくさんいればそうなるよね。
自称内省的な4人組らしいので、かつてのアークティックのように垢抜けにも期待か。
そんなわけで中座すると、Return to Coockie Mountain、名前は知っていたが聴いたことなかったJon Spencer へ。
かつてはトリも務めたことのあるベテランだが、聴かないまま今に至っている。
到着した頃にセッティングが終わったくらいであったが、程なくして開始。
スリーピースながらゴリゴリの音圧で、のっけからハイテンション。
広いステージの中央にぎゅっとして演奏するのだが、びっくりしたのはなんとノンストップ。
持ち時間約50分だが、本当にMCも挟まずずっと演奏している。
曲が終わったかと思ったら次の曲へすぐ繋ぐ。
特にドラムはなかなかの運動量で時々叫んでおり負荷がでかい。
Jonもトリッキーにギター弾いたり、ブルージーだったり、歌も歌ったり叫んだりたまに煽ったりと大忙しだ。
ベースもたまに叫びながらずっと弾いてる。
この人たちすごいな。
ここの曲がどうこうはもはやわからないが、とりあえずぶっ飛ばされた。
いうても曲もカッコよかった。
いいもの見たな。
ここで休憩がてら飯を食う。
流石に昨日よりも人が多そうで、どこも出店は行列だ。
炭水化物を摂りたかったので、チャーハンをチョイス。
それにしても全体に値上がりしているな、ただでさえ割高なのに。
仕方ないか。
それと、以前はちょいちょいビールも飲んでいたが今年は昨日も含めて一切飲んでいない。
ずっとサントリーが協賛なのだが、以前はプレモルだったのに一昨年くらいから新ブランドの生に変更、価格の割に量も少なく、多分350mlなのよ。
私はビール好きだが、正直サントリーのビールは購入優先度は1番低い。
近所のスーパーで安く売られているときくらいしか買わないものを、なんで無駄に高く買わんといかんのか。
カップも紙のペナペナのやつになって安っちいからね、家に帰って美味しいのを飲むよ。
飯をかき込むとどうしてもコーヒーが飲みたくなったが、館内の自販機は缶飲料が販売停止になっていた。
そこで一度外に出て缶コーヒーを買い、ちょうどいいベンチスペースでしばらく惚ける。
この日はJ-pop系も多いためか客層が多様だ。
昨日はやたらオアシスのマーチ着た人に溢れていたが、今日はAdoにケンティにHANAにBe Firstに、時折バーンにと来ている服も多様で、それに沿うように若い女の子、若いというか中学生か高校生くらいの子も沢山いておじさんはびっくりだ。
私にもあんないとけなき頃があってのだろうか、なんて思いながらいい塩梅になってきたので中に戻る。
そこからElmieneという人のステージへ。
これまたソニックなのだけど、毎年ソニックステージのラインナップいいのよね。
それはともかく、腹が膨れたばかりなのでまったり聴く。
所謂ソウル系で、厳つい見た目の割にファルセットの優しい歌声だ。
ちなみに年齢は25くらいらしく、おじさんはびっくりだ。
40をこえてなお貫禄というやつが身につかないぜ…
それはともかく、途中なぜかワンピースの主題歌を歌い、日本は1番来たかった国です!などと言っている。
今年のアクトはみんな同じこと言うな。
それに続いて、なんと藤井風が登場。
知らなかったが、コラボしてたんですね。
やけに人が多いなと思っていたが、ひょっとしたらその影響もあったのかもしれない。
共作の曲を一曲だけ演奏して颯爽と去っていった。
ちょっと得した気分だ。
ライブは最後まで盛り上がり、なかなか心地いい時間であった。
次はまたマウンテンだ、今日はこの往復である。
これまたベテランバンドだが聴かずじまいだったSuedeだ。
イケオジ、ブレット・アンダーソンを、私はバーナード・バトラーと勘違いしていた。
それはともかく、すぐ後ろにいたギャルが、友達らしきにどんなバンドが説明していたのだが、「イケメン、おじさんだけど」と身も蓋もない内容だった。
彼女はMUSEのTシャツを着ていた。
程なくしてライブが始まると、確かにブレットはイケメンだった。
思ったより音も強くて、イギリスっぽくないな、なんて思いつつ2曲だけ聴いて会場を後にし、Corneiusを観に。
ちょうど隙間に入ったので割と前の方で観ることができた。
なんやかんやフェスでよく観ているが、新譜とツアーも控えたタイミングなのでいい機会だ。
映像と同期させた演出はますます磨かれており、音と同期したものようなものもあり、目にも楽しい。
音源ではエレクトロニカな音の響きが音響的も面白いが、ライブではよりダイナミズムさやエキセントリックさが際立つように思う。
プレイヤーとしては一流のバンドなので、さすがの鉄壁な演奏だった。
曲は新旧織り交ぜつつ、新譜の曲はやはりアッパーなものも多く、楽しそうだ。
そして"環境と心理"も半セルフカバーしており、ライブでも定番になってきている。
この曲いい曲よね。
映像演出とハイテクな演奏で、あっという間であったな。
良かった。
そのままソニックに居座り電気グルーヴを観ることに。
これまでは断片的に観たくらいだったので、一度ちゃんと観ておこうと。
幸い中奥の柵付近に陣取っていたので観やすい場所であった。
サポートを2人入れてのライブだが、基本的には卓球が音楽を奏でて、瀧は瀧だった。
ちょこちょこ動いては客を煽りニコニコしている。
たまに歌ったり踊ったりしてニコニコおじさんだ。
あんまり曲名はわからないのだけど、今回は歌ものは殆どなくクラブアレンジとばかりに曲を繋げていく。
バックには不思議でエキセントリックな映像も流しながら、まさに電気ワールドだ。
瀧の歌はあまり聞こえなかったが、あんまり問題ではなかったよね。
しかし、終始楽しかったですね。
終盤瀧が降りてきてまさに柵間を走り抜けてきたので、ハイタッチしてしまった。
さすがとしか言いようのないエンターテイナーっぷりだ。
最後の曲でゲストボーカルが出てきたが、あれは名物的な人なんだろうか。
よくわからないが暴れ散らして幕となった。
こう言う盛り上がり方のライブはこの2日間でも初だったので、観てよかったよ。
楽しかった。
ここまで来れば残すところは後わずか、トリの2組だけだ。
最後どう締めくくるかを最後まで悩んだが、幸い完全被りではないことと御大の時間が思った以上に長かったので、Steve Lacyはフル尺でみてから御大へいくことに。
それでも1時間弱はみられるからね。
そんなわけでソニックに居座る。
この2日間、割とソニックに張り付いているが、全体的にいって好みのアーティストが出てくるのよね。
ラストを飾るのはSteve Lacyだ。
昨年?の単独以来、エクストラは仕事の都合もあって見送ったので、ここで楽しんで起きたいところだ。
そんなわけでかなり前の方でLacy、まあAdoがまだ開演中でバーン先生も控えている。
なかなか厳しい場所だからね、その分熱心なファンが集まったと思ってこう。
以前単独でみた時よりも大世帯で、ギター2人、ベース、ドラム、シンセというバックバンド。
うち1人はアコギを固定して、どうやら二刀流だ。
みたことないスタイル。
少しだけ遅れて開演となったが、主役のLacyは黒の長袖シャツにジーンズというシンプルスタイル、考えてみたら顔をしっかりみたのは初めてかもしれない。
ともあれライブスタート、メロウな曲で始まったのだが、演奏陣はさすがのしっとり感に、Lacyの穏やかな歌声がバチバチに映える。
音楽性としてはR&B、ソウル、ヒップホップといったThe Internetな要素をソロでも感じる一方で、こうして改めてライブで聴くと本当に独特だよな。
歌メロ的にはソウルらしいスイートなメロディだが、演奏自体はめっちゃロックな曲もある。
それに合わせてドラムもラウドに打ちまくり、ギターは荒れ狂う場面もあり、時にギターのみでしっとりと歌う場面もありと、本当に多様でそれがまたよかった。
Lacyも曲によってはギターを演奏しながらだったが、バンドではギタリストでもあったからね。
ただ、ちょっと喉の調子が悪かったのか、一度だけだか歌い直しをしたり、咳払いするような場面や、一瞬だけ捌ける場面も何度かあったので
セトリは新譜中心だったと思うけど、曲調もバラエティ豊かでよかったね。
ラストは本人もギター掻き鳴らしまくって大円団となった。
私は少しだけ早く後方に下がったが、流石に客入りは少し寂しかったが、なかなか贅沢なライブだったな。
また音源もしっかり聴きなおそう。
そこからマウンテンへ向かうとその道すがらで”This Must Be The Place”が!
向かう足はますます急ぐわけだが、なんとか終盤だけでも聴くことができた。
個人的にはこの曲は特に好きて、この曲を主題歌かつタイトルにも据えた映画(本人も出ている)が好きでDVDで今でもたまにみているくらいなのだ。
ライブ中MCというか語りというか、彼が話をする場面が何度もあったのだけどその喋り方がその映画のまんまで、違う感慨もあったりして。
そしてその映画では主人公の旧知の友という設定なのだけど、その主人公から言われたセリフをまさに今日私も感じたのだ。
私が到着したのはもう中盤を過ぎた頃だ。
大きなスクリーンに映像を出しつつ、ステージ上では楽器隊だけでなくダンサーもいるし、MCでは丁寧に日本語翻訳の人もいる。
多分日本だけじゃなくて英語の通じにくい国でやる時にはメンバーのだけかが通訳しているんだろうな。
実際黒人白人黄色人種に、老若男女様々なメンバーがいた。
メッセージも実に現代社会に向けたものであると同時に、他の動物も含めたわかり合える世界を提示するようなものだった。
そうしたメッセージ性もさることながら、曲自体も”Psycho Killer”や”Burning Down The House” なども演奏されて、かなりテンション上がったな。
何よりバーン御大の歌声が変わらなさすぎる。
元気すぎるだろ。
そもそもこの舞台装置やコンセプト、これだけ多くのメンバーを含めた演出なども多分彼が中心で考えているだろう。
先の映画セリフでも「君はまさにアーティストだ」というセリフがあるんだけど、David Byrneは間違いなくアーティストだった。
こうして真摯なメッセージを見ると、彼はいわゆるリベラルだろう。
メンバー構成や、わざわざ翻訳を入れてまで伝えようとしたメッセージは、本物だなと思った。
昨今では狂ったやつの代名詞になっているリベラルというラベルも、きっと彼のような人を本来は指していて、駄々をこねるように自分たちの主張だけを叫ぶ人のことではないはずなんだよね。
ともあれ、ライブは凄まじく、いいものを見たな。
そんなわけで非常に満足度の高い2日間であったな。
今年はStrokesとByrneとSteve Lacyくらいしか目当てがない中だったが、気まぐれに見た新人アーティストはどれもよかったし、ベテラン勢もさすがのステージを見せてくれた。
外れなかったよな、ほんと。
意外と足腰の筋肉は元気だったんだけど、謎の筋の痛みがあ肩と足にありちょっと悲しくなったけど、ともあれすぐ寝ずに酒飲むくらいの元気はまだあるからね。
誰かの書き込みで、サマソニにはイベントとしての愛着がフジロックのようにない、なんていうのがあったが、それについては私も同意だ。
サマソニだからいく、ということはまずない。
見たいアーティストが出ているかどうかが全てなのだ。
でも、それはそれでいいと思うし、むしろそれがサマソニらしいなと感じる。
大体都会のど真ん中であまり非日常感はないし、不便があれば素直に腹がたつリッチだし、飽きたら電車乗って帰れるからね。
そんな環境でフジロック的なものを醸成するのは難しいから、いっそ節操なく流行りのアクトを招聘して、わちゃわちゃして適度に批判されているくらいが都会っぽくていいかもね。
休憩しながら眺めた景色は、なんだかんだみんな楽しそうだったし、他のどの大型フェスより安心して参加できるから中学生くらいの子もお母さんと参加できるだろうからね。
いい二日間でした。