音楽放談 pt.2

ただの音楽鑑賞日記です

小休止232「悪意のない悪意の悪さ」

私は毎週末には自転車で方方を走り回るのが常となっている。

 

今週は土日とも天気は怪しかったが、降水量の予報を見て土曜に遠出することに。

 

午前は絶好調だった。

 

ところが、昼を食べて帰途についてぼちぼち過ぎたその頃に天気は急変。

 

雨粒が突き刺さるような豪雨に見舞われた。

 

ここまでの雨は想定していなかった私は、せめてスマホをできるだけ雨に濡れないようにと多少でも防水の強いバッグにしまったが、所詮その場しのぎであった。

 

なんとなれば、少し窪んだ土地では地表から30cmほどの川になっていたり、そこまでいかないまでも生ぬるい水たまりがタイヤを浸すなど、さすがにここまでの雨は味わったことがないレベルであった。

 

なんとか帰宅できたが、結果的に泥のついた自転車もすっかり綺麗になるくらいだ。

 

しんどかった・・・

 

 

そんな土曜を乗り越えて、日曜は元々もっと具合が悪いのではないかと思っていたので朝イチで映画のチケットを抑えていた。

 

たまに気まぐれに見にいくのだけど、今回見にいったのはなんとちいかわ。

 

ちいかわ自体は当然認知していたが、特にキャラクタものには興味のない私なので、当然世間の温度に対して別に興味はない。

 

しかし、よく聞いているラジオやポッドキャストでも絶賛ではないがなかなか物議を醸していたし、何よりあのキャラクタの見た目に対して話自体はかなりヘヴィだったり皮肉的だったりというのは知っていたので、ボケっとしていてもしていても仕方ないとて見にくことにしたのだ。

 

上記のような状態なので、私は各キャラクタについても基本的な設定についてもほぼ知らない。

 

ネタバレも含むと思うので、その点はご容赦頂きたい。

 

 

まず、思っていた以上にかなり陰鬱な漫画なんですね。

 

事前情報からも、ある種プロレタリア的な世界観なのかと思っていたけど、少なくともこの映画はそういう感じでもなかった。

 

物語は労働の報酬が普段の100倍も得られるというところから主人公のちいかわやはハチワレやうさぎ?などが、人魚の島にいくことになるところから始まる。

 

そこではその島を脅かす存在を討伐することが求められるわけだが、そこで様々な現実にちいかわたちが直面する、という内容である。

 

子供向けのような図柄の割にはだいぶ重たい内容だなというのは前評判通りだ。

 

話の内容自体は別に深いわけでもないし、どちらかと言えば「そういうこともあるよね」というくらいではあると思う。

 

言ってみれば、日本昔ばなしというか、どうしようもない力が突然やってきて、村人たちはそれとうまくやっていた。

 

必ずしも厄災ばかりではなく、相互にメリットもあった中で、村人の一部が感情的に耐え難い事態が起こったとこにより、その神に逆らったことで村全体が厄災に見舞われる。

 

そこは人間的な現実なのでただの天災ではないわけで、そこの間にちいかわ達は挟まれる。

 

その時のちいかわ達の判断が事前に見た色々の書評のポイントだったけど、それ以上にどうしようもない絶望というか、理不尽な暴力には逆らえないという現実がとてつもない絶望感という感じがした。

 

物語自体はいかにもその神に一矢報いたような着地だが、エンドロールの後にそのわがままな神が自分に降りかかった怒りを見過ごすはずがない、という。

 

後味は不安をもたらすし、劇中で語られる神の罰は最後まで本人達に影を落として、最後はやっぱりか・・・という展開。

 

そもそも彼らにも別に瑕疵なんてなくて、弱者がただ踏み躙られただけだし、でも当の強者も別に悪意がないのがタチが悪い。

 

それはそれでただ純粋なのよ、だからこそ悪なのかもしれないが、でも悪じゃないのよ。

 

ただ力を持っていて、周りから見れば怖かったのよ。

 

それと、セイレーンがキレると目が赤くなるのだけど、あのシーンは何回出てきてもなんだかゾワゾワしたな。

 

話の通じない暴力的な奴に出会った時の怖さというか。

 

何をするか割らない感じというか、ああいうのは私は最近すごく嫌な気持ちになるのよ。

 

 

この図柄だけを見て世間でもてはやされているわけだけど、これは多分意図的にやっているから、露悪的というか皮肉的というか、作者のひねくれ具合が半端じゃないと思った。

 

真正面から面白い!と絶賛するような内容じゃないと思うし、かと言って何かの教訓があるわけでもない。

 

ただ物語に出てくる(一部を除いて基本的には)全てのキャラクタが自分の意思だったり価値観とは別なものに翻弄されて、本当に途方にくれるような展開ばかりで、全然楽しくないだろと。

 

ちいかわ側のキャラにも似たようなやついるし、そこまでじゃなくてもわざわざ火に油を注ぐやついるし。

 

エンタメとしては正直悪趣味だなと思った。

 

とはいえ、思った以上に面白かったのは事実だが、でも悪趣味な物語だよ。

 

誰も救われていないんだから、この絵柄と世の中的な支持の中でやるべきエンタメか?という気もするし、でも作家性としてだからこそなのかなという気もしないではない。

 

映画としては特典の効果もあって大ヒットだと思うけど、本当にどんなふうに刺さったのかを知りたいよな。

 

そんなに考えていないのが実態かもしれないが。

 

 

見終わった後も色々と考えながら帰ったわけだが、前日の雨のせいでスマホが故障、一定時間ごとに強制終了と再起動を繰り返すという事態に見舞われたので携帯ショップにて相談、結果新規に買った方がいいという判断に。

 

もちろんショップ店員なのでそういうのは必定だが、いうても今使っているものはiPhone 11、結構おおしてしまったので画面は割と割れているし、バッテリーはすでに純正でないものに交換している有様だ。

 

昨日の雨に晒されて、水没ではないまでも水が滴っていたので、これも潮時というものだ。

 

結局携帯の交換だけで都合3時間以上費やされたのは誤算だったが。

 

夜は酒を飲みながらやろうと思っていた仕事と日向坂の山口パルの卒コンを見ている。

 

エンタメっているのは前向きなものであるべきだよなと本当に思う。

 

鬱なものも個人的には好きだし、なんならフェイバリットはNINという私なので、そういう耐性がないわけではないけど、ちいかわの映画は見ていてずっとゾワゾワした。

 

これはこれでいいけど、何度も言うけど世間の温度感と内容があまりにも乖離しているように感じて、何よりのその状況にゾワゾワしたのかもしれない。

 

普段の話はそんなでもないのかな。

 

ともあれ、なかなかスリリングな土日であった。