音楽放談 pt.2

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小休止11-2「私的サマソニ観戦記 pt.1 vol.2」

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雲行きがいよいよ怪しくなって来た頃、大量のスモークが炊かれ、とうとう証明が落ちる。

スモークの量からして、これは"Somewhat Damaged"の時の始り方じゃない?と思っていたらどんぴしゃり、おもむろに出て来たトレントがスッとマイクの前に立ち、唄い始める。

メンバーも次第に現れ始めると、そらもういきなりテンションマックスである。

この曲で始るときは、決まって唐突に始め、スモークの中から少しずつトンレトの姿が現れるというパフォーマンスをしている。

今回は野外なので、スモークが風で流れてしまったのが非常に口惜しいが、そんなことはともかく、かっこいい。

楽器隊も入った瞬間、ドラムの音に呼応するように場内もヒートアップ。

曲としては次第に盛り上がって行くタイプで、ラストで吐き捨てるように攻撃的なテンションに変わってゆくのがかっこいいのであるが、ライヴアレンジはもっと前半から飛ばしまくる。


"Somewhat Damaged"始まりと言うだけで既にハイになりまくっているのに、次に来たのが"Terrible Lie"である。

「The Fragile」くらいまでのツアーだと、この曲で始めることも多かったので、既にライヴでは定番中の定番。

パフォーマンスも堂に入っており、みんな一斉に「Terrible Lie!!」である。

そんなに激しい展開の曲ではないが、とにかく人の波が凄まじくうごめく。

いわゆる押し合いへしあいの状態である。


その次に来たのが"Heresy"である。

まさかフェスでこの曲をやるとは。

確かにライヴではわりとよくプレイされるが、やっぱりうれしくて。

この曲もまたドラムラインがかっこ良くてね。

「Your God Is Dead!!」である。


続くは"March Of The Pigs"。

この曲で暴れるなと言う方が土台無理な訳であるが、案の定偉いことになっていた。

冒頭での一つの山場であった。

この曲の場合、ライヴだとラストの歌パートのあとに更に演奏が続き、そこが一番盛り上がるのである。

ご多分に漏れず、フェスのくせにコアなファンもかなり居たようで(私もそうですが)、心得たものである。


そして次に来たのがなんと"The Fragile"!!

この曲が聴けるとは・・・涙。

非常に繊細で綺麗な曲であるが、ライヴでも第2の"Hurt"の称号を授けたいくらいの名曲である。

「I Won't Let You Fall Apart」というフレーズが切なく響く。

この段階で少しぐっと来ている自分が居る。

まだ早い!


次ぎに来たのがいわずと知れた"Closer"。

「Downward Spiral」中でも独特のムードを持つ曲で、当時世界中のラジオで「I Wanna Fuck You Like An Animal」という衝撃的なフレーズが響いた。

ライヴでも赤いライティングが非常に映える絶妙な曲である。

音源だと終わりの部分が囁いている程度なので、ほとんど聞こえないがライヴではかなりはっきり唄うのでよく聞こえる。

うん、文句ねえよ。


次に来たのがピアノが不気味に響き緊張感を煽る”The Frail”。

この頃ちょうど雨が降り始め、この曲が終わる頃には雷を伴い強く降り始めていた。

なんという演出。

神か?なんて思わず思ってしまう。

この曲に続くと言ったらもはや言うまでもない、と思いきや、ここでMCを鋏んで突入したのはなんとDavid Bowieのカバーであった。

アレンジは"The Wretched"のようなボトムの効いたものであったが、やや肩すかしを食った気分であったが、聴いているうちにそんなことはどこかへいってしまった。

曲名はわからないが(”I'm Afraid Of Americans”というらしいね、今度チェックしておこう)、かなりNINの世界観にハマっていたし、アレンジがかっこいい上サビの部分がキャッチーでもあるので、雨も伴って完全にかっこ良かった。


雨はやむどころか、その勢いをますます増して行く。

そこへ来て”Burn”である。

この曲の歌詞にも相当やられた覚えがある。

「This World Reject Me」という部分、そこから「I'm Gonna Burn This Whole World Down」という所までの流れが最高。

そのあとの轟音ギターと意外と淡々と響くドラムがやばい。

90年代のトレントの世界観がものすごくストレートに現れている曲の一つではなかろうか。

モッシュとかそんなんじゃなく、とにかくメチャクチャにオリャーーーー!!となる。


このハイパーキラーに続いて”Gave Up”である。

死ねッつうのか、と思いつつも「Wake Up In Flame」という下りが「Broken」というアルバムの一つの象徴でもあるように思う。

やっぱりキャ=====!となっている。

段々分けわかんなくなって来ている自分に気がつく。

そしてついに来た"Wish"である。

やっぱり死ねってことか、よかろう、死んでやるぅぅぅ!!などと一人で内心騒ぎ立て、「This World Full Of You」である。

「Fist! Fuck!!」もばっちり決まった。

それにしても、トレントは本当に変わったよな、あんなに煽るなんて・・・なんて感慨。

もっとも私はライヴではイケイケトレントしか知らない残念な男ですが(涙)。


そこへ指して"The Big Come Down"である。

前回単独のときに聴いて、なんたらかっこいいのかしら、と思った訳であるが、また聴けてうれしかった。

う~ん、「The Fragile」の曲が一杯で実にうれしい。

先日も書いたが、私はあのアルバムが一番好きなのですね。

バリバリな曲の合間にちゃんとこういうスローな曲を挟んでくれる。

わかっている、わかっているよトレント


ライヴはまだまだ続く。

いよいよラストが近づいている訳であるが、雨は未だやまず、そんな中での”Survivalism”。

正直既に疲れ始めて居る感のあるクラウド

それにしても、結局「The Slip」からは1曲もなさそうである。

やはりというか、彼にとってもあのアルバムはおまけのような存在なのかもしれない。

この曲の独特のリズム感は実はかなり乗りにくい部分もあるけど、ライヴではよく演奏される。

個人的にも好きなので、素直に盛り上がる。


そしてここ最近一番のシングル曲にして、トレントの精神的変化を世に知らしめた"The Hand That Feeds"である。

やや疲れ始めていた客も、また元気を取り戻しつつももはやモッシュはない。

と言うよりもアレを期待していたのかもしれない。

もうじき終わってしまうのか、と思うと切なくも、テンションはここ数年ないくらい上がっている。


"The Hand That Feeds"の大円団の後は、いよいよ名曲”Hurt”であった。

一気に静まりかえる場内。

一部外人がせっかくの空間でペチャクチャしゃべっていて耳障りであったが、また別の外人がそんな奴らをにらむ。

やっぱりステレオタイプはいけない。

しかし、さすがにしばらくしたら静かにして、曲も盛り上がる。

雨も次第に納まり始めており、ラストのギターが入る頃には場内は一つである。

このばかでかい空間でもその音を響き渡らせるトレント(およびスタッフ)の手腕はさすがである。

やっぱり格が違う。

思わず目頭が熱くなる。

こういう経験はないなぁ、これが最後か・・・などと思いながら聞き入る。

そしてついにこの曲も終わってしまうと、バックライトがパッと光る。

そして次の瞬間には既にステージ上にトレント達の姿は無く、Nine Inch Nails最後のライヴは終わってしまったのであった。