今年も気がつけばまもなく11月というところに来ている。
なんともはや、時の流れという奴は節操がない。
何をそんなに慌てているのか。
なんて、そもそも「時」、もしくは「時間」ってのは奇妙なもので、一体何者なのでしょうかね。
物理学の世界では時間はある最小単位に分割できるとか、時間を規定する粒子を探しているとかそんな話を聴いたことある気がするが、とするとある種の実在という訳か。
しかし、感覚的に時間は概念的なものであると言われる方がしっくりくるな。
昔えらい物理学者か哲学者が、「時間とは関係性である」なんてなことを言ったそうだが、なるほどそれなら何となく納得できる。
もっとも理解できた訳ではないけどね。
要するに時間て奴は大事にしたい、という話である。
で、今年も随分とうれしい新譜たちが出て、借りたり買ったりして随時入手してきた。
もはやどこからが今年の話かがいささか心もとないが、先日Charlotte Hetherleyも出たし、Maximo Parkも出て、Horrors、Eagles Of Death Metalも出て、Cursive、Arctic Monkeys、Prodigy、Yeah Yeah Yeahs、Lily Allen、マンソン、Animal Collective、そしてAA=なんかが出た訳である。
とりあえず買った奴だけでもこれだけある。
その他邦楽系でもBack Drop Bombはベストなんか出したし、Boom Boom Satellites、Doping Pandaなんかも出したね。
結局買ってないけど、Tortois、Kasabian、Super Furry Animalsも出したし。
こうして見ると極めて充実している。
興味こそあれ買うに至っていないというものも含めると、多分もっと一杯である。
毎年なんだかんだで年末を迎える頃にはこうしてその年のベストについて思いを巡らせる訳である。
後々困らない為にも、出来る限り漏らすことなく揃えて行きたいものだ。
で、先月くらいにようやく買ったのが、Black Diceである。
誰だよ?という人の方が多いであろうこのバンド、元はLCD Soundsystem要するDFAにいたが、今はアニコレ(アニメコレクションの略ではない)のレーベルにいるそうだ。
アニコレ、Gang Gang DanceとともにNYアヴァンポップの一角という認識であるらしい。
しかし、過去の作品を聴くにつけ、前2者よりも明らかにハードルの高いであろう音楽性。
そもそもこれは音楽なのであろうか、という話まで出てきそうだが、私はこれが好きである。
なぜかはわからない。
しかし、この訳の分からなさがなんだか良いのである。
メロディなんていう概念を知らないのではないか、と言うくらい意味不明なノイズの集合体。
ビートすらないような、ただ漠然と、なんとなく音が鳴っており、音楽っぽく聞こえる箇所がある程度。
こいつらのイメージと来たらこんな感じであった。
ところが、最新作はポップになった、と専ら評判であったので、いかな変化をしたのかと楽しみにしていた。
できれば中古の方が安いから、といって待っていたのであるが、見事新品が中古に方落ちしていた。
ラッキー。
やっぱり売れないよな、これは。
おかげで私のような変わりものが喜ぶのである。
ちなみにこのバンドくらいになると逆に中古では見つからないのである。
そもそも買う人がいないから。
買うとしたら、はなから売ろうと言う気がないような奴だろう。
ともかく、発売から半年近く経ってようやく手に入れた訳である。
で、聴いてみたのであるが、びっくりした。
非常にポップになっているではないか!!
もっともポップになった、といっても、あくまでこいつらにしてみれば、である。
相変わらず、がちゃがちゃと無闇な感じにノイズが鳴っている。
しかし、今回はかすかにメロディっぽいものがある曲はあるし、ビートっぽい曲も。
そもそも曲と呼べるトラックがあるのである。
これは実に聴きやすくなったものだ。
別に皮肉ではないぞ。
今年出たもので、更に私が買ったものの中で後悔したものは今のところない。
強いて上げればマリリンマンソンくらいか。
アレは買って1週間くらいで聴かなくなって、それ以来i-Podへも復帰していない。
正直、つまらなかったな。
ともあれ、基本的には一定以上の満足は満たしてくれたし、中にはキャリア最高と呼べるものを出したものもいて、やっぱり充実である。
まだ残り2ヶ月で期待しているのが、Nine Black Alps(もうアルバムは出来ているのに)、Foals(情報は皆無だが)、Jullian Casabrancus(綴りあってるか?)のソロ、Script(新譜は欠かさずチェックしている数少ない日本人)あたり。
あとはスマパン、Ashがネットで音源の無料配布を行っているので、これらも随時チェックしてゆきたい。
来年の話もそろそろ耳に入る時期になってきて、また心躍る年末年始を迎えたいね。