音楽放談 pt.2

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小休止15「ライヴへ行こう pt.2」

先週末は、幕張メッセエレグラを見に行った。

かのテクノレーベル、Warp主催のフェスである。

個人的には史上初のオールナイトイベントという事もあり、ちょっとドキドキな感じであった。

今回のお目当てはなんと言っても!!!とBatllesの2つである。

レーベルの中ではロック色の強い二組な訳で、単独も含めまだ見たことがない、しかしなんとしてもみたいと思っていた2組である。

その他にも今話題のFlying Lotusや、Clark、映像でも有名なCrist Caningum、そしてブルーハーブO.N.O.なども参戦するなど、メンツは超豪華。

ちなみに個人的にはあまり心ひかれなかったが、その他にもHadson Mohowk、Rei Harakami、Andrew Wetherwall、そしてLFOなど、好き者にはたまらないラインナップなのである。

あとTanaka Humiyaさんも有名よね。

綴りはちょいちょい違うかもしれないが、すごいのは伝わるはずである。

個人的には未だ単独の報もないMaximo Parkあたりにも期待していたのであるが、残念ながら来なかった。

ともあれ、上述2組に更に外れなく良いものが見られるだろう、という訳で。


私が現地へ着いたのは既に開演始った10時過ぎ、!!!をまず見られれば、と思ったのですね。

正直言って普段からそんなのにテクノ系って聴かないから、あまり楽しみ方がわからないというのもあるんだけど、しかしま、要するに聴いて楽しいかどうかだけなので、大した問題ではないが。

で、とりあえず軽く腹ごしらえをして、待ち中にHadsonを見る。

うん、なかなかええやん、などと言いつつ、出番10分前くらいにはクラウドの中へ。

今回のイベントはさすがテクノ系フェスと遭って、アーティスト間の待ちが非常に短い。

タイムテーブルでは実質ゼロで組まれているので、スタッフもさぞ大変であったろう。


そして待ちに待ったり、登場。

ヴォーカルのニックは今日は長パンにジャケット何ぞを着ている。

寒いからね。

しかし、ライヴは始って早々尋常ではない熱量を発し始める。

このバンドは、テクノ系レーベル所属のくせにやたら音楽は汗臭い。

汗臭い、というとやや語弊があるが、ムンムンと湯気が立ち上るような熱気を帯びているのである。

テンションが凄まじい、という方が良いか。

CDは結構聴き込んでいたが、それでも特に序盤は何の曲なのかが今一わからなかった。

これかな?というのはすぐ浮かぶんだけど、演奏はほとんどジャムのような状態で、曲を演奏するというライヴではないように思われた。

それゆえ、"Heart of Hearts""Must Be the Moon""All My Heroes Are Wired"あたりはかなりちゃんと曲と判別できたし、彼等を一躍一番手に押し上げたアルバムからの代表曲とあって盛り上がり方が違ったな。

人も一気に流れたしね。

ステージの彼等もテンションが上がったのか、黒人さんのシンガーと共にニックも独特の踊りを。

それにしても、黒人さんの声って、やはり生来パワフルなのだろうか。

声量が強い。

で、現在製作中という新譜からも何曲か披露したのであるが、2曲だったと思うけど、どちらも良かった。

感触的には『Louden~』に近いかな、とも思ったけど、いい感じで成果をのばしているような印象かもしれない。

前回のような飛躍という感じではないだろう。

ところで、私のちょうど目の前にいた客の事なのだが、リズムを取るでもなく、ただ腕を組んで仏頂面をしている。

せっかくのライヴだし、好きだからこんな近くにわざわざ来たはずなのに、一体なんなのだろう。

むやみやたらに暴れる奴も邪魔臭いが、かといってこうして棒立ちにいる奴もそれはそれで興ざめである。

ま、楽しみ方はひとそれぞれだけどね。


熱狂のステージが終わると、これまた客が動く。

もう一方のステージではいままさにClarkが始ろうとしている、そんなタイミング。

私も人目は見ておこう、と思って移動。

既にかなり人がいて、ステージ後方までぎっしり。

さすが話題の人である。

着いて早々に始ったのであるが、なるほどバキバキで攻撃的なサウンドがいかにもかっこいい。

友人が大好きで、話には聴いていたが、たしかのその友人の好きそうなタイプである。

蓋し、わるくない。

とは言い条、次に控えるBattlesの為にも体力温存とすこしの休憩が欲しく、ステージをあとに。

まあ、人が多過ぎて我慢できなかった、というのが本音である。

フェスに来といてこの言い草、人間性を物語っているというもんだ。


それはともかく、元のステージに戻るも案の定スカスカ。

既に酒を飲み過ぎてグデグデの奴もいて、一体何をしにきたんだろう、と思ってしまう。

8,500円もするんだぜ、このフェス。

まあいいんだけど、隅っこに座りながら待つ事に。

しかし、重低音が強過ぎて体にびりびりと音の振動が伝わる。

衝撃波でも受けているかのよう。


Battlesの時間が近づくにつれ、人の量も徐々に増え始める。

とりあえず、という人はやはりClarkに流れていたのである。

で、ステージが始る。

基本的には『Mirrored』からの曲をアレンジしながら演奏してゆく。

かなり貯めて貯めて、という展開が多い。

このバンドの要はなんと言ってもドラムである。

奇妙に高い位置にあるシンバルが目を引く。

シンプルながらも細かなフレーズを打ち続けるドラミングが、このバンドの曲に機能性を与えていると言っても過言ではあるまい。

おそらく曲数は10曲もやっていないだろうが、シングルになっている曲は概ね盛り上がる。

意外というか、思った以上にダイヨンが客を煽っていたのが驚いた。

というより、ライヴ通してやたら上機嫌な印象だったが何だったのか。

ひょっとしたら酔っぱらっていたのかもしれない。


一方で、特に"Race In"で顕著だったのであるが、演奏全体を彼が統制している為か、イントロのドラムを恐らく5分以上は打たせっぱなしにさせてみたり、他の者に入るタイミングを指示したりと、結構コントロールフリークな印象もあったな。

溜まらないのはひたすら叩かされるドラムのジョンである。

あの曲のイントロは聴いた人ならわかるが、コンパクトなドラムを高速で打つので、かなりしんどいはずである。

実際何度か耳打ちして、少しもめている風にも見えたし。

何度もドラムキットから腰を上げていたしね。

そしてアンコール?にははじめのうちジョンがいなかった。

途中で出てきたが、仕方ない、とばかりにも見えたしね。

まあ、そんな事もありつつであるが、ライヴそのものは良かった。

正直もう少しマスロックのこれぞ、という構築性をライヴでも遺憾なく発揮して欲しかったが、会場のせいもあってか、思ったほどでもなかった、というのが正直な印象である。

よかったんだけどね。


これで一通り見たいと思っていた奴は終わった。

時刻は既に深夜2時過ぎである。

あとはとりあえず見るか、程度であったので、どうしようかと迷った挙げ句メシを喰う事に。

少しずつ寒くなってきていたんですね。

しかし、フードコートは外にあるので、待っている間がとにかく寒い。

一応しっかり着込んで行ったのであるが、それでもずっと外にいる事を想定していた訳ではないので、長時間になるとやっぱキツいの。

同じように考えたものも多かったせいか、値段の割に量も味も大した事ない丼もの一杯をもらうのに30分以上かかった。

さ、寒い。

半ば凍えながらメシをかき込むと、少しだけホットに。


改めて中に入って、Flying Lotusをチョロ見。

しかし、既にその時眠気と寒さで著しくテンションを下げていた私は、演奏に集中できず、むしろ寝たい願望に襲われた。

始発までもまだ時間があるので、帰るに帰れない、しかし寝たい。

そこで、思い切って床で寝てしまおう、と都合の良さそうな場所を探すも、良さげな場所には既に死体の如きがゴロゴロと横たわっている。

苦労してやっとこ見つけた場所は、ライブ会場の外。

漏れいずる音に耳を傾けつつ、夢現

・・・ていうか床が冷たくて、とてもではないが寝られたもんではない。

何故皆平然と寝られるのであろうか。

しばらく横たわっていたのであるが、結局溜まらず起きてしばしウロウロ。

時計を見やればいつの間にやら良い時間。

という訳で会場をあとにし、帰りの電車の待つ駅へ。

バスが走っていない関係上、やや遠回りのルートを取ったのであるが、それにしても、暖房器具はありがたい、などと思いつつ。


家について、風呂に入って、ホット一息。

一発ヤッてから寝たのであるが、どうにも調子が良くない私。

どうやら風邪を引いてしまったのですね。

月曜日は休日なのに出勤。

今日ももちろん出勤。

車で移動中、何度か意識が途切れそうになったが、回復の兆しである。

ああ、寒かった。

楽しかったけどね。

でも、オールナイトはもう良いや、と思ったのでした。