先週末土曜日、今年のライヴ初めとてYeah Yeah Yeah'sのライヴへ。
一度は観たかったバンドであったので、これは良い機会、とて取ったのですね。
会場は品川のプリンスホテル脇の、なんていうんだろう、映画館なんかも併設された施設。
さすがYYYs、こんな会場でも特に違和感なく小洒落た感じがよく似合う。
いわゆるアートパンクなどと呼ばれることもあった訳であるが、音を聴くと特に初期ほどザラザラしていて、上品さはない。
でも、それがかっこいいんだけどね。
まあそんな事はともあれ、客層をみると実に幅広い印象を受ける。
いかにもロック好きそうないかつい兄ちゃんもいれば、オサレな女子も多数見受けられる。
このバンドの大きな魅力の一つは、ヴォーカル/カレン・Oのカリスマティックな佇まいがあるだろう。
普段はおとなしい感じの綺麗な人なんだけど、そのパフォーマンスは圧巻の一言。
ヴォーカル自体もいいし、とにかくパフォーマーとしての資質が極めて高い。
また、脇を固めるギタリスト/ニックも実はなかなかのイケメン(この言葉嫌いだけど)で、かつテクニックはインディ界随一という腕の持ち主。
ライヴではサンプリングも駆使しながらプレイするその姿は、かっこいいぜ。
ドラムのブライアンは、正直地味で、いかにも文系男子な雰囲気で、二人と比べると華はない。
しかし、かなり力強いドラムを打つので、特に3人編成のバンドにとってはサウンドの要とも言える。
もともと臨時雇われみたいな形でバンドに参加し始めたそうだが、今やなくてはならない一人である。
と、まあお粗末なバイオグラフィーはこの辺で、ライヴの噺をしよう。
細かなセットリストは他のサイトを参照していただくとして、まず感想を言うと、めちゃくちゃよかった。
いやぁ~結局そうなっちゃうよ、実際観たら。
シンプルなステージセットながら、カリスマとはかくありきを証明するかのようなカレンの姿はやはり目を奪われる。
近くの女の子からも「かわいい」という声がしきりに飛ぶ。
ライブ中何度か衣装チェンジもして、ステージ上をとにかく動き回る、くるくる回る、飛び跳ねる、など、そのアクションも実にダイナミック。
観客を煽れば見事に動く、そりゃ動くよ。
かなり客席に接近する場面もあり、前方を確保できた人はいい体験が出来たんじゃないかな。
肝心のヴォーカルも声はよく出ていたし、なにより終始にこやかで、MCもかなり饒舌(何を言っていたのかはよくわかんなかったけど)で、それを観ているだけでも楽しくなるような。
そして、ギターのニックにしても、細かなフレーズからダイナミックなフレーズまで、見事にはじくし、ブライアンも力強いリズムをたたき出す。
ほんと、ドラムが思ってた以上にどすんと来てびっくりした。
やっぱり地味ではあったけど。
それと、ニックの弾き方というか、雰囲気が、Foalsのヤニスとちょっとかぶったりもしたけど、やっぱりかっこ良かった。
今回はもう一人、シンセ要員がいたのであるが、彼はあくまで演奏に徹していたのが逆にプロフェッショナル。
新作ではやはりこういう構成でないと再現は出来ないか。
で、セットリストとしては、代表曲はほぼ網羅して、新曲からもかなりやったので、ある意味現時点でのベストと言えるかもしれない。
特に1stからの"Maps""Y Control"、2ndからの"Cheated Heart"あたりもやってくれたのはテンション上がったよ。
個人的にはもう少し情感豊かな"Maps"を聴きたかった気持ちもあるが、カレンもテンション上がりすぎた感があったので、まあよしとしよう。
思ったのは3rdの曲はライヴで聴いた方が遥かにいい。
CDだと(私はCDを買う人です)やや物足りなさも感じたが、ライヴではどの曲も実に生き生きしていて良いのである。
特に"Zero"では、会場に目玉の風船が舞うなど、そうした演出も功を奏して、本当にライヴ映えのする曲だと感じましたよ。
あの曲には負のフィーリングが全くない訳だけど、その感じがライヴでも明確に現れていて、今のバンドの状態の良さを物語っているようにも感じた。
と、まあ全体的には一言で言えば、メチャクチャ良かったの一言に尽きるんだけど、個人的には"Isis"も是非聴きたかった(このEpからの線曲はゼロでした)ので、そこだけが唯一の心残りではるが、今年一発目にしては贅沢すぎるほど良いライヴでした。
土曜日ということもあり、会場入りまで焦らずにすんだし、実に良い時間を過ごしました。
やっぱりこのバンドはすばらしいね。
せっかく画像で2ndを載せたのであるが、今回はレビューなし。
むしろ、このアルバム当時の緊張感あふれるバンド状況など微塵も感じさせない良好な状態を見られたのが、一番うれしかったのかも、しれないねぇ。