音楽放談 pt.2

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狂おしいほどの夜には ― The Rapture

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今年、とうとうLCD Soundsystemが活動の休止を宣言して、最後のアルバムがリリースされた。

前作ほどのポップ感もなければ1stのような尖った感覚もないけど、クールでかっこいいし、さすがという所を見せつけたような作品である。

現在来日としてはフジロックのみであるが、単独も引き続き期待したい。

そんなLCDの頭脳といえば、言わずと知ればDFAのドン、ジェームス・マーフィーである。

彼がプロデューサーとして注目を集めるようになったきっかけとしては、やはりRaptueのプロデュースであろう。

ディスコ・パンクなる用語まで生み出し、J-POPにも一時期やたらとリズムなどでその影響が顕著であった。

今はガガだけど。


時期的にはポストパンリバイバルに湧く2000年から2~3年後くらいだろうか。

すでにロックの新しい潮流がシンクロニシティ的に芽生え始めていたまさにその最中、一気にその名を知らしめたのは、彼らの代表曲"House Of Jelouse Lover"の力が大きいだろう。

今改めて聞いてみると、ジェームスが唄っていても不思議でないようなヴォーカルラインが印象的である。

とにかくハイにさせてくれる。


とかく彼等に関してはこの曲が注目を集めがちだけど、アルバム自体にもDFA的色合い、特にジェームス色を見て取る事が出来るように思う。

曲のアレンジはもとより、曲順とかアルバムとしての出来具合など、LCDでも見られるような流れがあちこちに。

それもそのはずで、もともと「こういう音楽を作りたい」という願望を形にする為にRaptureの面々と組んだ訳であるから、そこに彼のカラーが色濃く出るのは当然だろう。

ただ、私はあまりこのバンドのバイオには詳しくないのでよくわからない部分もあるんだけど、曲作りなどには 少なからず示唆であったり方向性を与えているのだろうか。

というのも、特にヴォーカルラインにすごく色が出ていると思ったからである。

あの狂おしいまでの熱狂を口を目一杯明けて叫んでいるかのようなヴォーカルは、モロじゃん、と思ったからである。


まあ、そんな細かいことはいいとして、とりあえずこのアルバムはすごく良い。

1曲目はやや夜の雰囲気をたたえた奇妙な緊張感がある一方で、2曲目の肩の力の抜けたような「1、2、3、4・・・」である。

アルバム通しても、聞いていてだれないし、踊りだしたくなる高揚感である。

やはり"House Of~"あたりはそのピークであって、思わず体が動いてしまうくらいツボである。

ラストはややダーティというか、冒頭と同じく不穏さもある夜のような、むしろ未明くらいの風情かもしれないけど。

それがアルバムとしての物語性をさらに際立たせているように思う。

彼等が”ディスコ”パンクと呼ばれた所以もその辺りにあるのではないだろうか。


彼等は4年くらい前に2ndを出している。

この段階で既にDFAとは手を切っており、アルバムの印象も若干違う。

曲個々ではこちらの方が力作は多いだろう。

よりバンド的でもあると思う。

一方で、アルバムとしてははっきり言ってよくない。

特に後半がダレて仕方ない。

曲が悪いというよりも、展開の持って行き方が個人的に合わないだけかもしれないけど。

アレンジ的な部分でも、隙間を存分に活かしたような前作に比べれば、気持ち密度高めに感じる。

完成度、という点からすれば、前作の方が高いような気もするが、まあいいだろう。


ここ最近は、メンバーの脱退(確かヴォーカルだった気が)の報以外が特に音沙汰がない。

今どうしているのだろうか。

Raptureとしてアルバムを出すのか、既に解散しているのか。

一応公式ページは機能しているので、後者はないだろうが、仮に出したとしてもかなり印象は変わってくるだろうね。

ともあれ、変わるのなら過悪で、それはそれで面白い気もするので、気長に待ってみるのもいいだろう。

そういえば、メンバーの誰かが最近、誰かの作品(忘れた・・・)にゲスト参加していた気がする。

今はソロ活動中なのだろうか。