音楽放談 pt.2

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音世界の構築 ―These New Puritans

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昨日は思ったよりも仕事を早く上がれたので、当初諦めていたThese New Puritansのライヴへ直行。

遅刻ではあったが、とりあえず間に合った事にしよう。

着くと、2ndからの曲が演奏されていた。

ホーンなども導入した新機軸な新作は、全開同様ビートに比重を置きながらも前作とは異なる世界観も提示しており、正直まだ解釈しきれていない。

印象としては、非常にダークで呪術的なのは相変わらずなんだけど、不思議と暗うつではない。

それどころか奇妙な安らぎさえ感じる場面もあり、どう表現したものか。


前半はゴゴゴゴ!!というジョジョの効果音的な曲群で、中盤にさしかかると静かな感じ。

後半はややもすれば壮大感すら有るのである。

それほど複雑に音のレイヤーを重ねる訳でもないし、テクニカルな印象もない。

とにかくアイデアとセンスで作ってみました、という印象なのだけど、それでここまでの世界観を提示できるのは見事という他ない。

特に同世代のバンド群と比べても、かなり特異なバンドであるのは間違いないだろう。


このバンドは双子の兄弟を中心に結成されており、わりと美形(というよりはムードがあるだけというのが個人的な感想)で、モデルなんかもしている。

最近ではユニクロのモデルもしているのだとか。

もしや、と思っていたけど、やっぱりそうだったらしい。

その他、ディオールだかのキャンペーンともタイアップかなんかしていた気がする。

色白華奢で、やや病気的で影のある雰囲気が、ある種の女性層に強い支持を受けているらしい。

普通、この手の活動をバンドのフロントマンがやっていると、批難を浴びやすいし、違うんじゃね?などと言われるだろう。

しかし、このバンドについてはいいんじゃない、と思えてしまう。

そもそも音楽活動自体に執着している訳ではなく、あくまでヤリたいと思う事、表現しようとする一手段として音楽という手法を用いているだけ、みたいな感じがするのである。

今回のライヴでも、なんというか、他のバンドとなんか違うのである。

曲を演奏しているというよりは、音空間の構築を目指しているような。

うまく言えないけど、そもそも目的が違う感じがしたのである。


で、ライヴの話に戻るけど、1stアルバムタイトルを「Beat Pylamid」などと名付けただけあって、ビートオリエンティッドというか、ドラムがとにかくすごい。

ステージ上に鎖を垂らしたものを置いてあったり、楽器以外のものが多いのである。

まともに演奏しているのはドラムだけ、みたいな。

ヴォーカルもリバーブかけたりリフレインさせたりで、あくまで音の一要素という感じ。

打ち込み部についても音響的な事を一番気にしているかのようにステレオスピーカーを駆使していた。

会場の成果、所々に調和しきっていない印象もあったが、なんか異空間で面白かった。

意外とヴォーカルがよく動くし。


それにしても、こうしてライヴになると圧倒的な世界観を持っているのは2ndで、広く受け入れられるのは1stだと言うこと。

曲ごとにみても、"Elvis""Sword Of the Truth"あたりは非常に盛り上がる。

特に"Elvis"はすごかった。

ちょっとアレンジがかわっていたが、リズムやギター、ヴォーカルラインが彼らの楽曲の中ではずば抜けてポップである。

勢いも有るから、それは盛り上がりました。

ちなみにやったのはアンコールでしたが。


と、まあCDとライブを混ぜこぜに書いてしまったが、ある意味でこのバンドは一貫している。

世界観もなにも独自過ぎて、受け入れられない人もかなりいるだろう。

実際雑誌での評価はかなり高いにも関わらず、チケットは全く売れなかったみたいだし。

多分私が最後くらいに入ったはずなんだけど、チケットはぴあの余り券みたいで、番号は560番くらい。

会場がDuoだったので、キャパ的には1000弱くらいはあるはずだから、6割未満だったと言える。

前回Horrorsの時と比べても、単純に密度が違ったし。

ただ、どちらも女の子ファンが多い印象が有るのは、やはりヴィジュアル面の影響か。

ともあれ音楽自体も、どちらかといえば、女性的か・・・んなことはないか。

まあ、いずれにしろ良いライヴだった。

あんまりみた事ない感じのライヴで、それだけでもよかったよ。

ただまあ、遅刻して、飲みもしないドリンク代込みで6000円は、やっぱりちょっときつかったな。

まあ、いっか。