音楽放談 pt.2

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「君はだれなんだ」を唄う奴は誰なんだ ―けものがれ、俺らの猿と

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私の好きな作家に町田康という人がいる。

INUの人、と言ってピンときた人は仲良くなれるかもしれない。

そんな彼の小説は、非常に不条理で唐突で、はっきり言って無意味な事が多い。

ドタバタがあって、散々人を振り回してポッと突然終わってしまうのである。

主人公は概ねダメ男、基本的に人生の落伍者のような奴ばかりである。

そんな主人公が一念発起して何かを始めようとするのであるが、その道程で様々な奇人変人に振り回されて、日常の中にぽっかり空いた異空間に迷い込んでしまうような、そんなものが多い。

意味不明な展開も多いが、独特の文体と語り口で、気がつけば読み切ってしまう。

勢いが良いんですね。

文章においてこういう勢いを感じると言う経験自体が余りなかったので、余計にハマったのかもしれない。

音楽をやっているだけあって、リズムも良いのである。


そんな彼の作品の中でも、殊更不可思議な小説と言えば、「けものがれ、俺らの猿と」ではなかろうか。

実は映像化もされており、主演は永瀬正敏

他のキャストも何気に渋い。

Dragon AshのKJも出ている。

個人的な最優秀賞は鳥肌実だが。

あのキレキレの奇人っぷり、ヤバさは半端じゃない。

怖いもん。

ファンは是非一度は観てほしい作品である。


で、この映画はサントラが非常に渋い。

参加アーティストはNumber Girlゆら帝ASA-CHANGbloodthirsty butchersなど、日本ロックの尖りどころ満載である。

劇中に流れるのを聴くだけでも痺れる。

だが、そんなすごい奴らの中で、私の心をとらえたのは「吐痙唾舐汰伽藍沙箱」という人。

なんて読むのかもわからないが、調べると1枚だけ音源が出ているらしいが、既に廃盤、幻の音源と言っても良いかもしれない。

ちなみにバンドみたいなんだけど、加藤和彦も参加している。


で、何故この人が気になったかと言うと、その歌詞である。

「君は~だれなんだ~」というフレーズがやけに耳を惹く。

また、この曲が使われているのが、先にも触れた鳥肌実の登場シーン。

奇妙な鳥肌のキャラと、ゆったりとしながらどこかエキセントリックなこの曲が余りにもマッチしているのである。

穏やかなフォーク調の曲なんだが、明らかに普通の曲じゃなくて、変な曲なのである。

さすが加藤和彦が参加しているだけは在る。


先日このサントラを買ったのですが、良いですね。

聞き所が満載である。

ようやくフルコーラス聴いた「君はだれなんだ」も、やっぱり良かったです。

こういう奇妙さを持つ曲に惹かれる私は、少しばかり病んでいるかもしれない。

Need Therapy。