
ロックも多様に多様を極めて、ある程度以上ロックと呼ばれる音楽を聴く人であれば在るほど、ロック的な音楽と言うもののイメージは曖昧なものになっているのではないだろうか。
音楽雑誌も、段々ロックと言う言葉にこだわらなくなってきている。
Lily Allenとか、いわゆるポップスターもしばしば顔を出すようになっているしね。
一方でロックとロックンロールを一生懸命区別しようとしている所も在るが、それはもはやこだわりの域であって、一般的な意味を持っていないだろう。
とは言うものの、聴いていてこれはロックとしか呼べないな、という音楽はもちろん在る。
例えば、Ash、Foo Fightersなんかは私の中ではそんなバンドである。
理由は、と言われるとうまく言えないが、ロック以外に良い言葉が見つからないと思うのですね。
どちらもそこまで変わった事はやっていないはずなんだが、唯一無二のバンドである。
今の時代にはいるようでいない存在である。
単なるリバイバルでなくて、あくまで現代的な価値観を感じられるとが重要である。
そんなバンドの一つが、今年フジロックにきてしまうQueens Of The Stone Age。
数年前サマソニに来ると言われたが結局来なかった、例のバンドである。
私はこのバンドが大好きで、事前情報を知って狂喜したのに、結局来ないです、と発表され(厳密にはされた訳ではないが、なにせそもそも正式には発表されなかったから)、発狂したものだ。
昨年はThem Croocked Valturesとしてやってきたがフジだし、単独平日で行けなかったし。
そもそもQOTSAでないし。
やっと来ると思ったらフジだし。
ちくしょー・・・。
いけない、つい愚痴っぽくなってしまった。
それほどに大好きでお慕いしていると言う事をご理解いただきたい。
さて、そんなQOTSAであるが、今の時点での最新作は、4年前に出された『Era Vulgaris』である。
トレントやジュリアンも参加して話題になった(他にもGarbageのシャーリーなども参加していた)が、そんなことは関係なく素晴らしいアルバムであった。
各誌のレビューでは「敷居が高い」と評されていたが、そんな事はないだろう。
まあ、かなり渋い展開のアルバムではあったが、シングルとなった"Sick, Sick, Sick"はじめ、得意のギターリフが冴えまくりのアルバムであった。
目下最高傑作との呼び声も高いアルバムとなった訳である。
そんなQOTSAの記念すべき1stアルバムが、今年になってようやく再発された。
数年前ネットで注文したら、既に廃盤、在庫なし、みたいな連絡がきてガックリきたものだ。
ライブ版などでは聴いた事のある楽曲もあったが、やはりアルバムを聴きたい、何故ならアルバムリスナーだから。
そんな私の期待に応えるべく(と言う訳ではないだろうが)、再発と相成った。
そして私は狂喜したのである。
早速購入して聴きましたね。
いや、実にクール。
音楽的には、まだQOTSAというよりはKyussに近い印象であった。
というよりも過渡期的な印象と言うべきか。
ポップさは既にあるものの、何処か手探り感というか、明確なものが示しきれていない印象である。
元々デザートセッションなど、ジャム的な音楽もやっている人なので、そういう空気が色濃い為、そういう印象になるのかもしれないが。
でもま、かっこいい事は変わりない。
ここから『Rated R』への飛躍と言うのは見事である。
Rの前にこのアルバムがあったのかと思うと、感慨深いものもある。
彼等を”最高のロックバンド”と評する声は、実は同業者から多い、いわゆるアーティストリスペクトの強いバンドでもある。
有名なところでは、先のFFのデイヴが、1stが発表された時に「なんで俺に声をかけてくれなかった!」と言って、アルバム『Songs For The Deaf』に参加したエピソードだろうか。
久しぶりに全編に渡ってドラムを披露し、そのときにフジにもきている。
観たかった・・・。
その後も、NINのツアーに参加した際には、公式サイトで「今、世界で最高のロックバンドを聴きたいなら彼等を聴け」とトレントに言わしめたものだ。
私が彼等の興味を持ったのは、ここがきっかけでした。
どんだけ好きなんだよ!と言われても仕方ない。
好きなものは好きなのだ。
早く復活しないかな、NIN・・・。
そんな言葉を言わせるほどに、彼等は実に魅力的。
男臭くて、骨太で、力強くで、ちょっと卑猥で何よりセクシー(1stのアートワークもエロい)。
今来んな艶っぽいロックをやっているバンドが他にいるだろうか。
めちゃくちゃかっこいいのですよ、このバンドときたら。
というか、首謀者ジョシュ・オムが、というべきか。
友達も多いしな。
人生で一度以上みたいバンドである。
単独に期待している。