
先日思いつきのようにライブへ行ってきた。
別な用事で渋谷へ行ったのだが、ふとライブハウスへ行こうと思ったのだ。
ぶらりと通りすがった渋谷O-EASTにて、1枚のビラが目に留まった。
それは、5年ぶりに活動再開をした特撮のライブ告知であった。
今日じゃん!とびっくりした私は、3秒悩んで当日券を購入した。
特撮と言うバンドを知っている人はどれくらいいるだろうか。
私にとって、オーケン関連はある意味青春の轍である。
そして、今の私と言う人格が形成されるにあたって結構影響を与えられた人だろう。
何せ中学、高校当時の私ときたら、暗黒時代のまっただ中であった。
今にして思えば、一体何をあんなに鬱屈していたのかと思うほど。
基本的に私は他者により自分を抑圧するのである。
ま、今はそんな話はどうでも良く、ともあれ私に取ってはやや特別なノスタルジーを持っている存在な訳である。
もう10年くらい前になる訳だけど、その当時はまだ『ヌイグルマー』というアルバムが出たばかりの頃であったと思う。
ラジオの始まりは”特撮のテーマ”だったな。
番組の最後の方で、『アジテイター』がリリースされた気がする。
”ヨギナクサレ”とか、流れてたな。
”ヤンガリー”は韓国だかの怪獣映画のテーマ曲だった気がする。
”ジェロニモ”は、ガスタンクのカバーだったな。
実はオーケンエッセーでアングラバンドに入門した訳である。
しかし、なんだかその日は、呼ばれていたような気がしてね。
ライブは思った以上に満杯状態で、しかもファン層も幅広かった。
いかにもロック好きのような奴もいれば、オタク的な奴もいるし、筋少時代からと思われるおばちゃんもいる。
かと思ったらちびっ子もいて、なんだか雑多な印象である。
改めて聴いてみると、結構色んなタイプの曲があるな、と思う。
筋肉少女帯は基本がメタルだけど、特撮についてはパンクと言いつつそんな感じはあまりない。
サウンドコンセプトはナラサキ君だからだろうか。
オーケン的ではないものな。
実はバンドメンバーは実力はの特撮、筋少もテクニック的には結構高いと思うけど。
何せプログレ大好きだから、自ずと自分の頭の中でも好き勝手にヤリたい音を想像するから、それを実現させようとするとそれなりの力がないと出来ないしね。
もっともオーケンがそこまで頭の中で音楽を組み立てているとは思えないけど、関係はるんじゃないかな。
ちなみにピアニストのエディこと三柴聡は、クラシックの英才教育も受けている本当の実力派である。
極初期の筋少時代からの盟友でもある。
面白いバンドだよね。
オーケン声もよく出ているしね。
ちょっと音響が今一だったけど。
で、そんなすばらしい演奏の合間には特のMCな訳である。
小話を混ぜながらややその場任せんのMCはかつてのラジオのそれのようで。
やけに芝居かかった展開など、実に良いじゃないか。
そしてお約束のボースカも出てくる。
おそらくファンでないと意味不明すぎる演出(というか自己満足)ではあるが、すごく良かったね。
そんな訳で、実に楽しい時間を過ごせましたよ。
改めて特撮を聞き直そう、と思いながら、帰り地に着いたのであった。
偶然とはいえ、この日は渋谷に行ってよかったな。
図らずも特撮ライブを見られて、楽しい気分であった。
最近が仕事も少し落ち着いてきて、また本を読むゆとりも出てきたので、そんなゆとり感が何かを生んだのかもしれんな。
なんだか、いい日でした。