AKBのCDが売れまくって秋元康の笑いが止まらない、と言って話題になっている。
音楽CDが売れないと言われて久しい昨今であるが、そんな最中のこの健闘ぶり、やるではないか。
世の中では秋元商法と呼ばれ、それに続けとばかりに老舗男性アイドル会社も同様の手法を取り入れ出したとか。
そののちにそのCDたちがどんな末路をたどるかは知らないが、ある意味では時代を象徴している様に思う。
音楽を売る側にとっては所詮商品でしかなく、アートなんていうものは端から望まれてはいない。
そして世の人も大半は音楽には興味がない。
せいぜい歌を聞いているくらい。
まあ、私のようなギークにはどうでもいいことだが。
ちなみに私はいまだに音楽はCDで買っている。
iPodに入れて持ち運ぶので、ほとんどの場合パソコンに取り込んで以降は取りだされることはないのだが、趣味の一つなのです。
そんな私にしてみれば、昨今のダウンロード主流の音楽というのははなはだ由々しき事態に他ならないのであって、正直つらいなと思う。
特に海外のアーティストに置いてその傾向はなお強く、既にCD出さない宣言をする大物をちらほら(結局その後出してるけど)。
で、大物とまではいかないけど、私が大好きなのに結局日本版はおろか輸入盤ですら入手できず、結局データを購入したアーティストが一つ。
Nine Black Alpsである。
デビューは2005年とかの当たりだと思うが、現在4枚目となるアルバムを制作中である。
で、このバンドときたら、3rdについてはオフィシャルページで数量限定でメディアを少し、あとはデータのみのリリースを行ったのである。
海外のサイトなので、クレジットカードなしでは購入できず、当時持っていなかった私はだから購入できず、先日ようやくデータを入手したのであった。
期待して待っていたのだが、結局メディアは追加発売もされなかったのですね。
どこまでインディを貫くのかと、思わず突撃インタビューを敢行したくなる思いだが、致し方あるまい。
残念ながら彼らを知る日本人なんでそんなに多くはない。
特に1stについては、どのレビューを見てもNirvanaみたいとの評価ばかり。
確かに私も第一印象はそうだった。
だけど、聴いているとやっぱり全然(とまでは言わないけど)違うな、と思ったのである。
いうなればメンタリティの違いなんだろうね。
別に彼らの音楽には破滅的な要素はない。
ただ苛立ちがそこにあるだけ。
まるで弾丸のようなストレートな音楽は、素直にかっこいいと思った。
その上ややセンチメンタルな風情の漂う曲も非常によく、こういうところはUkっぽくあるかもしれない。
そんなわけで、私はこのバンドが大好きなので、EPもネットで探して購入した。
そして待ち焦がれていた新譜が上記の有様であったわけだから、そりゃあもうがっかりしたわ。
とはいえ、2年越しにようやく聴けて良かったです。
まだ聴きこんでいないので、第一印象的な感想になるんだけど、1stをよりハードにした感じ、て感じかな。
2ndがややメロディアスな色の強い作品であった分、1stのファンの間では賛否が分かれたのであるが、恐らくそのファン層にとってはありがとうな作品のはずである。
あの弾丸のようなギター炸裂している。
先行発表された(と思うが)"Buy Nothing"という曲が非常に分かりやすいんだけど、相変わらずいい曲書くし、ギターもバリバリに決まっている。
これだよこれ、と思わずうれしくなる。
今日びこんな鋭いロックやっているバンドって意外と少ないように思う。
売れてる売れてないとか、いい悪いの問題じゃない、分かるかわからないか、ただそれだけの音楽だと思う。
別に難しいことをやっているわけじゃないよ。
だから一度是非聴いてみてほしい。
ロックってこういう音楽だろ?ていう感じだね。
ただ、先にも書いたようにどうにも悔やまれるのはこれがデータのみという事。
やはり私はメディアでほしかった。
現在引越し準備をしており、部屋を綺麗さっぱりとさせているのだが、昔に買ってしばらく放置していたミニコンポが出てきた。
捨てようかと思ったのだが、何気なしにCDを入れて回したら音がすごく良くて。
基本的にiPod用のスピーカーで聴くことが多かったので(スペース、近隣への迷惑を考慮して)、その落差に愕然とした。
そして、今度は少し広い家に引っ越すので、これを機に復活させたのです。
だから、この手の音楽こそこういう少しでもいい環境で聴きたいのにな。
まあ、済んだことを後悔しても仕方ない。
恐らく今年中には4thも出るので、その際は先んじてメディアをゲットするぜ。
今は円高だから、輸入には有利なのだ。
こうして私は国際人としての一歩を踏み出すわけだが、そうして手に入れた音源は一人部屋にこもって味わうのであった。
音楽は世界だ!