昨日に引き続きアングラ畑からお送りしたいと思います。
昨日は昼間出掛けて、またCDを買ってきました。
中古新品合わせて4枚を購入したのですが、その内訳はLow IQのメジャー1st、Super Srupidのこちらも1st、Factory Floorというイギリスのユニット?の日本独自企画盤、そしてハナタラシである。
low IQについてはこの間ライブを観た際に興味を惹かれたし、日本のインディロックではかなり重要人物のようなので、やはり抑えておくべきか、という訳で。
”5日はまた雪”という曲が好きなので、それが入った奴を買ったのです。
で、Super Stupidはたまたま置いてあって安かったから、せっかくなので聞いてみようと言う具合。
これらについてはまた追って書ければと思います。
さて、今日取り上げるのはこの中でも殊更マニアックなハナタラシである。
知っている人は知っている、知らない人には何のことやら、というマニアックにマニアックを重ねる存在。
しかし、ある意味ではすごく有名だとは思うが。
こちらも日本のオルタナシーンでは最重要バンドといっても良い存在。
まあ、これをバンドと呼ぶかプロジェクト的な位置づけとするかは難しいところだが、一応バンドという事にしておこう。
で、彼等が何故一部で有名かといえば、それはWikipediaに詳しい。
表現衝動があふれすぎて、しばしばスキャンダラスな言動・行動には知るバンドが殊更注目を集めるようになっていた。
Stalineは裸になってステージ上でナニをしごいたり、客席に豚の臓物ぶちまけたり、最前列の女性客にナニをくわえさせたりしていた。
脱ぐのがデフォルトだったので、学園際ライブに出演した際にはわいせつ物陳列罪でパクられる、なんていう事件も。
また、今や俳優、ナレーターとしてすっかり定着した感のある田口トモロヲは、当時ばちかぶりのヴォーカルとしてめちゃくちゃやっていた。
ステージ上で積極的にゲロをはいたり、禁止されたら脱糞したそうだ(曰く、ゲロはやめてくれ、と言われたので、逆に言えばそれ以外ならなんでもいいのかと解釈した、とのこと。だからといって脱糞した意味は分からないが)。
チェンソーを振り回して、過って自分の足を切っちゃったり(切断ではなく、あくまで切り傷程度だったみたいだが)、ショベルカーでライブハウスに突っ込んで破壊したり(完全な刑事事件である)、挙げ句の果てにガソリンをバラまいて、火炎瓶を投げようとして、間一髪のところでスタッフに止められている(もはやテロリストである。この時そのまま投げ込まれていたら、世界の音楽はもっと遅れていたかしれない。ていうどうしてこんな行動に走ったのか・・・)。
そんな事をやっているから当然のようにライブハウスには出禁続発、ついにはライブが出来なくなり解散となったのである。
そりゃそうだ。
そこからもっと音楽に専念したバンドをやろう、といって始めたのがBoredomsである。
その後の活躍は言うの及ばず、ニューヨークタイムズに取り上げられるような前衛音楽パフォーマンス集団となって行くのである。
そんなハナタラシ、音源は出ていないと思っていたのだが、数点はあったのである。
正式なスタジオ版なのかブートレグみたいな奴なのかはわからんが、とにかく聞ければ何でも良い、その暴力性の果てに彼は何を表現しようとしていたのか、そこに興味があったのである。
で、中古屋で『5』ていうアルバムを見つけたのでとりあえず買ってみたのですね。
早速聞いたのですが、いやぁ、参った。
まさかこう来るとは・・・。
いや、私だってまともな音楽を期待していた訳じゃない。
むしろ狂ったような、音楽じゃないようなものを期待していた面はあった。
しかし、こうくるとはちょっと思っていなかったのである。
トラックは1曲、なんと53分!
いやな予感はしたんだ、この段階で。
類似のアルバムを挙げるとするのであれば、巨人Rou Reedの『Metal Machine Music』。
それの打ち込み版とでも言えば一番近いのではなかろうか。
そう、ずっとキュワワワ~~~ン、みたいな音が続くだけ。
馬鹿な!と衝撃的でした。
頑張って30分ほど聞いてみましたが、やっぱり何の展開もなくて。
そっと電源をOFFにしました。
人に歴史あり、とはよく言ったもので、山塚アイも今や世界のロックバンドが認める存在である。
彼等がきっかけにバンドを始めたバンドや、彼等のフォロワーと言えるバンドは世界中にいる。
そんな彼の足跡の一つとしての価値はあるのだろうけど、やはりこれは他人が聴いて楽しめる類いのものではないのだろう。
そもそもそんなものを期待していた時点で何考えているんだ!という話なのかもしれない。
ここにロックの未来が切り開かれたのもまた事実で、そういう意味では博物館の収蔵資料みたいなものである。
しかしまあ、これで金をとろうとしたレコード会社は実にあこぎだね。
ま、何事も経験である。