音楽放談 pt.2

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ロックバンドの本分 ―Back Drop Bomb

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昨日は数年ぶりのBack Drop Bombの単独へ行ってきた。

ここ数年はフェスやイベントへの出演ばかりで、ドラマーも武田さんに変わってすぐというタイミングもあってかライブも今一力ないというか、終わりなのか?と思わせるような場面もあった。

前作は非常に良いアルバムだったので、そんなライブを観るたびにもう燃え尽きちまったのかい?なんて思っていたのだが、そうこうしている間に武田氏脱退の報、次いでオリジナルドラマー、有松氏の復帰が知らされ、ほぼ同時期にEPのリリース発表、そして単独へとなった訳だ。

既に数曲試聴できるようになっているが、これまたエクストリームな方向へ舵を切ったらしい。

また付いて来れない奴が出てくるんだろうな、と思うが、それもまたよし。


ともあれ、そんな紆余曲折を経ての久しぶりの単独公演。

会場のキャパも小さい事もありソールドアウト公演になった訳である。

最近筋トレもしてないし、先週は仕事がバタバタで結構忙しく、少しく寝不足気味であったのでちょっと後ろの方で大人な楽しみ方をしようかしら、なんて思っていたが、空いていたのでつい前方へ行ってしまった。

それが大きな間違いであったのはほどなくして気がつくのだが。


ライブは15分ほどおして始った。

なんでこんなちっちゃな箱の単独で時間通りに始められないのか、スタッフ大丈夫か?と思ってしまうが、仕方ない。

それにしても、やっぱり客層が厳つい、てかごっつい。

一方で女の子も結構いるから驚いた。

言っちゃあ悪いがビジュアル的にはモッサイ人ばかりなので、恐らく本域のロックファンな女の子なのだろう。

そういう子、好きだ。

それはともかく、客電が落ちるとともに1stの"Intro"で幕を開ける。

オリジナルドラマー復帰の報もあり、勢いテンションが上がる。

そしてやっぱりの"Bounce"が一発目。

そこからはアルバム順に展開して行き、新曲も織り交ぜつつの鉄壁のセットリスト。

やはり1st 2ndからの曲は盛り上がる。

というか、やはり客の層がゴツい。

即行モッシュ、ダイブで頭上を幾人もの人が流れて行く。

何度か顔を蹴っ飛ばされもしたが、でも気にならないから不思議だ。

久しぶりにちょっとはしゃいでしまったよ。

単独だから熱量はやっぱり違うし、メンバーもやはり楽しくなってきたんだろうな、という感じがする。

いつもほとんど淡々と曲をやって行き、MCや客とのやり取りを楽しむタイプのバンドではないが、今回はタカだけだがしゃべるし、コール&レスポンスもちょっとだけどやってみたりと、ちょっとテンションも違ったね。

個人的なギターもベースも全部好なんだけど、今回は実に走っていたね。

有松さんドラムも力強くてかっこ良かったな。

厳ついけど。

マサは相変わらず酒呑んでたけど。


今度出る新譜からも曲をやったのだが、やはり客は付いて来れなかった。

単に日本人の気質で知らない曲では盛り上がりにくい、というのが全開だったというのが実際だろう。

個人的には全然楽しく聴けたけどね。

で、ラスト近くにフロアから突然LOW IQが現れて、ステージ状に流されて行った。

客層的にもこの登場は大盛り上がりであった。

更にアンコールではスペシャル編成で来ていたホーン部隊も登場し、1st前のEP曲もやって、最後の爆発。

ちょっと心臓が追いつかなくて死ぬかと思ったけど、メチャクチャ楽しかったな。


こうして俯瞰して聴いてみると、1stの曲はやはり一番ポップだと思う。

スカ的な要素もあるからピースフルだし。

2ndは所謂ロック的な色合いが強いからライブでの即効性はハンパない。

3rdはダンス要素が入るから、また盛り上がり方が変わるし。

4thは楽曲が複雑で難解だから、ファンの解釈はとにかく狂え!となったらしい。

5thの場合は、いわゆるモッシュ系の盛り上がりとは違うベクトルになっている。

もっと個人個人で楽しめる感じだよね。

セットリスト的には1st前後のものがやはり多く、思いのほか5thからは少なかったのが個人的には少し残念だったが、今回のライブで魅せるべきはある意味ではちょっと立ち止まってみて、また先に進む為のアイデンティティの確認みたいなものだったのかもしれないね。

なんやかんや同じアルバムは作ってないし、自分達の勝手な事もしつつ、でも曲はあくまでポップさは保ちつつ、過去の作品も全く古びないというのはすごいなと思う。

終わったという奴もいるけど、それは耳が腐っているだけか、もしくはずっとAir Jamで時間が止まってんじゃないかとしか思えない。


冒頭でも書いたけど、アルバムはともかくライブが残念だったので、もう解散するかと正直思っていたが、今回のライブを観てそんな懸念は吹っ飛んだね。

いわゆるメロコア的な音楽とミクスチャーと呼ばれる音楽が拮抗していた時代にあって、彼等は後者に位置づけられていたと思うけど、その中でも本質的にミクスチャーの要素を持っていたのは、結局枯れrだけだったような気がする。

まあ、ミクスチャーっていえば今の音楽は大概ミクスチャーなんだけど、ロックと言うタームを軸に様々な音楽を租借しているのはやっぱりカッコいいなと思うね。


ちょうどHostess WeekenrerでVampire Weekendの会と丸かぶりで、先にチケットを取っていたのでこちらへ来たのだが、そのときはがっくりしたというのが正直なところだが、来て正解だったね。

最近はライブも待ったり観る事が多いし、そういうバンドをよく聴くのでこれだけウワッとなるライブは久しぶりだったのだけど、大汗かいてやっぱり楽しかった。

思いがけず汗をかいてしまったので、帰りは少し寒く、また足もつる一歩手前くらいの疲労感、ダイバーによる頸部の軽い痛みもありながらだけど、全然悪い気がしない。

むしろちょっと軽くなった感じすらする。

まあ、体は重いんだけど、気持ち的なものね。

おっさんバンドもまだまだ頑張ってるよね。