音楽放談 pt.2

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小休止60「ライブの何たるか」

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Yahooのトップニュースにファンによるライブの録音・録画を解禁するか、なんてニュースが出てきて、じわじわコメント数を増やしている。

音楽ビジネスの低迷が叫ばれて久しい昨今、イギリスではHMVが倒産し、アメリカにタワーレコードの実店舗は既にない、音源はインターネットでのFDが普通で、アーティストもアルバムを無料で配る時代、なんてな具合なので、かつてのレコード会社が儲かる理由はないだろう。

日本では未だにCD信仰が根強いのか売り上げ枚数を競っているものの、オリコンチャートの上位はAKBの様な音楽以外の部分で結果商業的に成功しているアイドルか、90年代の偉功を引きずりつつ一定の売上げを確保し続けるミスチルのようなバンドか、といった具合である。

そんな中でアーティストとメジャーレーベルとの契約形態も変化しており、ライブ、物販の収入も全て契約の中に含まれているのだとか。

具体的な内容まではさすがに知らないが、いずれにせよ音源だけでお金が稼げた事態はとうの昔に終わっている訳だ。

大体聴く側の聞く理由だって人がいいって言うからであって、音楽そのものを評価している訳ではないだろう。

それでも一定の層は未だにCD、あるいはレコードと言うメディアを欲するのはひとえに音楽以外の部分も含んだアートとして扱っているか、単にオタクなのかであろう。

日本は特に後者比率が高いので、未だにCD屋もかろうじて経営できているのだろう。

ちなみにアメリカでも成功しているCD・レコード屋はあるが、業態としては陳列するだけでなくおすすめ音楽を紹介してくる提案型の店舗だそうだ。

一頃街のある書店が「あなたに合った本を提案します」とかいって話題になったが、要はそこに付加価値を見いだした訳である。

やり方次第というところは何でも同じだし、これが次から次に出てくればまた状況も変わってくるだろうし、そもそも2匹目の泥鰌は得難いだろう事は想像に難くない。

いずれにせよ音楽ビジネスは難しい局面なのだと思う。


話を戻すと、ライブの撮影の可否についてはまま議論の余地はある。

賛成派にしたら盗撮よりはマシ、思い出に残せるから、アーティストにとっても宣伝になるじゃん、などといった意見が散見される。

方や反対派の意見を見ると、ライブ中カメラを向けてばかりなのは興醒めだ、邪魔、ライブなのに撮影とかあり得ない、なんて感情論から女の子の盗撮が、なんて別な懸念まで出ている。

つまるところはアーティストがOKならOKという世界だから、あとはレコード会社が自分達の目先の利益をどこまで優先させるかである。


個人的には賛成で良いと思う。

別に解禁になっても自分は取る事はしないし、結局みんな何処かのタイミングで気がつくって。

カメラ向けてないで楽しんだ方が費用対効果も高いとね。

商業目的に動き出した奴がいたらその場合は即行でしょっぴくくらいの対策は必要だけど、おそらくライブ映像観てたら行きたくなるし、その事で動員が増える方がメリットは多いはずだ。

女性ファンならほぼ確実に物販で何か買うし、当日の音源を即DLなんてサービスをやれば多分1,000円くらいまでなら結構な人が買うだろう。

あるいはCDの売上げにもつながるかもしれないしね。

AKBにしても、CDの売り方はともかく「会いに行ける」というコンセプトが受けた訳で、ああして握手券が爆裂に売れるのも、会いたいというファン心理故である。

いつまでも半端な利権にぶら下がるよりはいっそオープンにして波及効果を狙う方がメリットが大きいはずだと思う。


ちなみにNine Inch Nailsも現時点での最後のツアーではファンによる撮影を許可して、その写真や映像を公式ページでファンが挙げられるようなコミュニケーションを取っていた。

だから、今ネット上でNINのライブ映像は爆裂に出回っているはずである。

これによりライブDVDの売上げは下がるだろう。

だけど、ライブ行きたいな、と思う人は確実に増えたはずである。

もっともNINは既に大物になっているし、そもそもトレントがあまりそこの商業に興味がないらしく、純粋に自分がやりたい事を試しているだけだから実際の経済効果が定かではないにしろ、まだ名もないアーティストであればやる価値は十二分にあるだろう。

うまくつなげるスキームとしかけが出来れば、新しい音楽ビジネスの在り方だって十分あり得る訳で。


もちろんそういうのをよしとしないアーティスト、ファンへの一定の配慮は必要である。

とはいえ、ホントに好きなら結果的に写真取るより騒ぎたい、もっとしっかり楽しみたいと思うものである。

それとてアーティスト側の実力があって初めて成り立つから、そういうライブの文化がしっかり根付けば自ずと実力のある人だけが残るようになる。

何せだませないからね。


日本は古い慣習や業界のしがらみもあってなかなか一般化する事は難しいかもしれないけど、メジャーレーベルが昔ほど力をなくした今であれば、インディレーベルでもセンスと行動力さえあれば商業的な成功だってホントに夢じゃないしね。

ゴールデンボンバーだってそうだと思うし。

行って初めて目の当たりにできる神秘性ももちろん戦略として用いるのであれば重要だと思うけど、結局十把一絡げに損をするような気がするから、という理由でしがみついているのなら、いずれにせよ日本の音楽業界は長くはないし、細分化が進む一方にしかならないと思う。

是非業界の人には頑張ってほしいね。