音楽放談 pt.2

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前進とはなんぞや -Tha Blue Herb

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今日は件の震災から早丸2年がたつ日である。
 
地理的な理由で幸いにして自分の家族はみんな無事、というか心配されたのは私のほうなんだけどね。
 
いい加減このあたりではむやみやたらな節制だとかそんな話はなくなり、年末も空虚なまでに鮮やかなネオンがあちこちに輝いていた。
 
自分だってそんな事がったことすら日常の中では忘れかけているくらいだ。
 
当時はあれほど衝撃であったにもかかわらず、のどもと過ぎればなんとやら。
 
今朝も思ったよりも震災関連の報道はなかった気がする。
 
まあ、起こった時刻は14時過ぎだからそれ以降が活発なのかもしれないけど。
 
それでも直撃を受けたほんとの被災地は今も変わらず厳しい状況を強いられいるわけだが、その実情はほとんどの人には届いていないのではないだろうか・¥。
 
かくいう自分もそんなことは知らず、もうある程度は復旧してんじゃないの?なんて根拠のない考えを持っていた。
 
でも、そんなに簡単じゃないんだよね。
 
 
昨日はヒップホップの2マンライブへ行ってきた。。
 
ひとつはGAGLE、もうひとつはTha Blue Herbである。
 
ブルハについてはやっとこの機会を得た、という感じなんだけど、今回のライブはこの2組にとっては特別の思いがあったようだ。
 
なぜなら2組とも東北地方、方や北海道、方や仙台のグループである。
 
ブルハのBOSS震災後一貫して特に原発事故について声高に言及してきた。
 
当時の民主党政権の頼りなさもさることながら、ことが起こったときにどうしようもないものをこしらえておいて、結局言い逃れに終始する政治に対して言葉を発し始めたわけだ。
 
GAGLEはまさに自分たちの地元が被災しているとあって、復興というところがポイントになっていた。
 
彼らのMCの中で「同じ当東北だけど、俺たちはテレビで津波の被害を見た。地域によってもぜんぜん被害状況は違うんだ。ほんとに直撃を受けた地域は今も何も進んじゃいない。」という言葉が印象的だった。
 
そんな風景はテレビにもなかなか映されない。
 
少ないとも、私はあまり見た記憶がない。
 
 
今回のライブはすごく主張の強いライブだった。
 
いずれもパフォーマンスのレベルはかなり高いし、半端ではない。
 
奇しくもヒップホップというスタイル、これは何かを主張するための音楽で、ただ韻を踏むだけのラップじゃない。
 
それは彼らを聞いているとすごくよくわかる。
 
 
GAGLEは曲自体はラウンジテクノとでもいおうか、割と穏やかでそこにメッセージ性の強いリリックを載せてくる。
 
私はこの日はじめてみて聴いたのだけど、基本的なメンタリティ含めて結構好きですね。
 
ディスるしか能のない、あるいはくだらない見せ掛けの友情をリプリゼントするだけのポーズじゃないのがよくわかるし。
 
正直全部聞き取れたわけじゃないけど、言葉のひとつひとつはすごくクリアだった。
 
 
そしてブルハについては、もはやライブというか、そういうものを超越しているかのようにも感じた。
 
単に曲をなぞるようなものではなく、いろんな曲がマッシュアップされて、ひとつのテーマをつむいていくようなそんなスタイル。
 
だから、ある意味では期待していたものは見られなかった。
 
だけど、結果的に期待以上のものを見せてもらった。
 
かなり語り部分が多く、しかも政治的な色もありながらなので、正直人を選ぶと思う。
 
共感できない人はまったくついていけないだろうし、そもそもTha Blue Herbという存在を知らない人が見て楽しめるかといえば、少し疑問である。
 
それはすスキルとかの問題ではなく内容の問題である。
 
重たい、シリアスな曲が多いので、それを受け止められないライトなリスナーは無理だと思う。
 
 
だけど、ライブの持って行き方がすいさまじい。
 
トラックそのものもすさまじく力を持っているのだが、それをうまくまわしながらその上でたたきつけられるラップがめちゃくちゃかっこいいのである。
 
文字通りたたきつけるという感じで展開されるのですね。
 
何度も客席に問いかけるような場面もあるし、とにかく真正面に見据えて俺の言葉を聞け!とばかりにやられてはかなわんですよ。
 
ヒップホップだからみんなでシングアロングな展開は基本的にないのだけど、要所要所に叫びどころのある楽曲なので、思わずそこでは叫んでしまう。
 
そうさせるだけの磁場を作り上げているからである。
 
1時間半くらいやったのだけど、ラストは新譜でもラストの”Ride On”で幕を閉じた。
 
圧巻とはまさにこのこと。
 
 
最新作でも明確だったけど、やっぱり今のブルハのモードはそっちなのである。
 
政治的発言をする際の言葉は正直豊富とは思えない。
 
もともと社会派とは思わないし、どちらかというと真剣を静かに研いでいるようなストイックさが魅力であったし。
 
そんな男が語らずにはいられなくなったということもあるが、やっぱりいつまでも内側にこもっている時代じゃないんだろうね。
 
自分に何ができるかはわからないけど、何をやるかを決めるのは自分しかいない。
 
テーマは変わっても彼らのスタンスはいつだって変わらない気がする。
 
お前の信じる道は何だ?ていうことかと思ってるけど。
 
 
ともあれ、このタイミングで彼らのライブを見れたことは結果的によかったと思う。
 
いろいろ考えさせられたよ。
 
主張には賛否あると思うけど、否なら否でそれを主張しなくてはいけないのですよ。
 
でないと何もかわらないし、変えられない。
 
何かを動かしたければ自分が動かないといけないし。
 
彼らの音と言葉は、やはりそういう意味でも刺激的なのである。
 
いいものを見せてもらいました。