日本のインディーズというのは実に面白かったりする。
最近ロックと言うジャンルはメジャーフィールドでははっきり売れない。
それこそ9mm みたいなあんなわかりやすいものですらダメなのだから、もはや需要がないのだろうね。
音楽としての質が高いとかそんな問題ではなく、もっとナードな奴か、積極的にバラエティにでもでるようなタイプでないと世間的にはいつまでもマイナーなマニア向けという事らしい。
真面目にライブばっかりやってるバンドからすれば、もはやそんなリスナーを相手にするのもバカらしかろうから、尚更インディ色を強めるような感じがする。
ライブは本当にすごいのだけど、残念ながら歌詞の世界観も楽曲も含めて、Mステをあの時間に観ている層にはなかなか訴求できないだろう。
下らない、的外れな批判に晒されるだけで彼等に取ってはメリットなんてないだろうな。
関西バンドで、今はインディーズではないのかもしれないが、元々はインディーズ業界でかなり評価は高かったらしい。
2枚のインディーズベストも出ているくらいだから、楽曲数もそれなりにある。
一応メジャー会社に所属になってからも、既にかなりの枚数アルバムも出しており、キャリアはそこそこ。
曲も全体的にポップな曲が多く、やや歌詞が独特な表現ではあるが、はっきり言って売れない要素は見当たらない。
詞のテーマは概ね恋愛ものが多い。
ただその中でも色んな場面を描写しており、それこそ今が絶頂!というアホなくらい幸せそうなものから、女々しさ全開の失恋ソング、また老後にまで思いを馳せたほんわか系まで、よくもまあと感心する。
基本的には男目線なのだげど、恐らく女の子が聞いてもそれなりに楽しめる内容だと思う。
で、画像で載せたのはメジャー2作目くらいになるであろうアルバム。
昨日ディスクユニオンで300円で買ってきた。
もはや需要のなさが中古市場でも見て取れてちょっと切ないが、安く変えたので私としてはラッキーだ。
このアルバムの曲は若干前半と後半で差があるように思う。
前半は”冬色ガール””沈黙の花言葉”"Life Is 人生”など、ポップな曲満載。
幸せ絶頂からふられてがっくし、みたいなものまで実に多彩。
基本ナードな曲だけど、どこか間抜けな男の悲哀とでも言おうか、そんなものがうまく表現されている。
しかし、前半は非常に秀逸な曲が並ぶが、後半はややパッとしない。
決して悪くはないが、前半が良い分、失速感は否めない。
もう一盛り上がりあると、名盤になったと思うがな。
それにしても、何故このバンドが売れないのかが謎である。
よほどアンチコマーシャリズムを貫いているのならいざ知らず、そういう訳でもない。
レコード会社の売り方も下手なのかもしれないが、色んなところに露出すれば、自ずとそれなりに売れそうだけど。
ただ、曲はポップだが歌メロがやや覚えずらいような捻くれ方をしているものも多いので、そこもネックなのかもしれない。
かつてMoon Childも曲は良いけど歌メロが歌おうと思うと難しかったりするのがスーパーメジャーに慣れなかった一因だろう。
日本の音楽市場では、カラオケで歌える曲こそが売れる風潮がある。
それこそミスチルがなんであんなに売れるかって言えば、歌が簡単だから。
福山の歌とかもエラい人気だけど、曲としてはたいした事はなく、歌うとわかるが歌メロは退屈なくらい平坦で簡単。
よく言えば歌いやすい、悪く言えば面白みがない。
ゴールデンボンバーもパフォーマンスの面白さもさることながら、歌メロの歌いやすさこそが人気の理由だと思う。
日本はどうしても歌謡曲文化なので、そもそも音楽とは、というイメージが歌になっているんだよ。
まあ、そうはいいつつ皆対して歌詞なんて聞いてなかったりする訳だけど。
歌詞が受ける曲は自己憐憫のナルシスト曲ばっかだから。
ともあれ、仮にYahooニュースで彼等が取り上げられても、誰?とか言われちゃうんだろうな。
そういう奴が普段どんな音楽聞いているのか是非聞いてみたいけど、まあクソみたいな趣味だろう。
音楽が好きな訳ではないだろうから、そもそもお話にはなるまい。
いずれにせよ、こういう良質なバンドが見過ごされている段階で、日本の音楽業界は伸びないよ。
”冬色ガール”