音楽放談 pt.2

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小休止65「ストイシズム」

先日6月20日の木曜日にライブへ行ってきた。
 
免許の更新があったので、それにかこつけて有給を取得、そのまま夜は楽しんできたわけですね。
 
久しぶりの平日ライブ。
 
そしてアクトは日本ポストロックの雄toeと、日本アンダーグラウンドヒップホップの雄Tha Blue Herbの対バンである。
 
何このメンツ!
 
しかもチケット代2,500円、場所はO-East、来ない奴は馬鹿だろうとさえ思える。
 
このライブを知ったから20日に休みを取ったのだけどね。
 
 
で、早速ライブの話なのだけど、今回はtoeがずっと行っているイベントの1幕ということで、ブルハがゲスト的な出演である。
 
音楽的に異なる2組ながら、いずれもストイックに自分の音を追及しているという点において音楽的な、まさにアーティストな2組。
 
いずれもライブは1回見たことがあるのみ。
 
toeはSynchronicityというイベントで、場所は同じくO-East、ブルハは先日の代官山。
 
ちょうど震災から丸2年というタイミングの3月10日、それだけに内容は非常に重く、シビアで、少しライブの色合いが違った。
 
それだけに、今回はより彼らなりのエンターテイメントを見られることを期待しつつ。
 
 
で、先攻はブルハ。
 
ステージ上にはすでにターンテーブルが設置されていたからすぐわかったけど。
 
開始時間は10分押して始まる。
 
暗転した中でSEが流れ始める。
 
1stの冒頭の、雪の中、電車から降りてくるときの景色。
 
音ともにまばゆい光を放って、Bossが現れる。
 
前回よりも陽気と言うか、楽しんでる感もある。
 
ライブは新譜の曲から始まったが、セットリストは1st、3rdからも幅広く取られており、処々にライブアレンジをしつつの展開。
 
パフォーマンスはさすがの一言。
 
言葉によるアジテーションもさることながら、音の強度も前半は特に力強い。
 
個人的に上がったのは、"Motivation""Mainline"の2曲。
 
この2曲は3rdのラストを飾る曲たちだが、そのリリックがとにかくいい。
 
時がたっても変わらないBossの基本的な精神、その力強さこそが私が彼らにひかれる理由である。
 
相手がどうかじゃない、周りの奴がどうかじゃない。
自分がどうするか、自分がどうしたいか、それをどこまでつきとおせるか。
 
それこそが生きていく意味、挑戦こそがオファーの条件という言葉の通り、恐らくtoeのファンが大半を占めるライブ会場で、見事に上げて見せたね。
 
ただ、人によっては主張の強い音楽についていけない人もいただろう。
 
実際、前回の代官山のときと比べると観客のノリは違った。
 
だけど、それでも最後はばっちり締めていくあたり、ショーとしての完成度は高い。
 
彼らの平時のライブが見れて、段階ですでに満足であった。
 
 
続くtoeは、音源で聞くと実に穏やかで心地いいが、ライブでは音の強度が当然変わる。
 
ブルハのライブとは持って行き方もなにも違うが、かえってそのコントラストが面白い。
 
目をつむりながら静かに身を預けるような心地よさは、やはり言葉ではない音による音楽ならではと言える。
 
主張の強いブルハに比べれば、もっと客観的というか、そういう意味でポストロック的なバンドなのだと改めて思う。
 
 
で、toeにはアンコールがあったのだが、そこのMCで突然「最近、死についてかんがえるんです」なんて言い出して、何事かと思ったが、先日病死したブッチャーズの吉村さんへの追悼的なコメントであった。
 
彼らはそれほど深い関わりがあったわけではないようだが、その影響下にあったこともあり、やはりブルーになっていたようだ。
 
そのあとに演奏された"グッドバイ"はやけによかったな。
 
「うまく届かないんだ」という歌詞がやけに突き刺さる。
 
音源では女性ヴォーカルだが、今回はギターの人が謳っていた。
 
ささやかながら、彼らなりの追悼。
 
なんか良かったな。
 
 
そんな具合に、たった2,500円のチケットは私に半端ではない満腹感を与えてくれた。
 
あまつさえまだ見たいと思わせる名残りまで。
 
いい音楽ってのは飽きないんだ。
 
これが音楽ってやつだよ。
 
やっぱりライブっていいな、と思ったのでした。