音楽放談 pt.2

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日本人の洋楽 ―Bo Ningen

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今週の火曜日は有給休暇を取って、夜はライブへ出掛けた。

お盆期間ということもあって、あんまり仕事もないので1日だけの夏休みである。

わ~~~~い、うれしいな、という事もなく、むしろ虚しいぜ。

まあ、致し方あるまい。

で、火曜日と言う半端なタイミングで休みを取ったのは、Bo NIngenの単独があったからである。

開始時間が20時からという訳で、別に休みを取る必要がなかった事に気がついた、そんな昼下がりであった。


さて、Bo Ningenについては以前にも一度か二度書いているが、ざっとおさらい。

名前から推察されるように、日本人バンドである。

Hadouken!でありながらマジのUKという訳ではなく、メンバーは全員日本人。

ただ、結成もUKだし活動もUKなので、実質UKバンドである。

その音楽生はサイケ、シューゲイザー、メタル、プログレ、童謡など様々な要素をごった煮にしたような独自のものを築いている。

現在アルバムは2枚リリースされており、いずれも高評価。

とはいえまだコアなロックファンがニヤニヤしている段階ではあるが、フジロックライジングサンにも出演しているため、そこで目にした者も多いだろう。


彼等は音楽生もさることながら、その見た目も非常にインパクトが強い。

全員長髪でまるでヒッピーのような出で立ちである。

Vo/BがTaigenという人なのだが、この人はかぐや姫みたいな髪型だし。

南こうせつの方ではないですよ、一応。

音楽的にはドローンな曲も多いが、ステージングはメチャアグレッシブで狂ったようなパf-マンスははっきり言って凄まじい。

既にロンドンでは1stアルバムの段階から注目を集めており、Horrorsのメンバーの「2009年で観たライブで一番エキサイティング」という発言も相まって評判も上々である。

余談だが、今年あちこちでフックアップされたUKの女の子バンドSavegesのメンバーとも旧知とか。


そんな訳で、音楽好きの中では既に評価がぐんぐんなバンドであるが、その単独と言う訳で見たい訳である。

既に以前イベントで彼等のライブは見た事が合ったが、その時は凄まじかったな。

マイブラ的なギターの渦がずっと会場を埋め尽くすので、その陶酔感は凄まじい。

その浮遊的なサウンドの中で童謡チックな独特のメロディの歌がなったり、地を這うようなベースが唸ったりと、結構なパンチ力を持っているのである。


で、画像に載せたのは1stアルバム。

こちらはまだシューゲイザー的な色合いはそこまで濃くない。

ギターはどちらかと言うとエキセントリックな鳴り方をしているので、むしろサイケデリック寄りな印象である。

歌詞は全て日本語で、結構過激なものも。

ライブでもて定番となっている"Koroshitaikimochi"とか、一方で”Atami”とか、ちょっと幼い日の現実と幻の混在したような思い出がそのまま曲になったような印象である。

先に童謡的とかいた理由はこの辺りである。

ヴォーカルの声もかなり特徴的なので、ダメな人はダメかもしれない。


さて、今回の単独であるが、結論から言うとやっぱり素晴らしかった。

キャリア的にそこまで長いバンドではないけど、パフォーマンス力は他の同世代の日本人バンドより遥かに高いと思う。

最近色んなバンドのライブを見るけど、引き込む力は圧倒的である。

もちろん楽曲の音楽性に寄るところもある事はあるけど、サウンドや動き、楽曲の構成やヴィジュアルに至るまで、トータルで魅せ方をちゃんと考えているんだと思う。
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This Is Bo Ningen!


このバンドの中心人物はVo/BのTaigenである。

彼は元々プロレスやアイドルなど、かなりサブカル的なものに傾倒しているらしい。

実際日本ではプロレス観戦したり、アイドルとコラボライブしたりと、趣向をちらほら出している。

それら両者に共通しているのは、いかに世界観に引き込んで客を魅了するかと言う点である。

私もプロレスが大好きなので、その辺りはなるほどと思うところはあるのですね。

ちなみに以前にも書いたのだけど、彼の見た目はライブ中はほとんど妖怪にしか見えない。

メンバー全員そうだけど、長髪をグルングルン回して動き回り、Taigenは首を突き出して肩を引き上げながら歌う上、そもそも体系が非常に細いので、余計にそう見えるのである。

でも、言うなれば音楽妖怪といってもいい位そこでグッとい世界へ連れて行かれる訳である。

イメージ 3←ちなみに彼がTaigenだ!

ちょっとこの写真では怖いが、終演後は物販で一生懸命サインをしながら丁寧に挨拶していたのが印象的でした。

ある種の女子にはやたらに人気が出そうな、感じ。


で、彼等のライブでは、ラストの方ではインプロ的な展開になり、長い時で20分くらいずっとインプロしているのである。

今回のライブでもそうなって、観客は途中からかなり死んでいた。

そしてアンコールに入っても更にもう1発、同じくらいの長さのインプロがあったので、大半の客が死んでいた。

曲作りもジャムセッションから発展させていくような手法を取るようなので、多分そういうのが好きなんだろうね。

だけど、ポップに親しんだ日本人リスナーにはそれがかなり敷居を高くしている可能性はある。

まあ、音源ではそんなのないんだけどね。

ただ、好きな人には爆裂に刺さるはずである。

ある意味Mars Voltaとか好きな人でもかなりいけるだろうと思う。


すっかり観客を置き去りにしつつも、圧倒的なパフォーマンスでやられましたね。

有給を取ってでも準備した甲斐がありました。

彼等はこの後ライジングサンに出演して、またUKに戻って行くそうです。

現在新曲もレコーディング中とのことなので、来年には出るのではないかと思われる。


バンド名だけ聞くとなんだかコミックバンドかと思われるかも知れないが、もし今刺激的な音楽に植えているのであれば、是非一度聞いてみてほしいバンドである。

チャンスがあればライブに足を運んでほしい。

それだけの価値がこのバンドのこの音楽には間違いなくあるから。


ちなみに記事タイトルはちょっとした皮肉を込めたつもり。

とかく邦楽ばかり聞く人の理由は「英語がわからないから」というところか、何故か邦楽でもいい者があるんだからわざわざ洋楽なんて聴く必要ないというとんちんかんなものにいきがちである。

しかし、いいものはいいのであって、そこに境界線を引く事には何の意味もない。

彼等の音楽性や、バンド哲学から言ってもそういった境界線をぶっ飛ばすという所もある為である。

彼等はUKのバンドだ。

だから日本では洋楽の扱いである。

しかし、日本人によって日本語で歌われている。

洋楽/邦楽なんて括りはただの類型でしかなくて、意味などないという事をもっと理解した方が世界は広がるはずである。