音楽放談 pt.2

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小休止73「フェスのブランド化」

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先週末は既に恒例となりつつあるHostess Club Weekenderであった。

東京は爆裂な雪に見舞われて、開催自体が危ぶまれていたが無事開催。

今回はコーストでの開催ということもあってガーデンホールと比べると恐らくキャパは小さめ。

しかし土曜メンツはMogwai、Cvrchesなど日本でも人気のバンドも出ておりソールドアウト。

私は今回は2日とも行こうと思っていたのにチケットを買うのが遅くてあえなく日曜飲みになってしまった。

Errorsも観たかったのだがね。


で、日曜日は1組目から観に行った。

Buke and Gaseという初めましてのバンドだったのが、これが良かった。

男女のデュオなのだが、曰くオリジナル楽器、BukeとGaseを駆使してやっていると言う。

なんじゃそりゃ、という話だが、それぞれギターっぽい奴とベースっぽいやつ。

演奏スタイルがまた独特で、2人でステージ中央に陣取り楽器を手に持ちながら足下ではドラムキットをドカドカやっている。

楽曲自体はポップで明るいが、それ自体が凄まじくいいという事ははっきり言ってない。

もちろん普通の良曲なんだけど、やっぱりこのバンドの面白さはそのコンセプトである。

ライブでこそおもしろい。

これはいいめっけものだと思って後日CDを買いました。

本当は当日ここで買えばサインを貰えたのだけど、手持ちがなかったんですね、残念。


続いてはKing Cruleというジェイク・バグみたいな感じの若いお兄ちゃん。

どうやら10代らしい。

バンドを引き連れてやってきた訳だが、なんたら渋い歌声。

思った以上にクラシックな感じだったな。

Streetsの”Enpty Can”の一部をサンプリングしているらしく、なんだか聴いたことあるぞと思ったらそれでした。

ただ、あんまり好みではなかったけどね。


続いてはYouth Lagoon。

所謂ドリーミーポップで、見た目オタクで冴えない兄ちゃん。

しかし、これはなかなか良かったですね。

世界観が非常に素晴らしい。

ライブ中軽くトリップしてしまった。

音源で聴いても気持ち良さそうなので、今度探してみよう。


そしてトリ前はWarpaint。

美人4人組バンドとデビュー当時は紹介されていたが、よく見るとばらつきがあるのは否めない。

Cureとかが引き合いに出されるように所謂ゴスっぽい曲調が多く、はっきりいってガールズバンド的なあっけらかんとしたポップさはなく、それだけでもかなり特色のあるバンドである。

ただ、ライブ自体は思いの外アッパーでアグレッシブ。

もっとしっとりと言うか、静的かと思っていたけど。

そしてステージ上での彼女らは、素敵でしたね。

1stは持っていたけど、2ndも買いに行きました。


そしてラストはNationals。

アメリカではアリーナクラスのバンドだが、日本での知名度はやはり低い。

音楽的にはInterpolとか近いものを感じる。

ヴォーカルが渋くて艶っぽいのだが、曲は全体にそこまで偏屈な訳でもないけどいい曲満載。

といいつつ1枚しかアルバムもってないけどね。

この日はライブが進むごとにメンバーもテンションが上がってきたのか、ヴォーカルの人は酒の周りもあって客席にのみ終えたビールの缶を投げ入れたりしていた。

しかし、この日のハイライトは大盛り上がりで終わった後のアンコールであった。

ヴォーカルが客席に乱入、なんと最後方までなだれてきて、近くにいた外人さんもめっちゃテンション上がってたな。

そして、めっちゃ酒臭かったけど。

最後にはボトルワインの残りを客席に振りかけると言うサービスも。

前方の人、ご愁傷様。

そんな訳で大盛り上がりで非常にいいライブでしたね。


今回も大満足な状態で帰路についた訳であるが、早速次回開催もアナウンスされている。

次は6月なのでまだ先だし、アーティストも発表されていない。

しかし、そろそろこの段階でチケットを購入する人も出てくるだろう。

もちろんアーティストにもよるし、それによって明確に好みが分かれるからそれに合致するかしないかが重要ではあるが、一方でまあこのフェスに出るバンドは外れないし、という安心感もある。

既に名前のあるバンドがヘッドラインとなるが、その他のバンドはほとんど知られてないバンドの方が多い。

Buke and Gaseなんて日本盤とかは出ていたけど、私も全然知らなかったし。

なかなかそれを拾う場所がないんだよね。

それこそピッチフォークとかを毎日観ていればともかく、そんな時間もあんまりないし、英語だし。

情報源としては雑誌と一部ツイッターとかでDFAとかので紹介されるバンドを知るくらいである。

雑誌と言っても今はRockin'Onしかないからあんな雑誌は当てにならんしね。


そんな環境だから、このフェスは非常にありがたい。

ライブ自体を楽しめるし、新しい発掘もある。

このライブの主催者が先日インタビューに答えていたのが非常に印象的で素晴らしいと思ったのだけど、このフェスのコンセプト自体、やはりそういう所に狙いがあるらしい。

どんなに素晴らしい音楽、バンドでも、それと売れるという事は全く別と言ってもいい。

しかし、売れていないからといって一面的な評価のみで見過ごされるのはバンドにとってもリスナーにとっても悲劇である。

故に、こういうイベントを通じて実際に観てもらう事で、海の向こう側の音楽を身近に感じてもらい、どういう動きがあるかも感じてもらう事によって、もっと視野を広げてほしいということもあるそうだ。

そして対アーティストに対しては、単独ではチケットをさばく事は難しくなってきている中で、こういうパッケージの一部としてライブをする中でチャンスをつかんでほしいという思いもあるようだ。

実際NINの追加公演はまだチケットが残っているらしい。

私はさすがに3日ライブ事由で休む事が難しかったので断念しているが、少し前では考えられない事である。

だってコーストだぜ。

洋楽不況というのは思った以上にあるのである。

そのいい側面を見れば、日本のバンドも元気になってきているという事もあるけど、そこから色んなバンドへ興味が波及していかないのがいかにも現代的な現象なのかもしれない。


ともあれ、こういうイベントを通じて様々な音楽性に触れることもできるし、フェス自体の信頼性が高まればそれだけで色んな可能性が広がって行く。

主催者からすればリスクもあるし、軌道に乗るまでは苦労もあるだろう。

金銭的にもね。

だけど、私のようなリスナーからすれば本当にありがたい。

次回も期待したいですね。