音楽放談 pt.2

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インディの台頭 ―liars and so on

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今年の前半はインディ勢のリリースが相次いでいる。

順次発売されているので颯爽と買っている訳であるが、その中で今日はLiarsについて。

この新譜が実に素晴らしい。


Liarsといえば、Yeah Yeah YeahsTV On The Radioなどと共にアメリカ・NYのアートパンクの一角として話題になった。

デビュー盤では当時の時代的背景も感じさせるようなラフな感触を聴けるが、以降のアルバムは1stのラスト曲のようなドローンな雰囲気のアルバムを連発して、すっかりコア路線に邁進していた。

しかし、ここ数作はかつてのポップさもちらほら覗かせていたが、ここにきてそれが全開に。


といっても一般的にイメージされるポップさとはやっぱり違うが、らしさをしっかり発揮しながらある程度は広くアピールできる作品になっているのは、ファンからすれば「やっぱやればできるじゃん!
」と、嬉しくなるものだ。

BPMはかなり抑え気味で、ミニマリスティックなサウンドはそのまま、たまにコンピュータゲームの効果音のようなシンセ音もちりばめつつ、ヴォーカルもファルセットを使いながら、なんか変態的なのである。

聴いていると本当に不思議なのだけど、ポップで聴きやすいと思う一方で、素直に万人受けするとは思えないいかがわしさがあって、これがなんとも言えないのである。

このバランス感覚が溜まらないのである。

言葉にするのが非常に難しいが、この変態さ加減は彼等ならではではないだろうか。


Liarsに限らず、今年はアメリカもイギリスもインディ勢が元気だ。

Broken Social Sceneの2人、Kevin とBrendanもそれぞれソロを出していて、Kevinの方は日本盤もリリースされているが、Brendanのはなかったので輸入盤をアマゾンで注文。

無事届く事を期待しているが、ひとまずKevinのアルバムは彼らしいPavementを彷彿とさせる優しい耳心地のアルバムである。

この柔らかい雰囲気がすごくいい。

前作はPresure Kidsという言葉が一つのキーワードだったから、ある種幼い幻想のようなものが全編を覆っていたけど、今作はシングルも"Good Sex"なんて訳で、そういう幼さはない。

その意味ではBroken Social Sceneに感触は近いかもしれない。


これから発売組はアメリカ勢ではOwen Pallet、そしてThe Faintも5月にリリース。

待ってましたの新作である。

The Faintについてはシングルを聴いたが、前作までとまたベクトルを変えてきた。

前作『Faccination』であの路線は一つの完成をみたので、次がどうなるかというところが一つの焦点であったが、よりロック寄りになってきたが一方で独自のセンスは健在で、その意味で形は違えどLiarsと同じイメージであった。

フルアルバムを聴くのが楽しみである。

Owenは相変わらず上品で綺麗な音楽を期待させる曲を発表しているので、実に楽しみだ。

シングルはかなりアグレッシブで、これまでよりもテンションの高さが伺える。

独自のジャンルになるので、その意味で更に新しいものを、というのがそもそも難しい中で新しいものを求められる時代なので、どう出るかが非常に興味深い。


一方イギリスに目を向ければ、Nine Black Alpsは今回も日本盤も予定されているようで、恐らく方向的にはまた1st的な感じかなと思う。

前作は2nd的ポップ路線、その前が1st的グランジ・ハードロック路線なので、その順番で考えると、という短絡的な推測だけど。

またHorrorsもほぼ同時期にリリース予定。

前作はアルバムとしてのスケール感などは格段に上がったけど、一方で曲単位でのパンチが弱かった印象なので、そこを期待したいところだ。

シングルを聴く限りでは、路線的には前作のような方向性のようだが、そこからどうアルバムを展開するかである。

それにしても、1stのイメージからは見事に距離をとって、完全に黙らせたのは見事だね。

また日本発のバンド、Bo Ningenもリリース予定。

日本盤のリリースはアナウンスされていないから、ひとまず輸入盤を購入予定だが、無事手に入るだろうか。

ライブで一部曲を披露しているが、よりアグレッシブでストレートな曲だったのでアルバムとしてどうなるかである。

そしてすっかり表に現れなくなって久しいCharlotte  HatherleyもSylver Toungue名義でのアルバムがレコーディング発表から随分時間が経つが、今年には出るんじゃないかと期待している。

Ep以降映画音楽とかをちょこちょこやっていて、活動自体はしているがアルバムの報がすっかり途切れてしまっている。

今では唯一となった日本単独ツアーにも再度チャレンジしてほしいものだ。

そして今やすっかりセレブになったLily Allenも今年発売予定。

切れ味抜群なリリックは健在なので、変な方向で話題にならない事を祈っている。


と、ここにきてインディ勢が非常に勢いを増している。

最近はまた洋楽も一部脚光を浴びる場面があるが、ポールやストーンズなどの大物系の来日に寄るところが大きいだろう。

彼等に限らず、2000年代前半にデビューして、新しい潮流として話題になった連中が軒並みこじんまりとまとまっていたのがここ数年の流れであったが、先のMaximo Parkもそうだし、Liarsもそうだし、ここにきて従来のイメージをしっかりと引き継ぎつつ、新しい世界を見せ始めているのは一つのいい流れだと思う。

なかなか単独ライブが成功しにくい分、日本ツアーがあまり組まれないのは残念ではあるが、ともあれ楽しませてくれるのは嬉しい事だ。

他にも待っているアルバムはたくさんあるので、それらにも引き続き期待したいね。

"Mess On The Mission"