
今思い返せば2005年頃というのは非常に音楽が活況を呈していたように思う。
ところが今になってしまってみると当時話題になったバンド達はすっかり名前を聞かなくなってしまった。
Roosterという渋いハードロックバンドもあり、アブリルだかの来日時にはサポートアクトをやったが、2ndを出してほどなく解散した。
Departuresも1stのみで解散、Shitdiscoとかもいたな。
そうした解散組もいる中で、単に日本流通がなくなったり少なくなったものも多くある。
Maximo Parkなんかもホステスと契約しなければ多分日本版なんて出なかっただろうし、来月出るThe Faintも日本ではすっかり話題に上らない。
Subwaysもアルバムは出しているし現地ではライブもこなしているが、ここ日本にいては音沙汰はない。
考えてみれば、ん百とあるバンドの中で海を渡って話題になる事自体が希有な事もある訳だから、それはそれで仕方のない事なのかもしれない。
それこそマキシモもあとEnermyというバンドもそうだし、海外のフェスではそこそこの扱いで出ていたりするのを見ると、特段奇妙な事態と言うこともないのかもしれない。
しかしミーハー日本人の姿というのが端的に浮かび上がる場面の一つのように感じられるね、こういうのは。
話題になれば聴くけれど、そう出なければ興味なしという。
まあ、人生の大半は無関心なまま過ぎて行く者だろう。
時を同じくして出てきたバンドの一つにNine Black Apsがあるが、彼等は当時のバンド群から見るとやや浮いている感があった。
確かにギターなんかはいかにもなんだけど、底にあるものがNirvanaとは違ったからね。
そこはアメリカ人とイギリス人の国民的なメンタリティの違いもあるのかもしれないが、ともあれデビュー当時は王道ロック的な位置づけで、スタジアムバンドになれるぞ、みたいな絶賛レビューが吹き荒れていた。
ところが、ほどなくして彼等は話題に上がらなくなり、日本にも来なくなってしまったのであった。
しかしだからといって解散した訳でもなく、コンスタントにアルバムは出していて、今年も新譜が出る。
私は気がつけば全アルバムちゃんと買っていたね。
『Locked Out~』はCD盤は生産限定で入手できず(後日再発!)、続く『Sirens』は彼等の公式HPから直オーダーしたが普通に流通しやがった。
為替相場の都合で少し高い買い物になったのが悔やまれる。
それはさておき、今のところアルバムは大きく2つの色で分けられる。
1つは1st的な直線的で弾丸のようなとでも表現すべきストレートで力強いロックアルバム、もう一つは今少しメロディアスでマイルドな2nd的な指向。
彼等が一気に貶められた一つの要因はこの2ndのマイルドさであったと今でも思う。
個人的にはどっちもいい曲満載だし、それぞれの良さがあって甲乙つけ難いと思っている。
まあ、1stの方が好みではあるけどね。
そして3rdでは1st方向、4thは再び2nd指向と、交互にきている印象である。
そして次は5thになるわけだけど、これがどういう方向に触れるかが楽しみなんだよね。
ここではこの交互スパンを覆してほしいと期待しているわけだ。
いずれにせよいい曲は書けるので、底だけだよね、方向性。
ちなみに画像は4th『Sirens』。
ただ、やっぱりメロディがよりポップなんだと思う。
より広く受け入れられやすいのはこっちだと思うけど、彼らの魅力の一つは感情がまっすぐに飛んでくるような、攻撃性とは違うアグレッシブさというか、なんて言ったらいいかわからないのだけど、そういう衝動性みたいなものなんだよね。
私が好むバンド、音楽というのは、殊ロックにおいてはそういう衝動性って大事だと思っていて。
日本のバンドで8ottoというのがいるが、彼等にもそれを感じるので好きなのだが。
そういえば新譜が久しく出てないな。
ともあれ、日本で名前を聞かないからといってダメになっているバンドは今のところほとんど知らない。
単に日本のメディアが興味をなくしているのだろうとしか思っていないからな。
今年はまたインディロックが盛り上がりを見せているきらいがある。
要因としては、ホステスのイベントの定着にもあるかもしれない。
知らないだけでいい音楽はたくさんあるということが尽く示されているので、自ずとその周辺を中心に盛り上がっているのだろう。
また、90年代頃に名を馳せたバンド・アーティストのリリースや再結成が続いている事もあるかもしれない。
そういうトピックからまた若手バンドにも目がいくようになれば、もっと活況を呈するようになるのかもね。