なんてタイトルをつけたけど、そんな時代は随分久しい。
ライブ盤というのは昔からあるし、ビデオの頃から映像でライブを観ると言うことは特別でもなんでもない。
今ではリアルタイムで生中継するというのも増えていて、良い時代だよね、ホント。
最近私はライブDVDをあれこれ買い漁っている。
昔に買ったNine Inch NailsやMaximo Park、LITE、その他CDとの抱き合わせであった人間椅子、Queens Of The Stone Age、Salyuとか、そんな奴も掘り起こしては観ているわけだ。
以前はライブ盤ってあまり聞かなくて、スタジオ盤ばかりを聞いていた。
理由は単に曲そのものをちゃんと聞きたいというのと、アルバムとして構成されたものとして楽しみたいということがあったからである。
それが何故今ライブ盤を好んで買っているかというと、やっぱり現場で作られる音というのはアーティストの本当の実力が出てくると思うし、その場限りの1回性についての面白さのようなものをわかるようになったからだと思う。
以前の私のニーズは、曲を聴くのはCDで、ライブでは楽しく暴れるぜ!という価値観だったのだろう。
しかし、さすがに30にもなればクラウドの中でモッシュをしたりダイバーを見送ったりと言うことが主にフィジカルの理由で出来なくなってきているので、より演奏をしっかりと観たり聴いたりするようになったので、余計にそのライブごとの出来映えというのを全体感としてみるようになったのだろう。
ああ、良いライブだったなと思えるとそれを反復してみたくなるし、そのときの演奏で聴きたいと思う訳である。
そんな時にはこういったライブ盤ってのはいいですよね。
NINもフジや、今回買ったBDB、以前買ったLITEも自分が観に行ったライブが収録しているので観ていていいですよね、色々思い出せることもあるし。
さて、そんな訳で最近買ったライブDVDをいくつかピックアップ。
まず画像にも載せたアナログフィッシュの09年に行われたドラマー、斉藤さん復帰の際のライブを収録したもの。
ライブ映像と、彼等のバンドヒストリーをさっくりまとめたマンガ映像も収録されているという少し変わった趣向もあるもの。
タイミング的には『Life Goes On』の手前くらいのようで、何曲かこのアルバムからも演奏されている。
ライブが始る前、ステージに登場時にメンバー同士で向かい合ったときの感慨深げな感じがなんかすごく感動的である。
特に健太郎さんの噛み締めるような顔が印象的で、一方冷静な下岡さんとが対照的で、このバンドの在り方を良く表している。
アンコールで演奏された”Life Goes One”が歌詞も相まって素晴らしいですね。
ちなみにこのライブは10月10日に行われたのだけど、この年以降彼等にとって10月10日は定例イベントの日となっており、昨日はタウンミーティングと言うことで全席指定のアコースティックなライブがあって行ってきた。
全席指定でライブを観るのは初めてだったのだけど、ライブのテンションもいい感じに緩くて、すこし違った楽曲のアレンジとメンバー自身もリラックスしたムードも相まってよかったですね。
私も年を取った、いや大人になったのかしら、なんて思いつつ。
ここでは普段下岡さんがリードを取っている曲を健太郎さんが歌っていたりして、新鮮でしたね。
この曲は歌詞が本当に素晴らしい。
そういったライブ本編もさることながら、終始ハイテンションの健太郎さんとそれを優しく見守る下岡さん、たまに冷静な突っ込みとさりげない下処理をする斉藤さんという構図がなんだかおもしろかった。
このバンド、仲いいんだね。
いやでも、健太郎さんてやっぱりちょっと変わっているよね。
次はその前に行ったBDBのライブ。
DVDの内容は、新譜を出したタイミングでのライブと20周年イベントのときのものを収録した2枚組の豪華版で、ライブ当日からの発売とあって、物販でめっちゃ並んだ。
その日のライブも曲含めて非常によかったし、演奏も安定感があってすごく良かったのですね。
実はまだ20周年の方しか観ていないのだけど、そのライブは観に行ったからそのときのことも思い出しつつ。
このときはゲストも参加して非常に面白かったのだよね。
ただ、同時に客席でバカがいて少しもめていたので、それも思い出してしまうのは残念だけど、それでもライブは素晴らしかったね。
最後にこの間買ったDownyについて。
このライブ盤は活動休止前の総括的なものだったのだけど、首謀者の青木ロビンのインタビューを読んでいる時にその存在を知ったのでアマゾンでかったのですね。
DVDの方ではPVとLIVE映像が収録されているのだけど、彼等のライブでは昔からVJがついていて、メンバーにクレジットされているのでそれ込みで表現をしているバンドである。
それこそ2000年代初頭でその発想もすごいのだけど、こうして改めて純粋な映像作品であるPVとライブが並列に成っていても違和感のない世界観があってびっくりする。
序盤はPVなのだけど、そこからライブ収録に移行しても違和感がない訳で、演奏もほぼ完璧だし映像的にも地続きに成っている。
編集力も見事。
このバンドの曲は変拍子というか、めちゃくちゃリズムも複雑だし、ヴォーカルも言葉のはっきりしない曖昧な歌い方だし、これを完璧に再現するってどんだけ演奏力あんだよという話である。
ちなみにこの当時のことを件のインタビューで語っていたのだけど、とにかく練習しまくっていたし、かなりバンド間の緊張感もあったのだとか。
いやでもこのクオリティのバンドがアンダーグラウンドだなんて。
まあ、少なくともメジャーではないか、カラオケでは歌えないから日本では売れないよね。
勿体ない。
でも、ライブ盤とスタジオ盤がここまで大差ないというのはやっぱり一つの理想型なんだろうね。
大差ないというと語弊があるけど、要するに徹底しているということである。
と、ひとまず最近買ったものを書いたのだけど、いずれにせよライブではバンドメンバーも観られるからその関係性も見て取れるし、それにより楽曲から得られるムードについての納得間を得ることもあって、やっぱりライブをみてなんぼ、というところはある。
スタジオ盤はまったく否定しないけどね。
そしてこうやって映像で観ていると、やはり現場に行きたくなる。
会場では音が耳ではなくて全身に降ってくるから、それも音源で聴くのとは違った音楽体験になるから、色んな楽しみ方をする方が豊かになるよね。
なかなか平日は仕事の都合で行けないから、こういうので少し補ってフラストレーションを発散する目的もあるんだけどね。