音楽放談 pt.2

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価値観が通じるということ ―MC The Boss

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始めに断ってしまうのだけど、今回は音楽の内容そのものについては余り振れない。
 
どちらかというとその精神性みたいなところに焦点を当てつつと思っている。
 
 
とはいいつつも、とりあえず簡単に。
 
先頃Tha Blue HerbのBossがソロ作を出した。
 
トラックは様々なゲストを招聘してのもので、普段のTBHとしてとは違う雰囲気があってカッコいい仕上がりに成っている。
 
リリックとしてはこれまでの彼の音楽生活を振り返るような内容で、非常にパーソナルなものであるため、感触としては3rd以降のものに近いだろう。
 
客演もあるのでそのやり取りも含めて聞き所は満載である。
 
まだ全然聴き込めていないので、まだ感想なんて練られないのだけど、いずれにせよ今の私にはなかなかしみるものもあるからこれからじっくりと聴いて行きたい。
 
 
そのソロ作に先立つ形でリリースされたのが、これまでのコラボ作をDJがミックスして一つなぎにした作品。
 
純然たる客演集ではなくて、それを編集して綱いているので、個々の楽曲を楽しむと言うよりは色んなものを流れで観て行く感じである。
 
私は全てではなくていくつかは聴いたことがあったけど、中でもタワレコの企画で出されたクラムボンとの共作”あかり from Here”、それとYouTubeにも上がっている"Ill-Beatnik"を聴けたのは良かったね。
 
また曲を個々に購入して行こう。
 
 
で、ここからが今日の本題なのだけど、私が普段聴いているのはロックとカテゴリされる音楽が大半で、そもそもそんな私が彼等の音楽を聴いているきっかけは、何より彼の価値観というか、スタンスというか、そういうものに共感のようなものを感じたからである。
 
私は多分、年齢の割に頭が古いというか、価値観としてはあまり現代的ではない。
 
人からもよく言われるし、なぜか昭和世代の割とぎらついたおっさんに好かれるのもどうやらその辺りが理由らしいのではないか、ということが最近なんとなく感じられるところである。
 
一方で女の子と話すと大体の場合、よくわからない人と言われるのだけど、その辺りの価値観というか、基本的な物事の見方というのが違うのだろうということに気づかされる訳である。
 
 
話をTBHに戻すと、彼等は野心をむき出しにした1stで世に出て来た訳だけど、自分の力をのみ信じ、一方で他人を落とすようなことはしないし、状況については客観的に見つめながら、まだ上を目指して行くようなスタンスを常に貫いている。
 
近年では周りへの感謝とか、テーマ的にはパーソナルなものから少し社会体な視点に広がっているけど、根本にある価値観は変わらずあるだろうし。
 
彼等の曲には名作が多いし、”時代は変わる””未来は俺らの手の中”などは珠玉だと思う。
 
個人的に扱っているテーマが共感できるというのもあるからだけどね。
 
 
昨夜は会社の営業の奴2人と飲みに行った。
 
私は今度転職するのだけど、其れに当たってという感じなのだけど、そこで感じたのは彼等との価値観というか、ものの見方の根本的な違いというところだった。
 
はっきりいって、すごくモヤモヤしたものを持ち帰っただけに成ってしまって、なんか残念な気持ちにしかならなかったのだ。
 
 
私がいる会社は所謂ベンチャー企業で、やっていることも特徴があって業界ではそこそこ知られている。
 
評判は良くも悪くもあるんだけど、結果を残せばそれが一つの正義であるのはどこの世界も同じである。
 
私は25歳の時にこの会社に入ったけど、入った理由は「キツい経験をしておきたい」と言う、今考えればマゾヒスティックなものであった。
 
もっともそれが快楽だと言う話ではもちろんなくて、年を取ってからだときっと過去に縛られてそこに拘ってしまう自分がいる気がしたので、何も持たない今こそ叩きのめされる経験をしておかないと、と思ったのですね。
 
当時から私の中にあった大きな価値観は、自分の価値をどこまで高められるか、存在意義をどこまで示せるか、其れが存在理由だというもの。
 
だからこの5年はかなり必死に頑張っていたし、お陰でスキルも何も当時とは比べ物に成らないくらいレベルが上がったという自負がある。
 
入社当時、1年経っても「お前誰だっけ」と社長に言われたが、今では退職が受理されたその後で尚「お前はなんだかんだで戻ってくると俺は信じてるから」なんて言ってもらえるくらいになったのは、私に取っては非常に大きかった。
 
面接で今よりもぎらついたこの社長にボコボコにされたから、絶対認めさせてやる、と思って入社したから、それは見事に果たされた。
 
もちろん完璧ではないし、足りない部分がたくさんあるけど、私はひたすら自分を高めることにしか興味はなかったし、下克上上等の精神でやっていたので、この会社の環境は非常に良かったのですね。
 
それでも不満もあって辞めるに至った訳だけど、少なくとも全て自分の中に原因は求めてきたし、だからこそ今の自分があると思える。
 
 
で、昨日飲みに言った2人は後輩に当たるのだけど、2年半くらい前に入社したほぼ同期の2人だった。
 
そんな2人の口からでは話というのは、気持ちはわからなくはないけど、詰まる所「そもそもなんでこの会社に入ったの?」というところから疑問でしかないものであった。
 
給料が安い、管理体制が成ってない、上司が気に入らない、等々、別にいいんだけど、そこは最初からわかってたんじゃないのかと。
 
また、言うに事欠いて出てくるのは「前職では評価されていて云々」といった話。
 
私が25歳当時危惧していた状況の人間は見事に2人揃っていて、びっくりした。
 
2人とも仕事自体は頑張っていると思うし、大変な中でそれぞれに一生懸命やっていることは否定しない。
 
だけど、出てくる愚痴や得意げに話す内容を聴いていると、価値観が違うんだということばかりが浮き彫りに成って、話していてしんどいのである。
 
私は愚痴を聴くくらいならそうどうということはないのだけど、実は私の周りにこれまでいた連中はそれなりに向上心もあったり、野心はなくてもある程度のポジティブな方を向いている奴が多くて、何かしら楽しい結末を向かえられる奴が多かったのだろう。
 
少なくとも、でもやるしかねえ、とか思える奴らだった。
 
ところが、この2人はいつまで他人に理由を求めているし、人の言葉で人を批判する。
 
他人の見せた弱みにも唾を吐くような(とまでは言わないけど)ところもあって、でも肝心の自分はそこに対してどう打開していくか、みたいな話しは微塵も出てこないのである。
 
もうこの2人と飲みに行きたいとは思わなかったものな。
 
業務上は負荷もかけるから申し訳ないなと思うけど、前向きさのない連中にかける言葉は私にはない。
 
2人とも30過ぎの大人だから、まあそれぞれ好きにやってくれとしか思えない。
 
 
今日は全然音楽とは関係のない話しだけど、音楽でも日常の会話でも、価値観の通じ合えると感じられる瞬間そこに共感は生まれるし、耳を傾けるし、そこに時間を使うこと、共有することに喜びを覚えるものである。
 
違う価値観を否定する、という話しではないし、受け入れないという排他的な態度を表明したい訳じゃない。
 
違う価値観から受ける刺激もたくさんあるし、それが自分を新しくすることもあるから其れ自体は歓迎されるべき事態であるのは間違いない。
 
だけど、その交わる価値観があまりにベクトルが違いすぎると、やっぱり受け入れるのは難しいのは確かである。
 
どうしても好きになれない音楽があるとすれば、それはそういうところに起因するのだろうと思う。
 
そんな私は、Bossのリリックはすごく刺さるし、素直にカッコいいと思えるし、男なんだからこうでなくちゃ、と思う訳だ。
 
 
下記ライブ映像はそんなことをよく感じさせてくれる素晴らしいライブ映像である。