音楽放談 pt.2

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瞬間のパッケージ ―Slipknot

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先日Slipnotのライブ盤を買ってきて今聴いている。

リリースは2005年なので、既に10年も前である。

マジか!とそこでちょっと驚いてしまった。

初めてSlipknotを聴いたのは友人から借りた1stだったけど、大学生のときだから考えてみればその時点が既に10年以上前である。

3rdまでリリースされた後のライブだから、バンドとしても一番脂も乗ってきたくらいのタイミングではなかろうか。

レビューではコリィの声がとか、録音が悪いとか、収録曲で意味不明なのがあるとか色々言われているが、曲によって確かに声が出きっていない印象のものもあるにせよ、総じてこのアルバムは良いライブアルバムだと思う。

音も十分に強いし、ライブ的臨場感も感じられるものになっていて聴いていて素直に楽しくなってくる。

2枚組という大ボリュームだが通しても余裕で聴き通せてしまう。

選曲も確かにヒットメドレーではなくて一部コアな曲も入っているけど、その方がやっぱりバンドの魅力伝える為にはいいだろう。


私が彼等のライブを観たのは1回だけで、2005年のサマソニであった。

この年はNine Inch Nailsがトリで、マッドもラインアップに加わっていたヘヴィな組み合わせであった。

私自身初めてライブに行ったし、だから当然NINもマッドも初めてだった。

しかもマッドについてはこの後ほどなくして活動休止(実質解散)してしまったため、これが最初で最後になってしまったときである。

今でもYouTubeに映像があるのだけど、さすがにSlipknotのライブでは密度が凄まじく、私は最前列のエリアにいたのだけど、押しつぶされて死ぬかと思った。

朝からはしゃぎすぎてメインのNINの時に立てなくなるという失態もおかしたけどね。


そんなSlipknotも昨年もアルバムを出して引き続き活動している訳であるが、アルバムの評価はまあ堕ちていく一方である。

メインソングライターであったところのポールが亡くなって、更にドラマーのジョーイも脱退、今も新メンバーを入れているが、サウンドの要になっていた2人が抜けた穴は大きかったと言わざるを得ないだろう。

ヴォーカルもデスヴォイスが出辛くなっている印象はあるし、そもそもの楽曲も良くも悪くもではあるがかつての憎悪と攻撃性の塊のような音からは遠ざかっていくばかりだ。

もちろん良い曲もあると思うし、カッコいいと思う曲もあるのだけど、そんなにいつまでも聴いているかと言えばそうでもない、というのが正直なところでもある。

個人的には『All Hpe Is Gone』よりは最新の『.5 The Gray Chapter』の方が好みではあるが、しっかり作り込まれていると感じるのは前者だし、新譜は印象に残らないのである。

凄まじいとも感じないし。

それどころかバラード調の曲までやってしまってはなんだかなぁである。

普通のバンドになってしまったかのようで。


時間が経てば音楽性は変わるし、いつまでもデビュー当時の攻撃性なんて保てないし、それを通したら却って伝統芸能化していくだけになるからそれは否めないけど、それでもやっぱり寂しい思いもするよね。

とはいえ、感情を表現した音楽はいつまでも維持できないし、むしろ維持できるなら逆に大丈夫か?という話にもなる。

これはこれで完成してて、バンドとしては音楽をどう発展させるかという視点で新しいこともやっていかないとね。

もっとも、インパクトが強烈な故にかえってそのバンドが縛られてしまうのは仕方ない側面もあると思うけど。


このライブ盤はファンからは賛否両論だけど、良いアルバムですよ。

もう戻ることのない瞬間をパッケージ(といってもライブ一本録りではないが)されているのが、ライブ盤のよさですよね。


Live from Summer Sonic 2005