音楽を作る人の頭の中は一体どうなっているのかと、そんな才能も能力もない私のような人間からするといつも思うわけだ。
それこそ素晴らしいメロディに複雑ながらポップなリズムとかもそうだし、売れ線、クソプロダクトなどと批判してみるものの、自分では作ることはできないだろう。
もっともだから批判してはいけない、というと批評が成り立たなくなり、文化は衰退してしまうからそれとこれとは別の話である。
ともあれただでさえそんな訳の分からなさを孕んだ音楽作りだが、アヴァンギャルドという音楽については尚それを思うわけである。
以前に一度だけライブを見たSajjannuというバンドなどその極みである。
聞いているとただ無茶苦茶にやっているだけに聞こえるが、実は全てきちんと楽譜があって、それに沿って演奏しているというから驚きた。
通称「世界一記憶力のいいバンド」である。
ネタだろ、としか思えないから是非一度聴いてみてほしい。
こうして聞くとちゃんと音楽しているところもありますね。
衝撃がどれだけ凄かったかである。
さて、そんな複雑怪奇な音楽をやっている連中は大体の場合ポストロックというジャンルとして括られる場合が多い。
いま少しテクニカルさとが際立つとマスロックという言葉も並立するようになるが、実は本質的な意味でもポストロックとはもはや違くて、素直にインストロックと呼べばいいだろうといつも思う。
そしてさらに上述のSajjanuのようなバンドはアヴァンギャルドとかカオティック系とか呼ばれるのだろう。
その中間的なところにいるバンドとしては、一部では伝説的に語られる京都のNuitoというバンドがある。
私も知ったのは最近のことなのだけど、アルバム1枚だけ出して活動休止中だったらしいのだ。
それが今年活動を再開して、ライブも2本だけだが行うことが発表された。
これは行きたい、というところでこうして記事を書いているわけである。
彼らの音楽も大概カオスである。
ライブではこれをばっちりこなすというから演奏技術は相当なものなのだろう。
海外ではDillinger Escape Planみたいなバンドがまあまあの規模で人気があったり(Nine Inch Nails
のツアーサポートをしたこともある)、日本では圧倒的にアングラでしかないような音楽でもある程度人気になれる土壌があるらしい。
イギリスでもBo Ningenがフェスの常連だったりするし、LITEとかもツアーに積極的だ。
Nuitoもそんな日本のアングラとんがりロックとして人気があるのだろう。
残念ながら私には彼らの音楽を語れる語彙はないのだけど、そこはかとなくメロディアス、明らかなカオティックという感じで、聞いていて非常に面白い。
ライブは狭い会場だけど、チケットは取る予定である。
最近邦楽バンドの方が売れ行きもライブ動員も多いだろう。
一方で人気になる音楽はどんどん偏っている気がする。
一部奇妙奇天烈な曲が人気を博すこともあるけど、それも一ジャンルとして捉えた時に実は広いものが受け入れられているわけでもないように思うし。
いいバンドはいっぱいあるよ。