音楽放談 pt.2

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本領発揮 -AA=

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先週AA=の新譜が出た。

その前後では楽曲提供やコラボ楽曲も発表しており、活動は非常に活発であった。

間にはSchaftの活動も挟んでいたのだけど、そこで彼なりに色々振り返ったり自身を見直したりしたのだろう、今回のアルバムはこれまでで一番アグレッシブというか、単に攻撃的だとかという意味ではなくて、楽しんで作ったんだろうなというのが伝わるような気がする。

今までで一番マッド時代を感じさせるし、一方でここ数年のAA=像はしっかりと出ているので、充実策と言っていだろう。

歌詞を見ていってもかなり社会的な表明もあるけど、表現の仕方としては端的な単語を紡いでいくようなスタイルなのでそこまで気にしなくても聞けるので、単純なポップソングとしても楽しめるだろう。

かなり主張が強いけど、英詞と日本詞の混ざっているのもポイントなんだろうね。


今回はリードとしてコラボ3曲があったわけだけど、1発目は女性ヴォーカルjmを招いての”→MIRAI→”だったけど、歌詞は端的な単語のみで、歌という感じではない。

女性ヴォーカルだと印象が柔らかくなるので、今までとはやはり違う印象にはなるけど、かと言ってBabymetalなどのような感じではなくあくまでもAA=の曲であるのは、やっぱりそういう要素がちゃんとあるのだろうね。

続くはKjとの共作"M Species"。

イントロから懐かしの"High Side"だし、歌詞も引用しているからファンならわからない人はいないだろう。

ちなみにこの曲。


Kyonoががどかちんみたいだ。

このアルバムは彼らにとっても一つの集大成的な内容だったので、大きなポイントなのは間違いないだろう。

それにしても、この頃からTakeshiのベースってすでに色があるよね。

かっこいい。

実際"M~"でも冒頭で彼のベースがブリブリいっているのを聴けるけど、この音好きですね。

マッドでも後期ではあまりベースをガンガン弾くよりはアクセント的に使うようなスタイルが多かった気がするけど、Schaftでベーシストとして参加したこともあってか全体的にベースが立っている曲も多くて、それもすごくいいのである。

そしてコラボ楽曲の最後は今をときめく日本のラウドバンドの代表格2組のヴォーカルを招いたラウドな1曲。

スクリーム全開でわかりやすい曲でもある。

彼らの声も手伝って、収録曲中でも彼らのキャリアの中でも少し異色な作品と言えるだろう。

デスヴォイスが綺麗に出るなら、カラオケで歌っても楽しいかもしれない。

受けるかどうかは知らないが。

とりあえずかっこいいのは確かである。


そんなコラボ楽曲お適宜配置しつつ、アルバムとしてのキー曲はアルバム発売と同時くらいでPVが公開された"Such A Beautiful Plastic World!!!"。

一連の作品でもアートワークを作成していた人を起用したMVで、歌詞の世界も今という時代を彼なりに見つめた時の思いとかを表しているけど、インタビューで語っていた内容を考えても、彼のこれまでと同じ価値観の中で歌われているのがわかる。

「狂っているのは社会か自分か」という葛藤は、しばしば彼の楽曲には登場してきた葛藤である。

それこそマッドの1st「Humanity」に収録している”Dear歩行者天国”という曲があるが、そこでも直接的に描かれているし。

ただ、出口が他者への攻撃的な姿勢から世界に対する希望という方向に向かっていくのは変わったところなのかもしれない。

かなり攻撃的なトラックが多い中で、この曲は一番AA=らしい曲になっている。


その他もかなり遊び心のある楽曲もあり、中でも"Battle Field"は非常に面白い。

Takeshiの打ち込みと2人のドラマーのインプロバトルがかっこいい。

また、特に序盤の曲はデジタルハードコアな曲が満載で、特に旧来のファンには懐かしさとともにテンション上がるだろう。


すでにこのアルバムのツアーはスタートしており、東京は6月にライブがある。

全公演ソールドアウトしたようなので、やはり期待値も高い。

まあ、ライブ自体あんまりやらないからその希少性も当然あるけどね。

私は『#3』の時のツアーは仕事とかで行けなかったが、それ以外は何かしらの形で見ている。

前作『#4』ときのライブも盤石といった感じでよかったけど、今回のツアーはまた一皮むけて楽しいライブになるんじゃないかと期待している。


それにしても、こうしてみてみるとやっぱりTakeshiってプロデューサー的というか、他の人をうまく使うのが上手なんだろうと思う。

実際コラボ楽曲はどれも彼の要素がありながらそれぞれの色がちゃんとあるし、かつてのマッドでもKyonoという強烈なヴォーカルがいる中でポップさと攻撃性のバランスが抜群だったわけだけど、そういうのを改めて感じる作品になっている。

一方でベーシストとしてもかなり主張しているから、人を立たせることで結果的に自分自身も前に出てくる形になったのだろう。

違う形でのバランスの取り方なのだけど、これが見事に功奏している。

これまでも曲そのもののクオリティは高かったし、バンド(プロジェクト?)として着実に進化してきたのは確かだけど、このアルバムについては進化というよりは脱皮という方がしっくりくる気がする。

彼自身も「マッド的なものを解禁した」と明言しているだけに音に聴いても開けているし、一方でこれまでそうしたものを意識的に配してきたからこそ醸成されたものも当然あって、それがうまく溶け合っている感じがして、まさに最高傑作といっていい出来になっているだろう。


このアルバムは非常に素晴らしい。

ぜひ客演バンドのファンも、Schaftで軸の人として知った人も、一度彼の音楽を聴いてみてほしいですね。

"Such A Beautiful Plastic World!!!"