音楽放談 pt.2

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水面の光るゆらゆら感 -Animal Collective

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来週にはもう9月である。

早すぎないか?

なんだか今年の夏はそれほど暑かった記憶がなくて、梅雨が明けた後の方が梅雨っぽく雨ばかりだった気がする。

猛暑と言われていたが蓋を開けてみれば冷夏ではないのだろうか。

といっても気温は30度は超えていたようなので、単に夏の暑さの基準が上がったのだろうか。

ともあれいつの間にか水不足の話もなくなって、もうすぐ秋だ。

まだまだ暑いけど、こうして台風を見送っているうちに冬になっているのかもしれない。

本当にそうなっていそうだから、毎日をもう少し充実させたいものだ。


そんな夏の思い出というと、あんまりないね。

1人で奥多摩へ出かけて川っぺりで小1時間ばかりポケッとして、その後川辺を歩き回ったくらいのものか。

後は先日のサマソニ、ホステス。

昨年も思ったけど、夜に行くと夏フェス感は極端に減る気がする。

ましてずっとメッセにいるし、ほとんど合間なくライブを見ているので、季節感もクソもないのかもしいれない。

いいんだか悪いんだか。


といっても見たライブはいずれも良かったのだけど、個人的に非常に印象に残っているのはAnimal Collectiveである。

もちろん他のライブもすごく良かったのだけど、何がそんなに印象的だったかって、あんなにポップなライブ空間があのライナップの中で異質だったし、ただでさえアヴァンギャルドな音楽性でわけのわからない楽しさがあったけど、あれがライブであんなに映えるとは思っていなかった。

EDMでもないし、むしろ力の抜けたゆるい音楽なのにあんなにダンサブル。

もう一回ライブ見たいもの。


私が彼らを始めて聞いたのは、ご多分に漏れず日本でも話題になった『Merriwether Post Pavilion』であった。

当時はLCD Sondsystemを中心としたディスコパンクというのがまさに全盛のようなタイミングで、あちこちの雑誌でインタビューも受けていた。

その中で触れられていたBlack Diceをまずは聞いていて、その後でGang Gang Danceへ行って、最後にアニコレにたどり着いた。

普通逆だろうと言われそうだが、なぜそうなったかはわからないけど、多分偶然である。

当時ブルックリンのアヴァンポップ御三家、などと例によって日本では御三家括りにされていたわけであるが、キャリア的にも位置付け的にも中心はアニコレであった。

Black Diceのアルバムは確か『Load Brown』だった気がするが、それを比べるとだいぶポップに感じた。

実際そのアルバムはそれまでのアルバムに比べて格段に普遍性があがったということもあった。

音色的にはシンセ主体のカレイドスコープなカラフルサイケポップで、頭おかしい人の音楽だと思ったものだ。

しかし、得体がしれないながらに終始ピースフルで暗さの全くない音楽は素直に楽しかったね。

 "My Girl"でパーーッと光が広がっていく感じから、ゆらゆらしながら漂って、"Summertime Clothes"で1回山場を迎える印象である。


その後もなんといっていいかわからないけど、水中から水面を眺めるような景色がずっと広がっている感じである。

ラストの"Brother Sport"までずっと夢見心地サウンドである。

奇妙なポップさなので初めは戸惑うが、素直に受け入れると聞いていて楽しくて仕方ない。

これ以前のアルバムはもう少し実験的な色合いが強い印象があるし、この一つ後のアルバムはアヴァンギャルドさを強調したような音楽になったので、そのバランス的にもこのアルバムが一番いいのかもしれない。

新譜についてはようやく今日買ってきたので、これから聞いていくところである。


こういう底明るい音楽に救われる瞬間ていうのが確かにあって、そんな時に彼らの音楽は非常にはまる。

また来日する時には、音源は理解できないという人でもぜひ足を運んでみてほしい。

ライブではもっと肉体的になって、とりあえず楽しいから。


”Summertime Clothes”