音楽放談 pt.2

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大物の野心 -Red Hot Chili Peppers

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80年代から90年代に中心にいたバンドたちもすっかり大御所という年齢になってきた。

鬱全開で世に受け入れられたReadioheadなんかは相変わらず変化しながらアルバムを出すごとに賛否両論を呼んでいるからすごいなと素直に思う。

ひたすら賞賛しかされなくなったら、それはもう評価されていないのと同じで、固定ファンが喜んでいるだけの現象だと思うから。

変な話ずっと変わらない音楽性のバンドの場合ですら曲の良し悪しとか、こなかなところで批判的な意見が出てこそ、現役といえるのではないかという気がする。

私の好きなNine Inch Nailsにしても、近作は世相的な革新性というよりは彼個人の音楽史においてどうか、という視点になっているのが実際だ。

私は好きなので現時点での最新作『Hesitation Marks』は非常に良いアルバムだと感じた。

けど、かつての強烈なまでに何かが押し迫ってくるようなものではなくて、良くも悪くも作品としてのクオリティという側面にフォーカスしているような感じがあって、彼が作品と一歩距離を取れているようなところがいいやら寂しいやら、そんな気持ちになったものだ。

自己表現能力の高い、要するにアーティストとしての能力が高いほど作品に自分が投影されると思うのだけど、トレントもその能力は抜群に高い。

それゆえにその根本的な変化が作品が滲み出てくるので、否応にも感じてしまうわけだ。

もっとも40過ぎてまだ死にたいとか言い続けていたらそれはそれでついていけないかもしれないけどね。


で、そんな大物バンドの一つで、今年フジロックにも来たのがRed Hot Chili Pepperである。

私は『By The Way』から聴き始めたライトなファンで、過去作もそんなには聞いていないので語れるほどではないというのが正直なところだ。

新譜もコンスタントに出しているが、前作では映画か何かのタイアップ曲があったり、Mステに出たりとなんかすっかりおっさんバンドになっちまったのか、なんて思わせる感じがあった。

私は元々彼らの熱心なファンでもなく、聴くには聴くという程度なので熱心なファンの反応はそうでもないのかもしれないが、少なくとも近作はピンとこなかった。

ぶっちゃけ2枚組の力作『Stadium Arcadium』も良い曲は満載の確かに良いアルバムだと思ったけど、なんかこう、ピンと来なかった。

前作『I'm With You』については、2回聴いてそれきり聞いていない。

まったくといっていいほど引っかからなかったのだ。

その割に評価としては賞賛が多く、その状況になんだか白けてしまったね。

まあ、何かのタイミングで1回くらいライブ見たいかな、くらいの位置付けであった。


そんな彼らの今年出た新作だが、これがなかなか良かった。

この間友人から音源をかりたばかりなのでまだ1回しか聴いていないのだけど、近作にない力強さとか、ちょっと違う色合いもありつつ彼ららしさも感じさせるもので、今の彼らの野心というか、そういうのが滲みでている感じがしてよかった。

派手な曲はないし、この1曲でもっていくというような強烈なキャッチーさもあるわけではないけど、アルバム通して聴いたときに統一感もあってダレないし。

良い意味で落ち着きがあって、その上でテクニックも含めしっかり実力を示したようなアルバムで、ここにありを示した感じだと思う。


大物であぐらをかく連中が多い中で、なんだかんだこの年代のバンド連中ときたら元気だし、いつまでもとんがっているからかっこいいなと思う。

売れることは良いことだし、それで地位を上げていくことは全く否定しないけど、そこに胡座をかくような奴には魅力は感じない。

レッチリもそういうポジションにいてもおかしくない成功を収めているけど、こういう野心を見せてくれるとやっぱり興味もわくよね。

ちなみに今度Baby Metalをツアーの前座に誘ったというニュースが話題になった。

どっちも海外での評価の方が正当なんだけど、そうやって新しい世代にも何かを残すようなあり方も、素晴らしいなと素直に思うよね。

もっとも、彼らにした単に面白うだから、くらいかもしれないけど。