音楽放談 pt.2

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誰かの夢のなか -他人の夢

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最近なんとなく聴いていて気にあった曲が2曲ある。

同じテーマというかモチーフの曲なのだけど、扱っているのは夢。

でも、いわゆる前向きなドリームではなくふわふわと実感のないものとしての夢。

寝ているときに見る夢に近いものである。

何かと言うと、一つはアナログフィッシュの”夢の中で”。

Youtubeでは音源がなかったのが残念だが、歌詞の内容としては訪れた彼女部屋の、その子の匂いを感じられない空気になんとなく違和感を感じるようなものである。

壁のポスターは、音楽の趣味は、コーヒーや食べ物の趣味は、彼女の趣味なのか、それとも別の誰かに影響されただけなのか。

どこか現実感のない感じに「誰かの夢のなかで暮らしている気分」と歌われる曲だ。


そしてもう1曲はOrge You Assholeの”他人の夢”。

なんとこっちも音源がなかったのだけど、こちらは居酒屋で語られる夢、という感じがする。

なんとなく正論みたいなことで、そうなるときっといいんだろうなと思える姿なのだけど、結局そうはならないだろうと誰もが思っているような姿を描いているような印象がある。

結局どこにもたどりつかないような感じがあって、こっちの方がやるせなさみたいな感じがある。

発売時期も割と近く、描き方は違うにしてもいずれも現代社会の一端を描いているところがあって、それでも表現の仕方が違っているのが面白い。


アナログフィッシュの特に下岡さんの詩の特徴は、日常の観察や何気ない風景から社会を切り取ることだろ思っている。

一方のオウガの出戸さんはもう少し寓話的な描き方をしている。

伝えたいこととか感じている感覚というのは、極身近であるはずのことは全く現実感を得られないアンビバレントな感覚だと思うのだけど、それを業表現するかというのが面白いわけだ。

こういうところが表現者としての感性とかなんだろうね。

下岡さんの人柄的に、なんとなくそういう現実味のなさを気にしながらちょっと楽しんでいるような感じもあるのに対して、出戸さんの方がなんか途方に暮れてしまうかんじがあるというか。

まあ、それは私の受け取り方の問題かもしれないし、耳に入る音楽の印象もあると思うけど、いずれもアーティスト的な感性が強いから、やっぱり描く世界はそれなりに反映しているものがあると思うのだよね。


世の中には同じテーマの曲はたくさんあるわけだけど、同じものをどう切り取るのか、ということを見ていると面白いよね。

果たしてどういう表現に共感できるのかということを考えるだけでも自分の人間性も暗に見えてくるし、そういうのを探してみるのも自分探しである。

そんなことを考えながら歌詞を解釈してみるのも面白いですよね。


ちなみに、画像はNine Inch Nailsの名盤『The Fragile』のイメージ画像の一つ。

私の中でこのアルバムはどこか夢現の感じがある。

アルバム通してどこかぼんやりしているものが、次第にはっきりしていくような展開も含めて音楽からイメージするということを最初にさせたアルバムといっても過言ではないのである!

ま、それはともかく、何気なく行き流すだけでなくて、共感できる要因まで掘り下げるのは楽しいでので、是非やってみてほしいですね。

"Into the Void" by nine inch nails