音楽放談 pt.2

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音像の向こう側 -downy

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昨日はDownyのアルバムツアーで渋谷へ。

彼らのライブはこれまで2回見たことがあったけど、対バン、イベントだったので単独は初めてだ。

今に至るも日本のアングラ系バンドに与えた影響はとても大きく、それこそ海外で成功したMONOやenvyらとも共振する轟音系ポストロックとして、ヨーロッパなんかでも人気があるらしい。

しかし、彼らはそんなにライブもしょっちゅうやっているわけでもないので、もうすこし欲を出して精力的ならきっと今も違う環境だったかもしれない。

もっとも、彼らは音楽以外にもそれぞれに活動をしていたり、Downy以外にもバンドをやっていたりするから、そう言ったものとのバランスがあってこそかもしれないけどね。


彼らの音楽は、かなり複雑である。

わかりやすいのはドラムだけど、一体どこでリズムを取っているのかさっぱりわからないくらいの変拍子かつべらぼうに手数も多い。

ギターはギターで狂っているし、ベースがまだバンバン前に出てくるからこれがまたクソかっこいい。

そしてヴォーカルは何いってるかわからないけど、その爆裂な轟音の中で浮遊するような感じがすごくはまるのだ。

ライブでは過剰なアレンジはなくて、アルバム通りに曲が演奏されるスタイルなのだけど、彼らの場合そもそもそのまま生で演奏すること自体が凄まじい。

あれ、ちゃんと演奏できるんだ、なんて変な感動の仕方であるが、空間をぐわんぐわん揺らすのが実に気持ちいいのである。


で、今回は新譜のツアーでありながらもセットリストは新旧織り交ぜた割と万遍ない感じで、ある意味ベストセット的な感じであった。

彼らの代表曲もやりつつ、そこに挟まる新譜の曲も全て見事に溶け込んでいて、見事である。

ただ、新しい曲の方がより複雑だよな。

新譜は特にエレクトロニクスも結構入っていて新機軸もあるものの、何の違和感もなく響くのは彼らの世界がそれだけしっかりと存在しているということだろう。

しょっぱなからクソうるさい音楽だけど、まあ気持ちいい。

MCもほぼ皆無でひたすら演奏が続くライブは、1時間半ほどで終了したが、本当にあっという間だった。

アンコールもなしに終わってしまうから、まさに嵐のようであった。

こんなにかっこいいのか!?とびっくりした。


このツアーはさすがのソールドアウトで、まさにすし詰めの会場であった。

ほとんど身動きも取れない中だけど、そもそも踊らせるような音楽ではないので、ほとんど圧倒されているだけの空間だったろうね。

ほんと、ずっと聞いていられるよ。


やはりアーティストによって音楽を通してみせるものって違うんだなとつくづく思う。

それこそ先日アコースティックライブを見たアナログフィッシュは、明確に歌が肝にあるアーティストであって、その意味では言葉の音楽でもある。

一方のDownyはもちろん言葉に意味がないとは言わないけど、それ以上に音像というか、そういったもので訴えてくるアーティストである。

ある意味ではgoatの日野さんと感性が近いかもしれないと思う。

正直そこまで彼らの音楽を理解しているとは言えないけど、音楽(彼らの場合映像も)を通して違う世界を見せるようなところがあるように思う。

非日常、というか超日常とでもいう方がいいのかもしれないけど。


いずれにせよ、今月は来週も再来週もライブへ行く予定なので、こういう視点で聞いてみるのもまた面白いのである。

音楽の楽しみ方も多様なので、そういうのを自分なりに発見していくのも楽しいよね。