音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

simple in a moonlight -Bright Eyes

イメージ 1

以前にもすこし書いたけど、このブログにもアクセス解析機能が僅かだがついており、どんなキーワードでこのブログに来ているか、どの記事のアクセスが多いか、PV、UUなどが表示されるようになっている。

それを見るのは結構面白いくて、機能としては本当に申し訳程度のものだけど、意外なキーワードから上がっているものもあれば、このブログタイトルでたどり着いている人もいたり、あるいは記事の内容とかタイトルで印象に残ったのか、そうしたワードで来る人もいる。

こうして書いている身としては、単なる自己満足にもかかわらず記憶に残るというのはやはりうれしいものである。

中には毎回同じようなキーワードで入ることもあり、それはおそらく同じ人が見てくれているのだろうなと思うわけだが、なんども足を運びたくなる要素がすこしでもあるのであれば、書き手冥利につきるというものだ。


そんな中で、しばしばこのブログに「first day of may life 和訳」といった検索ワードで辿りつく人がいる。

このブログでも取り上げたBright Eyesのヒット作『I'm Wide Awake, It's Morning』に収録されている曲で、非常に美しい歌詞とメロディのラブソングである。

ある女性と出会ったことでようやく人生が輝き始めた青年と、同じくそれまで日陰にばかりいるような気持ちの女性のことを歌った物語的な曲である。

「あなたに会うまで死ななくてよかった」という1節がすごく印象的で、いい曲だなと思う。

こういうあったかい感じの曲っていいですよね。

是非聞いて見てほしい。


そのアルバムのリード曲である"Lua"という曲があるのだけど、この曲が全米でNo.1を獲得して、インディの星から一挙にスターダムにのし上がったわけだけど、この曲もまた素晴らしい。

なんとも言えない切なさをたたえた曲で、シンプルな曲ながらそこで描かれる情景というのがいくつかあるのだけど、いずれも夜の喧騒と朝の静けさを対比的に描いていて、月の光の下ならシンプルなことなのに、朝になるとどうもうまくいかなくなってしまう、という流れで展開される。

希望の朝と評されることの多い朝だけど、本当にそう思っている人って実際はどれくらいいるんだろうか。

私も社会人になってもうじき10年経つけど、正直憂鬱な朝の方が多くて、夜の方が楽しい。

別に何をするわけでもないけど、1日の始まりを快く思えるのは休みの日くらいだ。

私は仕事が嫌いなのでね。

まあそれはちょっと違う視点だけど、どっちかというと夜の方がどこか開放的だし、向こう見ずに楽しめるところがある。

少しずつ周りが眠りに落ちて、時間が、動きが、少しずつ止まっていくのが夜だとしたら、朝はその逆である。

でも、社会活動が活発になる昼間に向かっていくので、その現実の中に生きる人にとってはやっぱり憂鬱な気分にさせられるのである。

もっとも、この曲自体はどこかその世間に居心地の悪さを感じている若者の姿を歌っていると思うけどね。

登場するのはパーティの始まる前の山盛りの食べ物、その帰り道に乱れた化粧?で歩く人、一夜限りの愛を永遠だと思ってしまう女とそれをはなからわかっている男、ひょっとしたら薬のせいですっかりやせ細ってしまった子などなど。

およそ夜の空間ではそれが当たり前だったり、普通のことのように感じて瞬間を楽しむわけだけど、朝になれば全てが普通ではなくて、それらは悪いことのようにされることもある。

そこには常識とか良識とか、やっぱり社会というものがあるからこそだと思うのだけど、そこにある種のやるせなさとか虚しさみたいなものがあるわけである。

それを彼の優しい歌声で聞かされると、やはりグッと来るものがある。


このアルバムが出たのは2004年とかなので、もう10年以上前なのだけど、当時私はもう大学生にはなってたかな。

リアルタイムでは聞いていなかったのだけど、おそらくその当時彼が感じたリアリティがこういう形で表現されているのだと思うけど、今に至ってもきっとこういう気持ちっていうのは共有できる部分てあるんじゃないかという気がする。

歌詞はある状況を切り取って表現されているわけだけど、具体的なようで解釈の余地はちゃんと残っている。

それが普遍的であるということだと思うし、いろんな文脈を当てはめることができて、それにより共感の受け皿を増やせることは作家性の高さというものだろう。

もっとも彼は彼で何か伝えたいものがあってこの曲を書いたのだと思うけど、何を受け取るかは聞き手側の自由なところがあるし、好きなように聴いたらいのだとと思う。


これからますます寒くなっていくし、そんな中でこの曲を、アルバムを聴きながら街を歩くと、なぜか少しだけ景色が優しく変わったような気持ちになる。

ここ数年もうアルバムは出していないようだが、年月が経っても色あせないから名曲は名曲なのである。

彼は新世代のボブ・ディランとも評される存在だったのだけど、それだけ素晴らしい歌詞を書いているということである。

この秋から冬にかけての音に是非、オススメな音楽である。

"Lua"