音楽放談 pt.2

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過去から未来へ ―Analogfish

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昨日今日とアナログフィッシュのキャリア総決算的な2days、Kyoto To Tokyoであった。

私自身、単独アーティストのライブで2daysって初めてであったが、両日かぶり曲なし、ここ最近の傾向としてロングランのライブという訳で、普段あまり聞けな曲もあるんじゃなかろうかと期待を胸に行ったわけだ。

図らずもアルバム制作のためにしばらくライブ活動を休止することも宣言されたため、しばし見納めにもちょうどよかった。

2日間でおよそ50曲、被り一切なしという非常にチャレンジングなライブだったが、ファンとしては嬉しいサービスだ。

それでも聴きたい曲すべてを聴けたわけでもなくて、満足感もありつつまだまだという思いを抱いてしまうのはファンのわがままだろうか。


1日目はデビュー当時に所属していたEpicレコードの頃の作品。

アルバムでいえば『世界は幻』から『Rock Is Harmony』まで。

彼らの初期の作風は、日本的オルタナロックという感じで、90年代的な色が濃いと個人的には思っている。

まだ音的に洗練されていないし、今ほどの鋭さはさすがにないけど、ある意味素朴でまっすぐで、熱量のすさまじい曲が多い。

このころはどちらかと言えば健太郎さん作の曲が代表曲となっている感がある。

アニメ主題歌にもなった"Speed"はじめ、"Antem""Low""行くのさ""不安""ガールフレンド"などなど、健太郎節全開だ。

一方の下岡さん策では"Town""夕暮れ""Hello""ナイトライダー"など、まさに双璧。

今回は上記代表曲はもれなく演奏されていたし、"僕ったら"も聞けて、これがうれしかったな。

彼ら自身も言っていたが、こうして改めてまとめて聴いてみると初期策の方がせわしない。

ベースとドラムもギターもフレーズが多いし、転調も多いし、いろんなものをぶっこんでんだな、なんて。

歌詞についても、健太郎さんは今以上に葛藤感があふれ出ているし、下岡さんもまだ表現が素朴である。

どちらかというと寓話的な描き方なのが特徴かな。

アルバム単位でみれば『Rock Is Harmony』の曲、というか録音がかなりよくなっているし、曲も彼らのキャリア総じていい意味で主張が少なく、ポップな仕上がりになっている。

なんかそういうのも改めてわかって、面白かった。

個人的には"スパイダー"とかも聴きたかったけど、さすがにやらなかったね。


そして今日はFelicity期の作品から。

アルバムでは『Fish My Life』から『Almost A Rainbow』までなので、彼らの音楽が大きく変わった時期の作品である。

1曲目が"並行"から入ったのにはびっくりしたけど、近作はベース、ドラムで曲を作って、上物を重ねるというスタイルが主で、下岡さんが明らかにギターを弾いていない。

健太郎さんのベースもループが多くなるし、齋藤さんのドラムも淡々とした感じが増えている。

ここでも結構レア曲満載で、『Life Goes On』収録の"ハッピーエンド"を演奏してくれたのがうれしかったな。

この曲って、個人的には娘を持つ父親の視点かな、なんて思って聞いているのだけど、あんまり取りざたされないけどいい曲だなって思うんだ。

ちなみに私は娘いないし結婚もしてないんだけどね。

だけど、将来娘できたら、きっとこんな気持ちなんだろうななんてね。


しかし、今日は前日の頑張りがたたって健太郎さんののどがやや不調であった。

特に序盤の謳いだしや、中域の声で歌う時に綺麗に声が出ない場面も結構あって、正直ひやひやしたし、齋藤さんもどうだ?ていう感じで見ているのが印象的であった。

下岡さんは、多分ドSだ。

MCも少なめで、今日は下岡さんの方がしゃべっていたね。

ちなみに健太郎さんだけでなく、下岡さんもちょいちょい歌詞を飛ばしていたし、齋藤さんも少し乱れる場面もあって、やっぱり疲労感があったみたいだね。

それでもなんとか持ち直して、最後まで走り切った。

今日の曲はここ最近の曲が多いので、それほどレアな曲はなかったけど、でもいいセットリストでした。

"City Of Symphony"が演奏されなかったのは残念だったけど、ラストの"Texas"もすごく良かったし。

満足感は高かったね。


冒頭にも書いたけど、これから後数本のライブをやって、その後はライブ活動は一時休止、制作に集中することになるので、しばらくライブはお預けだ。

終演後もずっと拍手がやまなかったけど、下岡さんが出てきて挨拶だけしてお開きに。

健太郎さん、さすがに喉が限界だったらしい。

少し休んで、しっかり元に戻してほしいよね。


彼らの特に近作は歌詞にも主張が強いし、政治的、社会的な曲も多いので、人によっては受け付けない人もあるだろう。

しかし、根本にあるのは素朴な感情だし、多くの曲は広義でのラブソングである。

割と平易な言葉で描かれるその感情だったり、何気ない情景だったり、多くの人が共感できる要素があると思う。

派手さはないし、ちょっと敷居が高く感じる人もいるかもしれないけど、そんなこともないし。

もっといろんな人に聞いてほしいバンドだと思う。


次のアルバムがどういう方向に行くかは現時点ではわからないが、また期待して待っていよう。

またアルバムを1枚目から聞き直したくなってしまった、そんな2日間でしたね。


"Texas"