音楽放談 pt.2

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ドキュメンタリーは何を写すか -其ノ灯、暮ラシ

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昨日から3日間、会社規定で有給取得をしているのだけど、絶好調仕事が立て込んでいるので結局ずっとパソコンを叩いたり、クライアントへ連絡したりと、まったくもって休日ではない。

今月末までに取らないといけないというきまりなのだけど、来週以降の方がはるかに忙しい予定なのでここでしか取れないと判断したんだけど、いやはや悲しい気持ちだ。

とはいえ、会社で作業するよりもストレスも少なく、多分同じ量の仕事を少ない作業量でこなせているはずである。

やっぱり根本的に私はあんまり人と日常的に接するというのが好きではないのかもしれない。


で、せめて少しでも休日感を得るために昨日はDVDを買って来た。

Morohaの初ツアードキュメンタリーである。

私はこの手のやつ好きで、それこそLITEとかBrahmanとかTha Blue Herbとか、いわゆるライブDVDだけでなく違った側面も楽しめるのがいいのである。

今回は2曲のシングルCDもついているやつで、いい機会なので買って来たわけだ。


早速見た感想なのだけど、とても斬新なドキュメンタリーだと思った。

主人公はMorohaではないのである。

まあ、ないことはないけど、焦点はその周辺的なところや撮影しているカメラマン・監督の視点であって、どちらかというとMorohaの音楽を通じて見る普通の人の日常の葛藤とかそういうものである。

ツアー先でお客さんに声をかけて泊めてください、みたいな話や飲みに行ったりして、知名度のないカメラマンとただの素人のやりとりがあって、始めのうちは正直一体何を見せられているんだろうという気にさせられる。

なにせ冒頭はカメラマンのおじいちゃんの入院シーン、このシーンの翌日あたりに亡くなったそうだが、この時点でなんだろうこれは、となるわけである。

その意味で、買う前にちゃんと内容を確かめた方がいいのは間違いないタイプのものだ。

映される人たちは、言ってしまえばある種の普遍的な悩みとかを抱えた人たちである。

中でも今回はほとんどが恋愛というフィルタの人間関係が多かったと思うけど。

その合間に流れるMorohaのライブ映像、楽曲を通して、彼らの歌っているものや、その受け取られ方、聴かれ方を写しているような印象である。

ちなみに途中で対バンしたToshi-lowとかも出て来て、彼も彼なりの色々を語るところがちょっとだけあったりもする。

そういう構成だから、先にも書いたけどいわゆるライブドキュメンタリーとはちょっと違う切り口である。

本当に普通の日常を、ライブという一般的には非日常的な空間を介して対照的に写しているのが面白い。


大きな感動は別になくて、ただそこにあるのは自分たちの周りにもありふれている日常でしかない。

だけど、実際に人生の中で特別なことはその普通の中の一部のイベントとしてあって、いきなりウルトラCが起こってしまうとそれは事件になってしまうからね。

Morohaの楽曲も、あくまで日常の中の、泥臭くて恥ずかしくて、時にみっともない日常の風景だから、つまらない人にはつまらないと思う。

ただ不思議なのは、楽曲も含めて彼らの作品はとりあえず人に見せたり聴かせて見たくなる。

歌詞が赤裸々だから、紹介することの気恥ずかしさみたいなものも正直あるけど、だからこそこれを聴いてこの人はどう感じるんだろう、みたいなことを思うのである。

お前、これ聴いて、見て、どう思う?て。

どうも思わないと言われてもそれはそれでそっか、で終わるし、好き嫌いをはっきり言われてもそれはそれでその理由に興味が湧くし。


自分の人生が平凡だな、なんて思っている人なんかは、見てみてもいいんじゃないかと思うような作品である。