音楽放談 pt.2

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小休止148「雑誌のあり方」

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今時音楽雑誌を読む人はどれくらいいるのだろうか。

先日The Novembersの小林くんとThe Horrorsの対談があるウェブ媒体で上がっていたのだけど、イギリスではそんなものはすでにないらしい(多分実際にはあるんだろうけど、彼らには全く見る価値のないものとして目に映っていないのだろう)。

私は本はすきなので未だに読むし、たまに買うし、未だに生活の中には普通にある。

だけど、実際面白い記事がどこにあるかといえば、ウェブ媒体の方だったりする。

老舗のロック雑誌といえばロッキンオンだけど、この雑誌を読むという機会は極めてくすない。

なんとなく毎月パラパラめくっているし、好きなアーティストが出ていれば読むけど、基本的にはディスクレビューのコーナーくらいしかまともにみない。

毎年年間ベスト発表号は買っているんだけどね。

とりあえず、別に読んでいて面白くないのである。

もっとも面白くないのはジャパンの方だけどね。


そんな中、個人的に気になってなんとなく手に取ってしまうのはヘドバンという雑誌である。

まだ創刊されてそんなに経っていないから、今時あえて雑誌を発行しているチャレンジングな媒体である。

基本的にはメタル、ハードロックというジャンルを扱っており、人間椅子やThe 冠などの日本の中でも尖ったところや、たまに上田剛士も出てくるし、海外のアーティストも結構扱っているので本当にジャンル特化な雑誌である。

それだけ切り取れば別にBurnとかと変わらんのでは?と思うだろうが、フォントや写真、タイトルなどが暑苦しいくらいの熱を帯びていて、好きで仕方ない人が楽しんで作っているんだろうな、ということが伝わってくるのである。

先日も新譜の方が聞こえては消えているSystem Of A Downの特集を組んでいたのだけど、基本的には褒めちぎって「待ってるぜぇ~」的なテンションなのである。

ハイプとかではなくて、俺好きすぎるから誰かに話し聞いてほしい、という感じなのだ。

その熱量が素晴らしいのである。


そもそもこの雑誌の創刊のきっかけは、今をときめくBabymetalを応援したい的なモチベーションだった気がする。

だから、毎月必ず彼女たちは登場している。

そう、言ってしまえば行きすぎたファンジンである。

でも、とにかくメタルというジャンルが大好きなんだろうなということはよくわかるのである。


いわゆる情報媒体としては明らかに量も速度もウェブにはかなわないし、ライターがそちらに移行すれば質も変わらなかくなっていく。

しかもそれがほとんど無料だし、検閲もないし余計な気遣いもないから内容も面白いものになりやすいから、そっちの方が媒体としてはやっぱり見る機会は増えるよね。

特にウェブはPVがわかるから、面白くないものは見られないから消えていくし。

じゃあ雑誌の価値ってなんだろうという話だけど、その保存性とかパッケージ性は明らかに本の強みだろう。

最初から最後まで並べることで表現できることはやっぱりあると思うし、好む好まざるに関わらずその本の中には本の世界観が詰まっているから、それは大きな武器だろう。

実際かつて紙媒体をやっていた人たちでも、ウェブ媒体の欠点としてそうしたものを表現することは難しいということを語っていた。

それはウェブのアドバンテージが完全に裏返っている状況である。

先のヘドバンについても、何が面白いかってその世界観な訳である。

その濃度が面白いから手に取ってしまうし、多分好きな人にはたまらないものになっているだろう。


話は前後するんだけど、先の中で面白くない雑誌としてあげたものには、そうした熱量を感じないのだ。

それこそ~ジャパンなんて完全に広告媒体とかしているしね。

フリーペーパーかと思うくらい。

表紙から目次までに一体何ページめくる必要があるのか、って話である。

まあ、あの会社自体今はイベント会社になっているみたいだし、そのためのパンフレットみたいなものだと思うから、そりゃ面白くはないよね。

否定はしないけど、ことさら興味は惹かれないのである。


昔、大学生の頃バイト先にいた人に紹介された雑誌があって、「ラジオライフ」というのだけど、アマチュア無線の専門紙である。

私は全く興味はないし、そんな雑誌があること自体に驚いたんだけど、めくっているとそれなりに面白いのである。

何がって、そこにはそれを全力で、本気で楽しんでいる人たちがいて、「短波ラジオなんちゃら」とか、「アマチュア無線なんとか大会に、今年はなんと30人も参加!」とかいう文言が踊っているのである。

そして懐かしのお手紙コーナーまであってね。

この手のマニア雑誌は、自分の知らない世界であるとともに楽しんでいる人を覗くのが楽しいのである。


音楽雑誌についても、せっかくなら色の濃い、匂い立つようなものが出てきたら、それはそれで面白いと思うんだけど、まあ商売にはならないか。