音楽放談 pt.2

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ロックバンドとしての矜持 -アナログフィッシュ

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今日は10月10日、アナログフィッシュの日ということで、久しぶりのライブであった。

今年の4月以降ライブ活動の一時休止を宣言、要するにお休み取りますとなっていたのだ。

半年という時間だけみれば別にわざわざそんなこと言わなくてもいいのに、とも思うが、彼らは昨年は毎月ライブをやっていたし、2ヶ月に1回は自主企画的な対バンイベントもやっていたので、もともとライブ活動は精力的な方である。

もし何も言わずにパッタリとライブしなくなったら、多分あらぬ噂があっただろう。

それこそ今年3月はキャリア総決算みたいな2デイズのライブもやったので、そのような嫌疑がかかっても仕方ないというもの。

この休止期間では新作のレコーディングも腰を据えて行うということはアナウンスされていたので、ファンとしては寂しさ半分期待半分といった感じだった。

ちなみに毎年この日はTownmeetingと称してアコースティックのオール指定席のライブをやるのが恒例となりつつあったのだけど、昨年はこの前後にアコースティックセルフカバーアルバムを出していたので、それも考えると彼らにとっては一度立ち止まるタイミングだったのだろうね。

夏恒例のイベントも今年はなかったのだけど、こうしてこの日にライブをやってくれたのは嬉しかったね。


久しぶりに登場の彼らだが、登場して早々会場がざわついた。

なぜかといえば、4人ステージにいるのである。

彼らは3ピースバンドで、ドラマーが一時病気で離脱していた時期があったのだけど、その時は最大5人編成でやったこともあったそうだ。

しかし、ドラマー復帰後はこの3人のバランスでずっとやってきたバンドだったので、ついに体制変更か!とファンはざわついたのである。

結論から言えば、あくまで今回のライブのサポートということで参加しただけのようで、実際彼はmooolsのギターの人だったので、もともと彼らとも親交があり、かつ今回のライブに求めたものを実現するために呼ばれたのだろう。


平日の休み明けではあったが、トータル2時間ほどのボリュームだったのだけど、曲目は彼らのライブ定番曲を軸に、新曲もいくつか披露された。

近年の彼らのアルバムに見られる、下岡さんの作るミニマルで音数少な目の楽曲と、より歌にフォーカスした健太郎さんの楽曲がバランスよく配置されている感じだった。

歌詞の視点もそれぞれで表現の仕方がより明確に分かれていっている感じがして、それも面白かったね。

新しいアルバムについてはまだレコーディングは半分くらいの進捗、ということなのでリリースまでにはもう少し時間がかかるかもしれないけど、新曲を聴いた感じではちょっと大人のフィーリングなアルバムになるのではないか、という気がしました。


で、今日のライブで気になったのは、サポートメンバーを入れたこともその一つの表れかもしれないけど、彼らなりにロックンロールなライブを目指したのかな、という気がした。

どの曲もアレンジというか、出音がラウドで斎藤さんのドラムもいつもよりもて数多かったり、大きく打ち据えるような出し方が多かった。

選曲も、ある程度アルバムを広く網羅してはいるものの、『荒野』からの楽曲が多くて、今の世の中の情勢とかあり方を考えても、彼らなりに伝えたい思いとかそういうものをこれまで以上に前に出していた印象はあった。

とはいえ、基本的には彼らもまずはライブを楽しんでいるのが第一義というところはあるんだけど、音といい選曲といい、彼らなりにロックバンドとしての意地というか矜持というか、そういうものを示したかったんだろうな。

実際最後に下岡さんが「僕らはただのロックバンドです」とあまりらしくないことも言っていたし、"Hybrid""Phase"なんかはいつも以上に熱がこもっていた。


ところで特に意識ているわけではないけど、最近このブログでも私はしばしばロック、ロックンロールという言葉を使っているなと気がついた。

先のTVTやandymoriの記事でもそうだけど、私自身音楽を聴いていてロックバンドの音楽にやけに耳を惹かれているのである。

以前から割と雑食的にいろんな音楽を聴いているつもりだったけど、それでもあくまでロックを主軸にというか、出自に持つような音楽をなんだかんだ聴いていた。

だけど、最近はゴリゴリのヒップホップやジャズ、R&Bとか、いわゆるロック的ではない音楽も結構聞くようになって、それはそれで気持ちいいから聴いているんだけど、反面それによってロックバンドっぽさみたいなものが却って自分の中で気になるようになっているのかもしれない。

この時代のムードとか、あるいはもっと身近な生活の中でも、反骨心や戦いということを考えた時に、私にはロックバンドの音楽の方がしっくりくるのかもしれない。

一応言っておくけど、別にロックバンドこそがそういう音楽で、そのほかのものがそうではないとかそういう話ではなくて、あくまで個人的にはそういう音楽をそういう場面では好む、というだけの話である。


専門誌でもなんでも、ロックバンドというあり方が音楽的な確信性とか発展性みたいな視点で評価されにくかったり、チャート(オリコンではなくてね)を見てもいわゆるロックバンドがほとんどでてこない、という現状を見てロックは死んだ的な言説もちょくちょく見かける。

バンドよりもソロアーティストの方が攻めていて主張もある、みたいな言説もあるわけだけど、まるでそんな言説に舐めんなよ、というようなことを示したいかのように感じるところもある。

実際彼等は多分いろんなそうした批評も見ていると思うし、特に下岡さんはヒップホップは大好きだと思われる。

歌い方もラップ調の曲が増えているしね。

あの呂布カルマもシンパを感じるアーティストとして彼等、特に下岡さんの名前を挙げていたのは一部では有名な話である。

だから、彼等自身がほかの音楽に対して敵対的なというか、批判的な目を持っていることはまずないと思っていて、どちらかと言えば彼等自身のアイデンティティというようなものを示す時に、やっぱり俺たちはロックバンドだ、ということをどこかで感じたのかもしれないね。


今のところの最新作は『Almost A Rainbow』なんだけど、いわゆるロックっぽいロックというよりは、もっとポップスに近い曲もあるし、ヒップホップっぽい曲もあるし、いい意味で広い音楽性を持っていると思うんだけど、今日のライブは先にも書いたようにロックバンドらしさを出してきた。

そういう姿勢が、私はなんか好きで、楽曲もいいし、個人的なことも社会的なことも含んだ歌の世界も素晴らしいし、聴いていて心地よくて本当に時間を忘れさせてくれる素晴らしいライブで、やはり彼等の音楽が好きだなと思った。

またライブ活動も再開していくようなので、また時間があるときは何回でも見たいし、新作にも期待しつつ、旧作も引き続き聴き続けるだろう。

私は批評は好きだし、そういうメディアを好んで読むところはあるけど、詰まるところそんなことにこだわっているやつには興味がなかったりする。

「僕らはただのロックバンドです」

この言葉が何よりである。

"There She Goes (la la la)"