音楽放談 pt.2

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小休止152「2017年の極々個人的ベストアルバム」

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ゆく年、来る年、という言葉がこの時期には毎年頭が過ぎる。

毎年元旦にNHKでやっている例のやつだ。

小学生の時分にはおばちゃん家で親戚衆と紅白なんぞをみながらてっぺん回って、近所の寺に初詣に行く、というのが割と恒例となっていた。

今思い返すと、あれは神社だったかもしれないが、それはともかくそこにはいくつかお堂があって、その都度賽銭も投げるわけだが、ある年に3箇所の賽銭箱に投げたのだが、1つ目は勢い余ってオーバースロー、2つ目は格子に弾かれて外へ、3つ目は格子の間に挟まって入らないということがあって、それ以来私は無神論者になってしまった。

ちょうど中学生になってだんだん年末年始は家で過ごすことも多くなると、これは随分久しい記憶である。

父方の実家で過ごすことが多かったが、今はもうおじいちゃんもおばあちゃんも亡くなっているので、今はそうしたこともすっかりないのだろうか。

そもそも私が年末年始に実家にすら帰らないので、それ以前の問題だが。

今年はどうしようか。


さて、毎年自分の中で今年出たアルバムを極々私的な視点でランキングにしてみることをやっているのだけど、今年もまた考える。

今年はアルバムもさることながら、ライブも結構見られたし、結構充実してたな、なんて思うわけである。

久しぶりに出すアーティストも多かったし、図らずもある一軍が揃ってリリースしたりもあって、個人的には熱い1年であった。

それゆえにこれって今年だっけ?みたいなものもあったりして、それは毎年あるんだけど、単純に時間的な密度がゆえかもしれない。

と、いうわけで今のトレンドとか文脈とかそんなことは関係ない、ただ私が好きなアルバムを並べるだけだけど、こんな感じかな。


1位:8otto『Dawn On』
一言:6年ぶりのアルバムは泥臭くてクールで熱い8otto印のロックンロールだった。背景のエピソードも含めて歌詞を聞いてもグッとくる、大人のアルバムです。

2位:Queens Of The Stone Age『Villains』
一言:これまでと少しベクトルの異なる方向に舵を切って、今のメインストリームも視野に入れたという作品だけど、彼らの代名詞のリフは前回。曲はポップで聴きやすいものも増えて、また異なるアプローチにもなっただろうか。何よりフジのライブが最高だった。

3位:Feist『Pleasure』
一言:歌よりもアレンジや彼女のエキセントリックさが際立つようなアルバムで、できればもっと歌を聴きたかったと思いつつも、なんだかんだ聞いていて心地いいアルバム。初めて見たライブではとてもチャーミングなMCもありつつ、その声はやっぱり最高でした。

4位:Broken Social Scene『Hug Of Thunder』
一言:ある意味で彼ららしいスタンスが一番現れているアルバムかもしれない。時代の情勢に対して訴えたかったことが素直に出ているアルバムで、音像的には一番くっきりしている印象。これまで一歩引いたようなところがあったのだが、いいたいことや伝えたいこと、彼らの願いがわかりすく表現されていると思う。

5位:Four Tet『New Energy』
一言:フォークトロニカ的な曲もテクノっぽい曲もダンスっぽい曲もバラエティに富んでいて、静かな音像がとても気持ちいい。地味だけど染みる好盤だと思う。

6位:The Horrors『V』
一言:正直思ったよりはアルバムは話題にならなかった気がする。インダストリアルな風味があるが、曲自体は前作からさらに進めた感じではあるが根本にある。ラスト”Something To Remember Me By”は新しいアンセムになるくらいの素晴らしい曲だと思う。

7位:St. Vincent『Masseduction』
一言:ショッキングピンク背景にレオタードのけつを見せている衝撃的なジャケットが印象的だが、音楽的には図らずもHorrors同様インダストリアルを参照するという。個人的にはこれまでで一番好みのアルバム。ホステスでのライブも際立っていた。やっぱり女性の方が華がある。

8位:Yogee New WaveWAVES
一言:彼らの音楽のテンションがとてもいい。高すぎず、引きすぎず、夕暮れの似合う感じ。1stの時よりもナチュラルに肩の力が抜けているのがいいですね。

9位:The Blue Herb『The Great Adventure
一言:20周年を祝したミックス盤、いわばベスト盤的な位置付けである。ラップサイドとトラックサイドの2枚組という構成も特徴があって、これを機にぜひ聞いて見て欲しいなと思う。

10位:Spoon『Hot Thouts』
一言:聴き込むほどにじわじわくる。もともと彼らの曲はいい曲が多いし、ヴォーカルの声もかっこいい。気がついたらずっとiPodに入ってる。

次点:The National『Sleep Well Beast』、Plasticzoons『Plasticzoons』、Dirty ProjectorsDirty Projectors


毎度のことだけど、音楽誌とかとは全然関係ないアルバムをあげて見た。

先にも書いたけど、Feist、Queens、St. Vincent、The Horrorsほか、Shins、Blood Orangeなど念願のアクトも見られたし、日本人勢もよかった。

1位に8ottoを選んだんだけど、単純にアルバムが良かったし、ライブも相変わらずかっこいいし、売れてないけど好きなことへの情熱みたいなものとか、それが実を結んでこうやっていい作品を出して、またツアーをして、とても楽しそうな感じがいいよね。

泥臭い、スタイリッシュではないのもかっこいい。

彼らはもう40近いからいい年なんだけど、だからこそ染み入るところもあって。


音楽に限らない話だけど、やっぱりこういうエンターテイメントっていうのは個人的にはやっている本人が楽しそうなのが見ている側にとっても楽しいと思っていて、それが音楽ならその音に、お笑いでも芝居でもそれとなくそれが言葉や動きの端々に出てくるから、それが感じられるものをほど私は好む傾向がある。

若い時ってとんがっているのがかっこいいと思っていたし、人と違うことをこそやるべきだという価値観だったのだけど、今もそういうものは変わるあるにせよ、そうでないものを否定はまったくしないし、むしろその中できちんといいものを出していけることの凄さみたいなものもわかるようになった気がするね。

The Blue Herbはその最たる例だと思っていて、かつてのようなとんがり方はしていないし、今年リリースされたシングルや、野音に合わせて作られた曲も、昔の彼らからは想像もつかないけど、でもその素直さというか、かくし立てのなさがなんだか妙にいいなと思える瞬間もあるわけである。

年をとって、環境も変われば好む音楽が変わるのは当たり前だし、共感できる言葉も変わる。

客観的な評価とか、音楽的な文脈みたいな話は専門誌に譲って、こうやって個人的なものをまとめておくと、図らずも自分自身の心境の変遷のようなものを感じることもできて、それが面白かったりもするんだよね。


とりあえず、まだまだ聴き込めていないだけのもあるので、また色々聴きながら楽しみたいですね。